豆腐餻が組み合わさる流れ

豆腐餻からヒントを得たのは、12月3日の呑みの席での出来事。

先輩が「泡盛倉庫の会員になったから、今度一緒に行こう」と、誘って頂き、二人で行く事になったのです。

泡盛を専門に扱う会員制のお店で、席に着き、メニューを渡されるも、
「現在は何百種類もの泡盛があるので、メニューに載ってるのはほんの一部です」
と言われるのも納得。

お店の壁には泡盛がズラリ。

目が泳いでしまい、選ぶのも一苦労。

最近、お酒からコーヒーのヒントを得よううとしている僕にとっては、片っ端から呑んでいきたい。
でも、酔っ払う前しか味取りがちゃんと出来ないので厳選して二人で選びました。

その中、何かつまめるものを頼もうと、何気なく選んだ「豆腐餻」

しょっぱくて、クセが強いんだろうなと思いながら、一口含むと

まろやかで優しいアルコール感と発酵の感じが、チーズのようにも感じました。

初めて、豆腐餻を美味しい!

と思った僕は、すぐコーヒーへと思考回路が切り替わり、アレンジドリンクが思い浮かびました。

それも、彫刻家 永澤嘉務さんが作る琉球石灰岩のエスプレッソカップでの一杯。

今年の夏頃からお迎えした器を、どんな一杯を作っていこうかと、ずっと悩んでいました。

沖縄の源である、琉球石灰岩
そこに、身体の一部を彫っていく事で表現される
沖縄の時の流れ

泡盛倉庫の比嘉さんから取り扱っている豆腐餻についてお話を聞くと、より相性が合うことがわかりました。

この豆腐餻は、鍾乳洞で熟成されていたのです。

琉球石灰岩の中で眠っていたものを、別の形で琉球石灰岩に目を覚ます。

そんなストーリーが出来上がるとは、思ってもいませんでした。

なんとなく
「琉球時代のお菓子とかをコーヒーで組み合わせてみたいなー」
とは思っていましたが、ここまで話が繋がっていった事に驚きです。

そして、ウガンダ産ロブスタ種との相性も良く、

発酵期間が短いのが良いのか、長いのが良いのか、調整して、レシピを作り

試作したものを、コーヒーをあまり気にしてない親に飲んでもらいました。
その方が、ちゃんとした意見をもらえるなと思ったからです。

中身について、何も言わずに飲んでもらったところ、美味しい!、という反応

それに、「中身は想像つかない」、と言っていて、それが良かったです。

「豆腐餻が入ってるよ」、と言うと驚いていました。

ここから、「イケる!」、と思い、早速提供開始です。
12/14のやんばるアートフェスティバル初日、彫刻家 永澤嘉務さんとのコラボレーション。

まだ生まれて間もない一杯だったので、どういう反応があるのか、緊張しつつの準備でした。

そして、今回提供する場が
飲食のイベントでの「コーヒー」
ではなく
芸術のイベントでの「コーヒー」
ということ。

これは僕にとって初めての体験です。

そして、挑戦、でもあります。

僕の抽出スタイルは
美味しい「数」を売る事が出来ないので
美味しい「価値」をきちんと渡す
ということをしなければいけないなと思っていました。

今回の会場は、その意味でも
まずは参加していこうと思いました。

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