きょうの聡太くん　2024/4/12

　きのう、わたしは珍しく夜に風呂に入ることにした。夜に風呂に入ると具合を悪くすることがあるので、ふだんは昼間のうちに入るのだが、どうしても時間の都合がつかなかったし、もうそう簡単に具合を悪くすることもなかろうと思ったのである。
　風呂を上がって服を着て、髪をバスタオルで拭きつつボイラーの温度を下げようと脱衣所のドアを開けると、聡太くんは真面目な顔で廊下に座り込んでいた。どうやら人間がいつもと違う時間に風呂に入っているので気になったらしい。
　なにやらかちゃかちゃやっていたので見てみるとなにやら金属片のようなものをチョシマシしていた。チョシマシとは地元の言葉で「いじくりまわす」という意味である。危ないので没収したが、結局ずっと廊下にいたようだ。
　聡太くんが風呂上がりの人間を観察しているとついドライヤーのことを「頭に掃除機かけるよ？」と言ってしまう。似たような音がするし聡太くんがこれらを同じだと思っていてもおかしいことはない。
　そして風呂から上がったら勉強しよう、と思っていたらずいぶんと面白そうなテレビをやっていて、ついうっかり９時まで眺めてしまったのであった。

庭の梅とお隣さんの花桃。

　大好きな番組「０６５５」で、今週はずっとネコデミー賞イヌデミー賞をやっていた。毎日かわいい犬猫を摂取できてとても楽しかった。
　詳しく説明すると、えねっちけーＥテレで平日朝６時５５分にやっているこの番組では、「ねこのうた」「いぬのうた」というコーナーがあり、音楽に合わせて視聴者から募集した犬猫の画像のスライドショーが流れるのだ。
　そのコーナーが好きで毎日観ているのだが、「おはようソング」「たなくじ」「仮説小学生」などのコーナーに時間を取られてやらないことも少なくない。
　よそさまの犬猫の生活を見られるのはとても楽しい。応募してみようかなとも思うのだが、かならず人間の家族と一緒に映った写真が入るので、自分の顔を全国のお茶の間に晒す勇気もないし家族も晒されたら迷惑だろうし、というので応募したことはない。
　きょうはネコデミー賞のグランプリでおばあさんと暮らしている猫ちゃんが流れた。自由にお外に行く子らしく、軽トラによじ登ったり畑を散歩したりしていた。
　楽しそうだなあと思うものの外にはどんな危険があるかわからないので、聡太くんは断断固外に出さないという強い気持ちを持っているのであった。

「よくねたー！！」

　きのうの夜、聡太くんはピアノの部屋に遊びにいって、戻る気がなさそうだったのでなにかオモチャでおびき寄せようということになった。
　ボールを探したがぜんぶどっかしらに散らかしてしまったらしく見つからない。苦肉の策として投げたのは父氏の軍手を丸めたやつであった。それは犬のオモチャなのではないだろうかと思う。
　最初はあまり反応しなかったが、しばし母氏と丸めた軍手でキャッチボールをしてわざとらしく「たのしいなー」と言ってから投げてやると、どうやら「にんげんがたのしいならぼくもたのしいにちがいない」と思ったようで、投げたら茶の間まで追いかけていった。単純だ。
　こういうシンプルなところが聡太くんの魅力だし、猫という生き物が空気を読むのも興味深い。猫も猫なりに、人間とよい関係を築きたいと思うのだなあ、と思った。