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きょうの聡太くん 2023/7/31

 聡太くんが金曜の夜に暴走してから、なんだか様子がおかしいのが続いていた。息が早いし落ち着きがない。しかしご飯もモリモリ食べるしトイレもちゃんとしているし、具合が悪いわけではないように見えた。
 しかし心配した母氏がググってみたところ、呼吸が早いときは悪いと肺に水が溜まっているという情報が出てきた。それはまずい。というわけでいつもの獣医さんに連れていこうと思ったが、きょうは人間トイレの修理の下見が来る予定だったのである!
 母氏が車を出すことはできない。しかし午前中に来る予定だ。ええいもう我慢できんわたしが徒歩で行く! と思ってマスクを取り出した瞬間、玄関チャイムが鳴って大工さんがやってきた。しかも、なんと祖母が存命のころ親しくしていた社長とその奥さん(祖母より10歳くらい若い80歳代)がやってきたのである!
 てっきり若い職人さんが来るとばかり思っていたので地味に驚いたのであった。そして社長とその奥さんは仏壇(聡太くんが登るので閉めてあるし線香立ては撤去してある)を拝み、まんじゅう(おいしいやつ)を供え、長々としたおしゃべりを始めてしまった。
 それでも11時くらいに、社長さんはちゃんと人間トイレを確認して帰っていった。そこから超速で準備して聡太くんを獣医さんに連行した。

半目。


 獣医さんは聡太くんに聴診器を当て、注射をブスリとし、お尻を絞り、「ちょっと肺の音が変だから(意訳)明日も来てください」と、薬を出してくれた。
 金曜日の夜大暴れしたことを言うと、「虫に刺されてびっくりしたんじゃない?」と言われ、ああやはりか……と思った。エアコンはどれくらいか、と言われて、寒くない程度です、と答えた。
 毛繕いがぞんざいになったのは、ずっとなめていると息苦しいからではないか、と言われた。なるほど確かにそうかもしれない。ちゃんと獣医さんに行ってよかった。
 それに息苦しいならボールを投げても無視するのも納得である。遊ぶどころでなく苦しいのだ。可哀想なことをしてしまった。
 もちろん明日も来てくださいと言われたので明日の進捗は消滅した。しかし聡太くんの健康のほうがずっと大事だ。
 わたしは聡太くんを養いたくて文章を書いているのだ、養う対象もいないのに文章を生産するのはむなしい。

 しかしいつもの獣医さんだったから注射一発錠剤一錠2080円で済んだが、もしよその、チョッキンしたところとかもっと設備の充実したところに連れていったらもろもろの検査費がかさんだに違いない。
 もちろん検査してくれる獣医さんが悪いわけではない。検査してしっかり原因や病気を見極めるのも大事なことだと思う。
 でもいつもの獣医さんはとても信頼できる獣医さんだ。なにしろ父氏とタメの経験値たっぷりの獣医さんである(そして受付の奥に父氏や獣医さんの母校が、むかしセンバツに21世紀枠で出場したときの応援ポスターをいまだに貼っている)。

「ゆかは……すずしい……」


 いま、人間もどうにか昼ごはんを食べて、聡太くんも昼ごはんのあとのんびりしているところなのだが、聡太くんは少し楽になったようで丁寧に毛繕いをしている。
 土曜日には叔父上会をやったしきょうは大工さんの社長さんとその奥さんが来たし、それに伴って掃除機で家じゅう掃除した。聡太くんもビックリしたのであろう。初めて見る社長さんとその奥さんにシャー! して、それから匂いを嗅いだりしていた。基本的に人間大好きくんなのである。
 獣医さんに連れていっても「このひとにはかてない」と思うのかとてもお利口にしていた。帰るときは、さすがに自分からキャリーに入るほどではないが、ほらとキャリーに入れてやると素直に入るのであった。
 聡太くんよ健やかであれ。元気であれ。

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