5月は「歌人になる」授業

勤務校は5月末までの休校を決定し、11日(月)から家庭学習サポートが本格化します。

授業プランをここに書いておいて、また休校が明けたときに振り返れるようにしよう。

短歌創作をします。

題して「歌人になる」。…あきらかに「作家の時間」の影響を受けています。

毎回、短歌創作に関する文章を「読み」、こちらの課題に対して「詠む」。

「読み」を「詠み」に活かす。

インプットをアウトプットに活かす。

というサイクルを続けていきます。

登校できない、タブレットも配布していない、zoomのような同期型と参加できない生徒が出てくる。そんな限られた状況で何ができるか、いろんな授業案を考えましたが、最終的にこれに決めました。

外出自粛で閉塞感があり、しんどい状況だからこそ、家でゆっくり表現というものに向き合ってもらおう、文学の力に助けてもらおうと考えたから。

また、友達に会えないこの時期だからこそ、教師とのやりとりだけではない、生徒同士の交流が生まれる授業にしたかったから。

「読み」に使う教材は、以下の本からの抜粋です。

各回の課題の内容は

第1回 短歌の種になる「心の揺れ」をリストアップする(俵)

第2回 5音、7音の言葉を作ってみる(尾崎)

第3回 「飛び出すな車は急に止まれない」に下の句をつける(栗木)

第4回 「楽しみは…」「休校がもし明けたなら…」に続けて詠む(栗木)

第5回 四句までを読み、結句を考える(栗木)

第6回 物語を短歌に翻訳する(栗木) → ここで一首、自作を詠んでみる

第7回 推敲の大切さを学ぶ(俵)

第8回 オノマトペを使ってみる(栗木)

第9回 比喩を使ってみる(栗木)

第10回 お気に入りの歌を選ぶ①(NHK全国短歌ジュニア大会の入選作)

第11回 お気に入りの歌を選ぶ②(永田和弘「現代秀歌」)

第12回 お気に入りの歌を選ぶ③(永田和弘「近代秀歌」)

とりあえず5月はこれぐらいか。

最終的には、推敲を重ねて自作を完成させ、歌集を作る。

強制はしないが、短歌コンクールへの出品を促す。

作歌の背景、推敲の過程をレポートとして提出させる。

というふうに展開して評価したい。

授業は主にGoogleクラスルーム上のやりとりで行います。

① 教材冊子を郵送する。

② 週3回(月・水・金)、朝8時に課題を投稿する。

③ 生徒は課題に取り組み、翌日の正午までに提出する。

④ 午後、提出されたものをもとにフィードバック動画を撮影する。

⑤ 翌朝、フィードバック動画と次の課題をクラスルームに投稿する。

この繰り返しを5月いっぱい続けていきます。

この授業の目標はコレです。

① 定型リズムを意識して言葉を厳選することを通して、語彙力を高め、言語感覚を磨く。

② 自身の作歌・推敲の過程を客観的に見つめること、また他者の詠んだ短歌を鑑賞することを通して、自分自身のものの見方、考え方を深める。

上記2つがメインですが、裏の狙いとしては、学校から離れて久しい生徒たちに、「やっぱり学校っていいなぁ、授業っていいなぁ」と思ってもらいたい。

教室で生徒の顔を見ながらできないのは残念ですが、

やっぱりオンラインであっても、授業ができるのはワクワクしますね。

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