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きょうの聡太くん 2024/3/23

 最近聡太くんは元気がない。いや不健康とかそういうことでなく、エリカラ装着を嫌がらなくなったのだ。
 つけ始めたころは「やめろ〜!!!!」と暴れて断固拒否だったのに、今では捕まえてしまえば片手で押さえてもう片方の手でひょいっとつけることができる。なぜだ。お利口になって聞き分けたのだろうか。あんなに嫌がっていたのに……。
 いやエリカラ自体は嫌なのだ、外すと喜ぶしつけていると動きがすごく鈍くなる。デバフがかかった状態、とでも言えばいいのか。
 エリカラより薬をつけられるほうが嫌なのだと思う。今朝も薬を塗ろうとしたらジタバタともがいた。しみたりするのだろうか。
 エリカラをつけられて「ショボン」と古のアスキーアートみたいな顔をしているのは可哀想だ。早くハゲを治してほしい。健康体であるというのは大事なことだ。エリカラはあきらかに健康体のヒトがつけるものではないのである。

 きょうは高校野球をやっていない。なんでかはちょっとわからないが、テレビをつけてみても高校野球をやっている気配はない。雨なのか、それとも休養日なのか知らないのだが、テレビ番組を作る人も大変だなあと思う。
 聡太くんは父氏が好きなので、父氏がテレビを観ていればその膝に乗りに行く。思えば聡太くんは我が家にやってきて一発目に父氏の膝に乗っていた。なにか香ばしい匂いでもするのだろうか。
 どうやら父氏としてはそれがけっこう迷惑であるらしく、きのうわたしが茶の間のソファで寝ていると、突然父氏が聡太くんをふん捕まえてわたしの腹のあたりに置いて「おねーさんとねんねしな」と言っていた。いやわたしは起きるんですが、と思った。
 聡太くんはそのまま昼寝してしまうつもりでいたらしく、どかされて大変迷惑そうな顔をしていた。
 聡太くんは夜によく父氏の顔をなめているらしい。なにがいいのだろう。加齢臭が香ばしかったりするのだろうか。
 まあなんにせよ「仲良きことは美しきかな」というやつなので放っておくことにしたいと思う。どうやら父氏は膝に乗られたときこそ迷惑そうだが、聡太くんをかわいいと思っているのは間違いなさそうだ。

「ほとばしる……せいかつかん……」


 なぜ猫はここまでちゅーるが好きなのか。その謎を解き明かすため探検隊はジャングルの奥地に向かった……というほどの謎ではないのだが、どうして猫は「ちゅーる」という言葉に過剰に反応するのだろうか。
 単純においしいからなのだろうが、それにしたって異様な食いつきである。中毒性でもあるのだろうかと疑いたくなるほどだ。
 エリカラを装着してからあんまり元気がないので、何か楽しいことを用意してあげたいなあと毎晩食べさせているのだが、とにかく「ちゅーる」と聞いた瞬間色めき立つ。ダッシュでちゅーるをしまっている棚に向かい、「はやく! はやく! ちゅーる! ちゅーる!」と大騒ぎするのだ。
 最近聡太くんはちゅーるを食べるのがうまくなった。人間も食べさせ方に慣れてきたのだと思うが、コマーシャルのようにちゅーるを持っていない手でスマホを持って写真を撮るのはちょっと無理だ。熟練の技術がいるのだろう。
 そういえばちゅーるを作っているのは缶詰タイカレーでお馴染みの「いなば」という会社なのだが、わたしはタイカレーイエローが大好物である。人間にとっておいしいものを作れるのだから猫がおいしいものだって作れるのだろう。
 とにかく早くエリカラを取ってやりたい。そうすればお皿にちゅーるを盛ってやることもできるからだ。早くハゲよ治れ。

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