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きょうの聡太くん 2024/1/28

 きのう聡太くんは新聞の集金のおばさんに激怒していた。新聞の集金のおばさんは毎月月末付近にやってきて新聞代を預かっていくのだが、聡太くんはどうもこの人を敵だと思っているらしく、玄関チャイムが鳴って元気いっぱい玄関にすっ飛んでいったと思いきや、しっぽをブワァと膨らませて「フーッ!」とやった。
 新聞の集金のおばさんからしたら集金先のペットの猫がちょっと荒ぶっている程度にしか思わないだろうし、「どうしたの? お外行きたいの?」と聡太くんに話しかけていた。わたしが財布をとりに茶の間に引き返して、戻ってきたら聡太くんは完全に激怒しており、お金を渡した帰り際、聡太くんはドアのガラスに突進して攻撃しようとした。
 なにがそんなに気に食わなかったのだろう。こんなにお客さんに激怒するのはいつぞやの宗教のおばさん2人組以来だ。
 しかし以前、この新聞の集金のおばさんは某カルト団体が主催した音楽イベントのチケットを売ろうとしてきたことがあったので、もしかしたら聡太くんにはカルト宗教センサーが搭載されているのかもしれない。

でっかいあくび。


 きのう夕飯に、スーパーのお惣菜の焼き魚をレンチンして温めていたら、聡太くんははやばやと自分の食事をやっつけてドドドドと台所にやってきた。危なそうなので捕まえてケージに入れた。
 聡太くんはいい匂いのするお魚が大好きだ。魚の匂いが強烈であればあるほど反応が激しくなる。
 ちなみにきのうはサバであった。聡太くんはサバとかホッケの焼き魚が好きだ。お刺身はそんなに匂わないので興味がない。
 魚と同じくらい卵が好きなのだが、こっちはときどきもらえるので味を占めただけかもしれない。今朝も卵焼きを食べようと大暴れしていた。
 子猫のころほど荒ぶらなくなったが、それでもたぶんいまも人間の食べ物は自分も食べられると思っているのではなかろうか。「それはぼくのたべられるやつですか」という顔をして人間の食べ物を強奪しようとする。なんてやつだ。

 聡太くんが目をぱちぱちする猫流の親愛の情を示してくれるようになった。いやたまたまかもしれないが、きのうはやってくれたのだ。きょうはどうか分からないがやってくれるような気もする。
 今朝、聡太くんは完全なるピラニアになってわたしの手を噛んでいた。ガリガリ……と音の出そうな噛み方だった。すごく痛い。
 しばらく噛んだあとは穏やかに休んでいた。起伏が激しい。猫というのは面白い生き物だなあと思う。
 犬のようにトレーナーさんにしつけてもらえる生き物でないので、噛み癖はもう諦めるしかないのだが、聡太くんはそれ以外のところが徹底的に飼い猫でかわいいので許されている。

「どうも、えいりあんです」


 そういえばきょうの将棋えねっちけー杯は聡太くんの名前の元ネタのひとが解説だ。ちょっと楽しみだ。寝落ちしないように起きて観ようと思う。
 名前の元ネタのひとのめざましい大活躍を見ていると、すごい人の名前を猫につけてしまった……と思うのだが、猫はそもそもなにか「活躍」みたいなことをする生き物ではない。犬なら人命救助とか麻薬探知とかそういうことができるわけだが、猫は基本的にのんびりと遊んだり寝たりしているだけだ。
 しかし将棋はそもそもゲームなので、ずっと遊んでいる猫には適当な名前かもしれないなあといまちょっと思った。遊びも突き詰めれば文化、芸術、競技になるわけである。猫のボール遊びももしかしたら何らかの競技になるかもしれない。いやそれはないな。

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