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きょうの聡太くん 2024/2/20

 結局、あまりにも聡太くんがエリカラを嫌がるのと、エリカラをつけているとうまくトイレに入れないようだったのとで、エリカラは「かかとに薬を塗ってしばらくのあいだ」つけておくことにした。
 たとえば晩ご飯を食べさせて、食べている隙に薬を塗って、食べ終わったらエリカラを装着し、夜のおやつの時間までつけておく感じである。
 そりゃもう嫌がる、断固拒否だがこちらもかかとのハゲを治すべく必死なのでふん捕まえてエリカラをつける。わたし1人でもとりあえずできないことはないが、母氏が手伝ってくれるともうちょっとなんとかなる。しかし父氏は手伝おうとすらしない。昭和の男なので仕方がない。
 きょう聡太くんは朝薬を塗られてエリカラをつけられた状態でカーテンをよじ登り、エアコン前のスペースで人間不信の顔をしていた。エリカラを外して猫用のかつおぶしを用意して買い物に出かけたが、かつおぶしには手をつけず、不満そうな顔で父氏の椅子におさまっていたのだった。

「げせぬ……」


 猫もくたびれる。きのう聡太くんは驚くほどぐっすり寝ていて、ナイトルーティーンのボール遊びを要求してこなかった。
 そりゃ人間がくたびれるのだもの、猫だってくたびれているに決まっている。長いことキャリーの中ではヘットヘトになってしまうのだろう。絶望の叫びはあまり上げていなかったようだが、聡太くんのような活発な猫を狭いところに入れておくというのがまずは可哀想なのだ。
 そのストレスのせいか聡太くんはおもいっきりおやつのササミを吐いたと母氏が言っていた。母氏が一緒に寝ている聡太くんに起こされて、茶の間に入ったら盛大にササミを吐いた痕跡があったのだという。
 ストレスで吐くのは可哀想だ。お腹を下さないか心配している。たかだかハゲに大袈裟な気もするのだが、そこからハゲが広がったら可哀想なのでちゃんと治していただかねばならない。
 健康第一である。聡太くんが健康ならわたしも心おだやかでいられる。だからきょう買い物を出迎えてくれなくてちょっと心配した。というか買い物のあいだもずっと心配していた。なんとなく今朝の朝ドラヒロインの気持ちがわかる。

これ見よがしに甘やかしてくれるひとの膝に乗る。


 聡太くんがあまりにも不機嫌な顔をしていらっしゃるので、機嫌をとるべくちゅーるを買ってきた。
 動物はたいがい、食べていればご機嫌さんである。逆に言えばきょう買い物から帰ってきても機嫌とりのおやつに用意した猫用かつおぶしを食べていないところを見ると、やっぱり機嫌が悪いと食べたいとは思わないようだ。
 いまはたいへん大人しくスヤリンコフと寝ている。起きたら少しは機嫌がよくなっているだろうか。それともふて寝というやつなのだろうか。
 猫の記憶力というのがどれくらいかはよくわからないが、おやつやおもちゃの入っている棚の場所を理解し、聡太くんの食器を洗うと間もなくご飯であることがわかるところを見ると、猫なりに知恵というものはあるらしい。
 そして聡太くんは大雑把な性格に見えるのだが、意外と繊細な子だというのも事実である。人間が神経質に心配するからそうなるのかもしれない。おおらかにやっていかねばならない。

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