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HSPと職場の人間関係〜みんなで心理的トリガー合戦

生きづらさを卒業して働く、HSPのための自律神経ケア×強みプログラム「そういう個と。」主宰の皆川公美子です。

今回は

HSPと人間関係

というテーマについてお話してみようと思います。

本記事の音声版はこちらからお聞きいただけます。

“人間関係”と聞いて、どんなことを思い浮かべられますか。
私こういう人苦手なんだよな
こういう人と仲良くなりやすいな
あ、あの人に恥をかかされた記憶がよみがえった
・・・
ポジティブもネガティブも含めた、いろいろなイメージが感情と相まって
想起されるのではないでしょうか。
起こったことと自分の感情には、一定のパターンとか規則性みたいなものが隠れているんです。


『人間関係』として起こったことで、これまでの共通パターンはありますか?


私の場合、を説明させていただくと例がわかりやすいので、過去の例として恐縮ですがお話ししてみますね。
幼少期の頃から繰り返しているわたしのパターンは
目立ちすぎると、叩かれる
というパターンです。
最初は全く気づいていませんでした。
が仕事柄SNSを使ったり、
何か自分のことを発信していく、ということに最初は理由のない「抵抗」がありました。
別にこれといった根拠はないんです、
友人や知人がたとえわたしの発信を見たとしても
そのことで責められるようなことはないだろうし、
ましてや距離をとられるようなことは書かないつもりだし、
でも・・・
なぜかなんとなく不安だった時期があったんです。

また、何か褒められたとき
「例えばそのスカート素敵ね」みたいなことをランチの席で言われたときに
ただ、「ありがとう、素敵でしょ」と受け取ればいいものを、
「○○で、安かったから買ったの〜」のような
褒めた側からしたらなんとも気まずい一言を投げ返してしまう
自分に気づいたことがありました。

自分自身では気づいているけれども、ひょんなことで無意識に自分を低く見せてしまう。

自分が発信者となろうとしているときに

これは良くない・・・と思いつつ
それをやめられない。。

もっと言うと、
無意識にやってしまう。
こういうことは、潜在意識の領域にある心理的トリガーからきているものです。


心理的トリガーとは

いきなりトリガーというワードを出してしまいましたが、トリガーというものについてご説明したいと思います。

【トリガー(trigger)】 トリガー(trigger)とは、特定の物事を引き起こすきっかけや、引き金のことです。
いろいろな業界でトリガーという言葉が使われていますが、(マーケティングの世界では、購買につなげる「トリガー=仕掛けやワード」などという使い方をし、 ITの業界では「特定の出来事が起こった際に、特定の処理を行うソフトウェアをトリガーと表すケースが多い」そうです)
ここではトラウマ心理学の世界で使われる「トリガー」に限定します。

人はみんな自分を守る、防衛する機能を持っています。
攻撃されたときにヒヤッとしたとか、危なかったっていう思いを、判断する頭脳じゃなくて(エピソード記憶ではなく)身体が緊張したり固まったりすることで記憶しています。
ひやっとする、「感じ」です。
胸のところがキュッと痛んだりとか、そういうことがあったときに
「やばっ」と身体がアラートとして記憶します。


なにか自分にとっての事件が起こった時に
わっと逃げ出したかった、
ぶわん!と怒りが湧き上がって相手を殴りたかった、
やだよ!!と相手を押し戻したかった、
そのような強いエネルギーが生まれたことを、
身体の中で抑え込んだときにトラウマができます。
これが放出を阻まれた「未完了のエネルギー」と言われるトラウマの仕組みです。

トラウマ化とトリガーの仕組み

またまた恐縮ですが、わたしの過去ケースでたとえばの具体例をお話しますね。
わたしは幼少期からすごく転校が多い子供でした。
これは純粋に親の都合なんですけれども、学校は全部で11校行きました。
うまくいけば小学校中学校高校大学ひとつずつで3~4校程度ですよね。
かなり回転数の高い転校生活でした。

転校生ってやっぱり、クラスや学年の雰囲気ができあがっているところにはいっていく行為なので、
注目が集まりやすい、何かしらで標的になりやすい、です。
学年の途中(2学期おわりなど)で転校するというときの処世術として、私はHSPですので次のクラスがどういう雰囲気のクラスかをさっと肌で感じることができる特技があって、秒で馴染む方法を選択することができました。
(今になって過去を振り返って分析すると、ですが)
このクラスは割と抑えめに、静かにしていた方がいいな。とか
元気キャラって言った方がいいクラスだなとかっていうのを、
頭で考えるよりも先に体が察知するんですよね。
子どもですので、もう本能的なものと言ってもいいかもしれません。
幼少期には自分の存在感とか、自分の持ってるいいところや傾向が客観的に見られないから、うまくアピールする術なんて
わかりません。
標的にされないために、どうやって溶け込もうか、という
子どもの本能としては
「身を守る」に徹するわけです。

本能的に、例えば元気キャラで行ったときもあった。
本能的に、目立たず雰囲気を消していったクラスもあった。

けれども概して、HSPであるわたしは、ほかの子と物事を捉える角度が違ったり、そのことで、目だとうとしているわけじゃないのに

「かわってるね・・・」

と受け取られるようなことをどうしても言ってしまう。
要するに「ちょっと変な子」なので、目立つわけです。
大声で変な子だねって言われることはなくて、みんなのそこはかとない雰囲気のなかで溶け込めている気がしないこともありました。
HSPあるあるです。
がんばってまとった元気キャラと
予期せぬ目立ちキャラが重なって、そのクラスにとって「あの子悪目立ち」になったとき、いじめられたり言葉で叩かれたりしたことがありました。

あれは小学校の3年生だったと思うんですけれども、忘れもしない事件があります。
ある女の子が、クラス中の女の子を自分の味方にして、私のことを取り囲んでいじめました。
「この子の悪いところをみんなで言おうよ」と輪になってとりかこまれ、
いろいろ言われたんですね。

わたしにとって大きなトラウマになりました。
目立った→いじめられた

という方程式が身体感覚に記憶されました。

トラウマが身体に記憶されるという言葉に違和感を覚える方は
こちらの書籍をどうぞ。(歴史的名著です)

この時にできたのが「目立っちゃいけない」という信念です。
その後にも自分の一番奥底(正確には脳幹ですけれども)についた傷、その目立っちゃいけないという信念は、意識に登ってこない、言葉にならないのですが、ずっと記録されているわけです。


だから例えば、ちょっと冗談で「クラス委員やりなよ」「まとめ役やれるでしょ」など、「目立つかも」という種類のことを言われると、それがトリガー反応につながり、きゅっと身体が縮こまったり、急に緊張したり、とそういうことが起こるわけです。
これがトリガーの仕組みです。

みなさまにも、ひとつや二つ、思い当たることはありませんか?


自分にとってのトリガー、はみんなそれぞれ違う

自分の感情が揺れる引き金は、全員、なにかしら持っています。
世界全部が自分の理解者と思えるところで育ったような稀有な人がいたら別なんですけれども。

大抵の人は、社会生活とか学校生活とか言われる中で、自分と違う考え方の人たちと会いますよね。
そういう中で、なにかしらの軋轢が起きてみんな何がしかトリガーというものを持ちます。
いじめられた、というのは一例ですが、
虐待にあった、相性が悪かったことで喧嘩した、ただ単にいきなり殴られた、などどんなことでもトリガーになりえます。
言い換えれば、痛かった記憶を想起させる引き金です。

人によっていろんなトリガーの種類がありますが、最近受講生さんのなかでも、そこに今向き合ってるという方が多いなという印象があります。

例えば、この人意見なくてカメレオンみたい・・・あっちの人にこっちの人に合わせるために意見を変えて、コロコロいくな…やたら服従的だなあというような人はいませんか。
これってその人の中の防衛的反応が起動してるわけですよね。
誰かを裏切ってでも目の前の人に服従してくっついていきたいという気持ちがおこちゃうのは、その人のせいなどではなく
ましてやその人の性格でもなく
なんらかのトリガーを構築してサバイブした過去があったというだけです。

逆に、ちょっとでも何かで相手が自分の上のポジションとってきたと感じるや否や「何だこいつ!」という攻撃的怒りの感情が出るというのも、このトリガーってやつです。

相手が上だと感じるのは年齢やポジション、役職といったわかりやすいものだけではなく、
グループの中で発言などから、相手にそのつもりが全くなくても勝手にマウントを取られたように感じることもあります。

理由は外からはわかりません。
その人の過去に理由があるので、なにに発火するのかは
その人の過去体験によるからです。

人は自分の内面世界を投影し、自分の眼鏡を通して見るので、相手の意思とは関係なく感情の揺れがトリガーによって引き起こされてしまいます。

「何だこいつ」という困惑の感情の揺れが湧いたときに、そのあとの行動は人によって違います。
トリガーの種類も神経状態も違うから。


職場もグループも、普通にトリガー合戦♡

職場も学校も、一般的にはトリガーがないひとって多分そんなにいません。

言ってみればトリガーが立って歩いて暮らしているのが集団というものなので、
誰かがそのトリガーによって何かを触発されていってるんだなということを理解しておかないと、相手のナラティブ(解釈の物語)に引きずり込まれて衝突が起こります。

HSPさんは現実に言われなくても、たとえば眉がぴくっと動くなどちょっとした相手の言動自分の中で相手の感情を感じてしまったりしますよね。
この人すごい私のこと嫌いなんだなとか、何か神経質になってるなとか、ご機嫌に触ったんだなとか。
何か相手を攻撃したつもりでなくても
その人にとってのトリガーに合致すると
感情は揺れるのです。
(もちろん社会人ですので、それをあらわに出す人は、かなりヤバイですよね。ハラスメントはトリガーに揺さぶられた人がそれを抑えきれずに
偏った行動にでることと言ってもいいかも過言ではないかもしれません)

いきなりどなる上司、
いきなりマウントとってくる同僚、
その人たちは何かのトリガーを持っていますが
それは外からはわかりません。
皆様に今日お伝えしたいのは
ハラスメントを行うような人は論外ではありますが、
人は大なり小なり、なんらかの
トリガーを抱えた者同士で職場にいるということ。
これを知っておいていただけると少しラクじゃないかなと思います。

だれかの怒りは、だれかの「せい」ではなくて、
心理的トリガーさんが影で暗躍していることも多いのです。笑


でも、自分も何かのトリガーは、コントロールできるものにしておくべき

相手の何かに、すぐにトリガって、巻き込まれる自分でいると、何回職場を変えても同じことが起こります。

たとえば代表的なものは
意見に対しての反論をされただけなのに、自分そのものを否定されたような感覚で「自分なんか」とすぐにしおれてしまう。
これは幼少期に「認められる」ということが健全に行われてこなかったからかもしれません。

相手がトリガーを引かれて出てきた感情を自分に向けてきて、その向けられた感情が今度は自分のトリガーの引き金になって、自分の感情を誰かに向けて…
というように、みんなで伝言ゲームみたいなことをやっている状態ってありますよね?
会社で争いごとが多いチームは、上記の例がわかりやすいかもしれません。
受け取った爆弾をまた別の形で爆弾だと思って、形を変えてどんどん人に回しているっていう、そういう感じで俯瞰して職場を見ていただけると、感情的に巻き込まれすぎずにちょっと落ち着けることもあるのではないかと思います。


境界が持ちづらい人は、相手の状況を背負いすぎないことを意識していこう

HSPさんは境界線が引きづらい方が多いので、「これは相手のトリガーだ」「わたしには関係ない」って距離を取って受け取ることが難しいです。
これは相手のトリガーだ、それ以上でもそれ以下でもない、
で終わっていいところを、
この人の役に立てることはないか、
この人を何とか癒してあげたい、
この人もこんなかわいそうな境遇だったんだ、
と相手側に入り過ぎてしまうことが多いです。

相手が本当に好きな人だったりマブダチなときは、人生の時間を使って相手の気持ちをとことん理解し、共感して、思う存分その愚痴も聞いて、相手のストーリーも聞いて慰めてもいいと思います。
でも、職場の人間関係って、そこまでするものかってことも考えてもいいかもしれません。

そこで線を引くということも、自分または本当に好きな人のために時間を使うためには必要なことかもしれない。

今日は、人間関係トリガーと感情のアップダウンや巻き込まれ というお話をしました。特にHSPさんの境界線が弾きづらいというところに関連して、トリガーもあるよねと。いう意味です。

そしてトリガーは、きちんと自分で理解して修正していく期間(自律神経再構築)を持つと、
人生はぐぐぐっとラクで楽観的でハンドルしやすいものになります。

最後までお読みいただきありがとうございました。


<お知らせ>
自分と優しく向き合い自律神経再構築時間をもつ【そういう個と。】プログラム
第11期のご参加受付は締め切りが近づいています。

そういう個と。プログラムの第11期は2月17日より6ヶ月。
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本気でご自身の【生きづらさ】からくる【働きにくさ】を変えていきたい方のご参加をお待ちしています。

本プログラム内で時間が決まっているのは月に一度あるグループセッションだけ。
ポリヴェーガル理論ベースに進んでいくとご自身の反応パターンがかわります。
あなたはの強みは?そのモヤモヤの原因や働く現場のアサーティブコミュニケーションなどの学びは、約80本用意されています。
動画や音声、文字のコンテンツからご自身の興味と生活時間を加味しながら学びを進めていただくことができます。

11期はそのグループセッションが土曜日の夜7時スタートとなっており、各回3時間(最終日のみ修了式を含め4時間)での実施です。日程は以下の通り。
2/17・3/23・4/20・5/18・6/15・7/13(最終日のみ23時まで)

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■自分の働き方にもやもやがなくならない方
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どうぞご参加ください。
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また、ご質問やご相談は公式LINEやInstagram(@souiucoto_hsp)のDMにて
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11期(土曜日の夜)は時間が合わない、という方は12期以降の申し込み開始通知のご案内も可能です。お気軽にご相談ください。


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