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きょうの聡太くん 2024/7/3

 きのう聡太くんは人間の食べているハムステーキをたいそう食べたがり、人間がハムステーキをくれないとわかると台所にいって流しにひっくり返して置いてあるフライパンにチョッカイを出そうとして、フライパンの柄にある小さな穴に爪が引っかかって身動きとれなくなっていた。
 とりあえずフライパンもろとも抱き上げたものの、抱えているわたし1人では外せないので、母氏に応援を頼んだ。母氏が外してくれて、聡太くんは「あーびっくりした!」という顔で逃げていった。
 そもそも聡太くんはハムステーキなど食べたことなどないはずなのに、なんでおいしそうだと思ったのだろう。匂いがいいのだろうか。そりゃそうだ人間だってハムステーキはいい匂いがする。
 だからといって欲しがって与えられるものとそうでないものがある。脂ぎっちょりのハムステーキは猫には与えられない。聡太くんが食べたらお腹を壊すと思われる。
 そういうものを食べたがって身動き取れなくなるというのはちょっとコントみたいで面白い。でも気づかなかったら大変なことになっていたので、もうフライパンにチョッカイを出すのはよしてほしい。たぶんこれからもずっとチョッカイするのだが。

 そういえばきのう、聡太くんは今年初のジタバタをした。おそらく蚊に刺されたのだろう、なにやらジタバタと猛烈に暴れた。
「なんだ!? なんだなんだ!? なにごとだ!?」とジタバタしていたが、去年初めて蚊に刺されたときと違ってすぐおさまったし、走り回ったりはしなかった。
 やはりちゃんとフィラリア予防をやっておいてよかった、と思った。これで予防していなかったらいらない心配が一つ増えるのだ。
 絵の先生が「フィラリア予防の薬、家の中で飼うなら3ヶ月にいっぺんくらいでいいんじゃないの?」と言っていたが、絵の先生は「猫好きの絵の先生」でしかなく、獣医師に言われたとおりにやるのがやはり正しいのだと思われる。
 動物がどんな病気にいつかかるかは分からない。だからなるべくリスクがないようにするのが動物と同居する人間の勤めである。だから聡太くんは外には断固、断々固出さないし、散歩もしないし、薬は指定されたタイミングでつけるし、ワクチンだって打つんである。

「たそがれ……」


 インスタを見ていたら「猫が顔をなめるのは信頼の証」という猫豆知識が出てきた。
 ということは父氏や母氏はものすごく信頼されているということだ。父氏の顔をなめにいく話は毎日のように聞くし、母氏も顔をなめられて「口の周りはよして」となったりするらしい。
 わたし1人だけ顔をなめられないのは部屋が多肉植物に乗っ取られており、聡太くんを入れるといろいろ危険なため、寝ているところに入れないからだと思うのだが、しかし信頼の証と聞くと顔をなめてほしい気持ちががぜんムクムクしてくるではないか。
 たぶん聡太くんになめられると痛いのだと思われる。舌がとんでもなくザラッザラだからだ。それとも舌の先でぺちょぺちょなめるのだろうか。
 まあ膝に乗っかってくるのも信頼の証だそうなので、それで許すか……という気持ちである。聡太くんは信頼とかそういう難しいことは考えないタイプだろうし、ただ猫的に楽しいことをしているだけなのだ。いいなあとは思いつつも別にすごく楽しいことではなさそうだし。
 聡太くんは家族全員を愛しているということでいいのだと思う。

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