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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2022/11/29

 きのうの夜、酔っ払った父氏が聡太くんのヒゲを切った。そのときわたしは特にサッカーに興味もなかったので、部屋で読書していた。
 わたしが「はあ読み終わった」と本を閉じて茶の間にいくと、聡太くんの向かって右側のヒゲが短くなっていた。母氏によると、父氏に「なにしてるの?!」と詰め寄って説教したものの、父氏は酔っ払いだったのでヘラヘラしていたらしい。
 酔っ払いというのはなんでこんなにタチが悪いのか。慌ててググると家の中で飼われている猫はそれほどヒゲの感覚が必要でないので切られても大きな問題はない、と出てきたが、それでも可哀想だ。
 アルコールは気分がよくなって楽しくなる程度に飲むもので、叱られてもヘラヘラしているほど飲むのはたぶん体に悪い。父氏は毎晩ビールからのウイスキーをやっていて、最近はワールドカップをやっているのでつい遅くまで飲んでしまうようだ。
 これはもう読書するにしても茶の間で読まねばならない。一瞬も部屋でぐうたらする時間がない……。

「ぼくのひげ……」


 お正月、聡太くんに紋付袴を着せたい、とちょっと思う。ペット用のコスチュームとかで売っていないだろうか。犬ならよく見るのだが。
 でもたぶん断固拒否なんだろうなあ、と思う。首輪チャレンジもときどきやるのだが、やっぱり断固拒否だ。
 世の中の犬猫のみなさんはコスチュームやかぶりものを取り付けられてもご機嫌さんで写真に収まっているのに、聡太くんはなにかつけられるとじっとしていられない。フルーツ用のネットをつけたときだって「やめろ〜」とジタバタして一瞬も大人しくしなかった。
 せめて首輪を我慢してはもらえないだろうか。子猫だから辛抱する気持ちが足りないのだろうか。
 聡太くんはどう見てもふつうの猫なので、脱走したときに野良猫と間違えられるリスクがある。首輪をしていたら野良猫でないことはわかるので、本当に首輪だけでもしてもらいたいと思う。

人間の椅子が好き。


 聡太くんのイタズラがどんどん過激化している。
 シンクのディスポーザーを漁ったりゴミ箱からはみ出しているゴミ袋を噛みちぎって飲もうとしたり、ゴミ箱を倒したり、もうやりたい放題だ。人間が茶の間でテレビなんぞ観ているとそういうことをする。
 イタズラをしてゴミ袋を噛むのは遊び足りない可能性がある、という記事を見つけてじゃらしを出してきたのだが、すぐ飽きてしまった。遊ぶのはたぶんそんなに求めていない。
 でも人間に構ってもらうのは好きだ。ただ匂いを嗅いだりすると人間の顔が当たったあたりをよく舐めている。
 猫というのは自分が話題の中心にいたい、という意識があるのかもしれない。たまちゃんも人間が話をしているところに混ざって話を聞くのが好きだったし、聡太くんもそうだ。
 猫というのは面白い生き物だなあ、と思う。

 新しい車がきた。この間まで乗っていた黒いフィットはたまちゃんに似ていたが、今度の水色の軽自動車(車種は忘れてしまったがホンダなのでたぶんNなんとか)はちょっと聡太くんに似ている。力いっぱいドアを閉めないと半ドアになるあたり、聡太くんの荒っぽい性格を思わせる。
 思えば黒いフィットの前に乗っていたシルバーのシビックは初代我が家の犬であるラムに似ていた。白くて耳の茶色い雑種犬である。賢くて大人しくて、でも散歩の時間になると絶叫する犬だった。
 やっぱり犬猫を飼ってしまうと小動物を飼おうという気持ちは薄らいでしまう。フェレットを取り寄せてもらったら来たのがミンクで、懐かれないまま革手袋をして世話を続けたこともあるのだが。
 ミンクは意思疎通ができなかったが猫は話が通じる。酔っ払いよりよほど会話できる。聡太くんはとてもよくしゃべる猫だ。そこも、シートベルトだとかドアが開いているだとかで音を鳴らす新しい車にちょっと似ているのであった。

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