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#008. ウォーミングアップについて

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1. 準備運動にテンプレートはない

方法に関しては数百万以上、存在するが原則はわずかである。
原則を把握している者は、自分に適した方法をうまく選択できる。
原則を無視して方法を試す者は必ず問題を抱えることになる。

-Ralph W. Emerson-

私はいつも指導者向けの「やり方ではなくて、根本原理(なぜか)を学ぶこと」を口酸っぱく言っています。セミナーに参加してどこかの講師の話を聞いて学んだ内容ばかり実践したとて、その根本をしっかり理解して原理原則に従って忠実にやっていくそれ以上に勝るものはありません。


私のなかでの『準備』という言葉の定義はこれです。

準備とは、一切の言い訳を排除すること。

これは元メジャーリーガーのイチロー選手の言葉を少し削って書いています。一切の言い訳を排除することなので、準備完了!ということは結果に対して言い訳できない状態にあることです。

適切な準備ができたら理想的なパフォーマンスが発揮されるはずですが、その理想的なパフォーマンス・ハイパフォーマンスを発揮する状態ってどんな状態なのでしょうか?
NSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)が考える理想的なパフォーマンス状態とは、これらのように書かれています。

・失敗への恐れがなく、何も怖くない。
・パフォーマンスについて考えたり、分析したりしない。
・活動自体に集中し、注意集中の範囲が狭い。
・努力をしているという感覚がない。
・個人的なコントロールができている感覚
・時間が流れるのを遅く感じるといった、時間と空間についての普段と異なる感覚。

1. Haff G.G., et al.(2018)『NSCA決定版 ストレングストレーニング&コンディショニング

書いてあることを見れば理解はできますが、これらを実施できているかといえばおそらく『YES』と即答できる方は非常に少ないのではないかと思います。ざっくりと簡単な言葉で言うと『ゾーン状態』『フロー状態』なんでしょうか。

競技成績がいい選手は自分自身のスキルレベルやコンディショニングレベルを信じて「起こるがまま」にしていることが多い印象があります。
個人競技の場合、記録・結果は自然と『出るもの』で、『出しにいくもの』ではないのです。準備した結果、自然と出るのです。これはチーム競技に関しても同様で、チームの結果とは少し異なるにしても自分自身のパフォーマンスは個人競技の場合と同じでしょう。ポイントは『起こるがまま』です。結果を自分で操作することは恐らく不可能ですからね。
NBAプレイヤーのレジェンドの1人であるコービ・ブライアント選手の言葉があります。

そのゾーンに入ると、いま起きつつあることを知っているという究極の自信がある。そうなるかどうかは問題ではない。いま、まさにそれが起きつつある。物事はただゆっくりになる。すべてがゆっくりと、そして究極の自信がある。そうなったときには、何が起きているかに集中しようとしてはならない。なぜなら、あっという間になくなってしまうからだ。
すべてがノイズの中に一緒になってしまい、それがどれか聞き取ることはできなず、すべてが1つのノイズになり、それが1つなのか、そうでないのか、注意を払うことはない。本気で現在に留まろうとし、何もそのリズムを崩すことはできない。繰り返すが、そこにいる限り、そこで起きていることが明らかになっている。周囲のことや、人混みやチームに何が起きているか、考えることはない。
ある種の閉じ込められたような…本気で現在に留まらなくてはならず、そのリズムを崩すことはできない。

2. https://youtu.be/wl49zc8g3DY, Haff G.G.(2018)の和訳より
画像は筆者作成

もちろんハイパフォーマンスは「自信のコンディショニング(またはここに環境的なコンディションも入るかも?)+スキル+運」です。やっぱり競技を上手くなりたいならその競技スキルは必須です。さらにそこには運も必ず関わってきます。


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