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【双極性障害】病的な不安やイライラに対処する

これといった理由がないのに落ち着かない、不安で仕方がない、心細いといった感情がわいてくるのはうつ症状のひとつです。

これは一般的な不安感とは違い、「病的な不安」と言われます。

「病的な不安」は一般的な不安と違って、特に理由がないものですが、仮に理由があったとしても、とても現実に起こりえない理由であったり、ささいな理由に対して不安のほうがとてつもなく大きいといった特徴があります。

例えば、今どこも体に悪いところはないのに「大きな病気になってしまうのではないか」と考え、怖くて眠れなくなるといったものです。ひどいケースになると、不安すぎて救急車を呼んでしまうこともあります。

こういった「病的な不安」は、うつ期の多くの人が抱えていると思います。

私も長くこの症状に苦しんできました。特に夜になると、「今この瞬間に地震が起きて家がつぶれて死んでしまうのではないか」「悲惨な事故や出来事が起こるのではないか、今どこかで起こっているのではないか」「大きな病気になって怖い手術を受けなくてはならなくなったらどうしよう」といったことを考えては怖くて眠れなくなっていましたが、これらは冷静に考えればあるはずがないものであったり、今の状況からは起こりえる可能性がとても低いものだったりします。

このような怖い連想に憑りつかれてしまって不安が最高潮になると、交感神経の働きにより、ドキドキが止まらなくなったり、胸が締め付けられる、息苦しい、体が震えてくるなどの体の症状も現れます。

無性に怖くて怖くて、居ても立っても居られなくなってしまったとき、どう対処すればよいのでしょうか?

「正しく悩む技術(杉田隆史 著)」に出会うまでは、私はこのような感情を必死で否定し、抑え込もうと努力していました。いったん起き上がって深呼吸し、「こんなことは起こらない」「こんなことを考えてはいけない、もっといいことを考えなくては」と自分に言い聞かせる日々でした。それでも不安は一向に治まりませんでした。

「正しく悩む技術」にはこのようなことが書かれています。

”「心の悩み」も、自分の中にある「好ましくない気持ち」を無視することから始まります。無視され、排除されそうになった気持ちは、あなたにその存在に気付いて欲しくて、余計に強く暴れて存在をアピールしてくるわけです。″

「怖いことを考えてはいけない、違うことを考えなければ」と、怖い連想を抑え込もうとすればするほど、怖い連想は暴走してしまうだそうです。

そこで著者の杉田さんは「今はAだけど、Bになりたい自分もいる」と考えることを提案されています。好ましくない気持ちの存在を認めてあげることによって、気持ちが前向きに切り替わるのです。例えば…

『地震が起きて家がつぶれたらどうしよう、と思っている自分がいる。だけど、そんなことは起こらないし大丈夫、と思いたい自分もいるよ。』

本当に不思議なことですが、そう考えて何度でも口に出して唱えることで、だんだんと心が落ち着いてきます。

今でも時々、車に乗っていて事故に遭いそうになった時のことがフラッシュバックして眠れなくなったりしますが、「あの時は怖かったよね。でも事故がなくて本当に良かったと思っている自分がいるよ。」などと自分に声をかけることで、それ以上怖い気持ちに飲み込まれることなく、気持ちを落ち着かせることができるようになりました。

また、この方法はイライラにもある程度効きます。「もうムカつく!(怒)」と考えてイライラが止まらない時でも、「自分はすごく○○に腹を立てているんだね。でも、もう考えないでおこうと思っている自分もいるよ。」と自分に言えるようになると、不思議とスッとします。

ありもしない怖い考えに憑りつかれて不安に押しつぶされそうになったり、無性にイライラする経験は本当につらいものです。この考え方は、私にはとても効果がありました。怖いことを考えて眠れなかったり、イライラに囚われて何も手につかない時には、試す価値ありかもしれません。

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