きょうの聡太くん　2023/7/23

　どうも聡太くんはきょうもいささかお腹がゆるかったらしい。
　獣医さんに「ちょっとフードを減らしてみて」と言われて、盛り付けているこっちが悲しくなるような、あるいは子供のころ戦中派のひとが書いた本で読んだ学童疎開の味噌汁みたいな盛りのキャットフードを食べさせているというのにだ。
　本人だってお腹ぺこぺこで仕方ないだろう。とりあえず明日の朝健康なものが出たらワクチンの接種をお願いして、ダメなら薬を出してもらって……という感じだろうか。とにかくかわいそうだ。早く腹一杯食べさせてあげたい。

「たたき、ひんやりしてきもちいいんですよ〜」

　クソあっつい。
　梅雨明けしたと聞いてようやく雨から解放されたぞ！　と思ったらむやみやたらと暑い。
　ので聡太くんはよく廊下にどてっと落ちている。猫らしくていいと思う。
　きのうの夜、母氏が同窓会に出かけてしまったので、茶の間のソファに寝っ転がって読書をしていたのだが、さすがにもう寒いな……と思って窓を閉めた。それから少しして扇風機も止めたのだが、扇風機を止めた瞬間暑くて死ぬかと思った。
　しかも朝になるとめちゃくちゃ寒いのだから始末におえない。今朝も寒くてなかなか起きられなかった。
　起きてきたら聡太くんは元気いっぱい暴れていた。きのう取り込んだ洗濯物から着るものを取りに行こうと奥に向かおうとしたらついてきて、なぜかキャリーバッグに「よっこいしょ」と入っていた。
　いまは寝ている。穏やかでいいなと思う。でもそろそろ暑くなってきた。

噛み噛み……。

　きのうも聡太くんはずっと虫と戦っていた。網戸にカナブンみたいなのが飛んできて、網戸にブブブ……ブブブ……とぶつかっていて、「なんだこれ？！」と聡太くんは楽しそうに見ていたのだが、蚊が入ってきたら困るので閉めた。恨めしげな顔をされた。
　茶の間ではアースノーマットがフル稼働である。しかし人間はその外にいくので蚊に刺されたり蚊を家に入れてしまったりもする。
　家を空けるときは窓を閉めている。なぜかというと聡太くんがよじ登って倒す懸念があるからだ。
　暑いのにかわいそうだ。そろそろエアコンをつけたいのだが、父氏は「まだいらないよー」と言う。歳をとると暑さを感じにくくなるのだろうか。
　しかしかわいそうとは思うが猫は冷房の効いた部屋が嫌いだ。冷房をつけると「さむーい！」とわざわざクソあっつい廊下に出ていってしまう。
　これを書いているいま、えねっちけーのニュースアプリが熱中症厳重警戒の通知をしてきた。さすがにこのクソ暑さで好きこのんでスポーツをするやつはいるまい。
　そう思うとまさにスポーツをしている高校の野球部とか応援団とかブラバンはしんどいだろうなあと想像してしまう。
　ちょっと脱線したが、猫だってあっついのはいやだと思う。最近猫の布団からはみ出しキャット熱血系になっているのは暑いからなのかサイズアウトしてしまったからなのかちょっとわからないが、よく廊下に落ちているのをみるとやはり暑いのだ。
　あと１週間くらいで７月が終わってしまう。きのうは今年初めてセミが鳴くのを聞いた。
　暑くて頭がぼーっとする。この原稿も、何度も脱線して書き直している。
　夏休みというものはわたしにはない。なぜなら病人で無職だからだ。なんとか頑張っていこうと思う。