きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん　2022/11/28

　きのうの夜はサッカー日本代表の試合があったので、大河を２階のちっさいテレビで観た。見逃したときのために茶の間のテレビで録画してはいるのだが、やはりリアルタイムで観られるに越したことはない。
　大河を観ながら、（父氏が聡太くんを踏んだりしないだろうか……）と心配していたのだが、完全に杞憂だった。父氏だって１７年半たまちゃんと暮らした人間である。猫が父氏の椅子に座りたがることは承知だったのだ。
　どうも父氏は聡太くんに悪いことを教えがちである。父氏がウイスキーや焼酎に入れる氷を、流しに放置して聡太くんに遊ばせたり、聡太くんの前で堂々とタバコを喫ったりする。
　聡太くんは氷が冷たくて溶けていくのが面白くて舐めたり噛んだりするし、父氏のタバコの煙を浴びて見事にタバコ臭くなったりしている。
　きのう、昼間に聡太くんの姿が見えなくなって、どこだろうと探したら２階で父氏のベッドを占領し、父氏は座椅子に追いやられていた。どうやら聡太くんは父氏が好きらしい。
　聡太くんは我が家にやってきた当日に父氏の膝で寝るという堂々たる態度だったし、やはり男の友情というのがあるのかもしれない。
　父氏は毎晩聡太くんに顔をなめられるらしい。よくポテチの争奪戦もしている。なんだかんだ仲良しだ。ちょっとうらやましい。

「すとーぶ、すき〜」

　聡太くんはおそらくもう、短時間なら一人にされても平気なのだろうと思う。もう目を離すと危ない赤ちゃん猫ではない。
　しかしわたしが勝手に心配してずっと目の届くところにいてほしいと思ってしまう。だから裁縫道具を広げられず、和裁の宿題のくけ縫いができない。
　家族がだれか聡太くんを見ていてくれるなら安心できるのだが、いつもできるわけではない。
　きょうはいっぱい観るものがある。仮面ライダーとかガンダムとか先週金曜のあさイチとか。これじゃ裁縫箱開ける余裕ないじゃん！！！！
　犬猫がいるお家で手芸をする人はすごい。このあいだメルカリでドールさんを見ていたら猫に狙われて仕方なく出品されたドールさんがいた。幸い我が家は無駄に部屋があるので自分の部屋にドールさんを隔離できるが、ワンルームのマンションとかだとそうもいかないのだろう。
　できることなら聡太くんと一緒に寝たいのだが、部屋には聡太くんに壊されたら困るものや、たぶん聡太くんなら確実にひっくり返して遊ぶだろう植木鉢がある。たまに一瞬の隙を突かれて突破されるが、すっと捕まえて廊下に出している。

「はやくおかーさんかえってこないかなー」

　どうぶつの森でついに雪が降り始めた。現実世界も今週後半から雪だという。
　今年もたくさん積もるのだろうか。去年は雪がたくさん積もった上に父氏がドブに落ちて膝のお皿にヒビが入って働けないという状態になってしまったので、家のまえの小路で父氏の仕事の車が埋まってしまった。そして業者さんに来てもらって雪をどかしてもらうことになったくらいである。
　父氏はあかぼうで働いているのだが、あれは個人事業なので自分で会社の名前をつけねばならず、名前はどうする、となったとき「黒猫たまちゃん急便は？」とふざけて提案したのを思い出す。流石に却下された。
　父氏があかぼうで働く前、いまはもうない印刷会社の営業マンをしていたころ、たまちゃんは父氏の背広を見てビックリする子だった。毎朝毎朝、父氏が背広を着て現れるといちいちビックリするのである。
　聡太くんは背広を着た父氏をほぼ見たことがない。あかぼうの紺色の作業着を着た父氏しか知らないのである。
　聡太くんも父氏が背広を着たらビックリするんだろうか。男の友情は背広ごときに邪魔されるものなのだろうか。
　分からないが男の友情というのはいいものだよなあと思う。錆喰いビスコの続きはまだですか。きょうはこのラノを買いに行きます。