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きょうの聡太くんとヘドロ飼い主 2023/3/19

 きのう、思い切り父氏の機嫌を損ねてしまった。父氏はあまりネガティブな感情を表に出さないひとなのだが、きのうの父氏は明らかに怒っている顔をしていた。
 というのも、夕飯を食べていたとき、父氏はふだんからとにかく食べるのが遅いのだが、「そうちゃんケージの中で可哀想だから早く食べてよ」みたいなことを言ったところ、「じゃあもういいよ」と、メインディッシュのチキンとサラダを置いて茶の間を出て行ってしまったのである。
 せっかく高校野球が面白いところだったのに、父氏は台所で不機嫌顔をしてスマホを見る人をやっていた。謝ったり話しかけたりしても無反応である。
 いままでも何回か、「早く食べて」と言ったりした。それで仏の顔カウントが溜まっていたのだと思われる。父氏が機嫌を損ねた顔をするところはめったにないのだが、そんなレアイベント発生しても悲しいだけだ。
 これでは聡太くんの誕生日を盛大に祝うどころではない。そしてもう時間に解決してもらう以外の方法がない。
 おのれの浅はかさがひたすら悔しいし、人の気持ちひとつ想像できなくてなにが文章職人だよ、という気持ちである。

「にんげん、なにやってんのかなあ」


 きのうの夜激しい不安に駆られた。聡太くんを巻き添えにしてしまったからだ。さすがに父氏はちゃんとした大人だからそういうことはしないだろうと分かっていたが、「大奥」の玉栄が猫の若紫にしたようなことをするのでは、と不安になってしまったのだ。
 父氏はそういうことは絶対にしないというのは分かっている。それでも聡太くんを人間どうしのいざこざに巻き込んでしまった後悔は大きかった。
 そういうわけでやたら早く目が覚めた。起きていくと聡太くんは元気よく遊んでいた。そうなのだ、父氏は文明的な人間であるから、戦国時代が終わったころの人間である玉栄みたいなことはしないに決まっている。
 もっと父氏を信頼しなくてはならない。

温風直撃!!


 朝早くに起きてきてしまったのでえねっちけーの大富豪同心を見つつ聡太くんにボールを投げて遊んだ。高く投げてやるとひゅんっとジャンプする。元気いっぱいだ。
 元気いっぱい遊んでいたかと思ったら母氏の肘にアゴをかけて全力で脱力して寝ていた。そのあとは2階の窓から外を見ていた。自由である。2階の窓辺にいられると父氏が出入りするとき不便だろうから抱っこして1階に連れてきたが、階段を降りる時は危ないと分かっているのか抱き上げても暴れないのであった。
 番組改編の季節なので、4月から趣味の園芸も登場するタレントがいろいろと変わるらしいし、将棋フォーカスも新しい講座が始まる。新しい講座は級位者向けらしいのでちゃんと観てみようと思っている。しかし最近、Eテレの番組は再放送がやたら多い気がする。気のせいだろうか。
 えねっちけー杯も面白かった。藤井聡太先生が見事に初優勝したわけだが、我が家の聡太くんは画面に映り込む藤井聡太先生の前髪や扇子に興味を示したり、気まぐれに廊下に出てきたり入ったり、わたしの手を激しく噛んだりとせわしなく動いていた。じっとするということがない。困ったやつだ。
 テレビが面白いのが救いだ。

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