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きょうの聡太くん 2024/3/24

 きのううっかりちゅーるを切らしてしまった。買い物にいくついでに用事があって、聡太くんがお腹を減らしているだろうと急いで買い物をした結果、ちゅーるを買ってくるのを忘れたのである。
 聡太くんはきのうもちゅーるをもらえるとばかり思っていたのだろう、人間の夕飯のあとずっとウキウキワクワクの顔をしていた。いつも人間が夕飯を食べ終わったらちゅーるの時間だからだ。
 直接「ちゅーる」と発すると大騒ぎするので、「ごめんな、いつものやつ忘れちゃったんだよ」と言っていたがそれで分かるわけもなく、だんだんと時間が過ぎるにつれ「そうか……ちゅーるないのか……」とガッカリの表情になっていった。
 ちゅーるがなくてもおやつは食べたいと思うので、猫用かつおぶしを手のひらから食べさせたが、聡太くんに「かつおぶし食べるか?」と聞いてもちゅーるほどのリアクションはしなかった。
 完全なる「かつおぶしじゃなくてちゅーるがほしいんですけど」の顔だ。かつおぶしはやっぱりそんなにうれしいおやつではないらしい。
 それでも手のひらから「うん、まあまあおいしいね」と食べてくれた。しかし鼻息で座布団にだいぶ散らばってしまった。
 きょうは忘れずに買ってこようと思う。

 本当に、猫というのは食べることが幸せなのだなあ、と思う。
 人間に遊んでもらったり、スヤ……と勝手に寝たりするのも猫にとっては幸せなことなのだろうが、おいしいものを食べさせてもらう、というのがきっと一番の幸せなのだと思う。
 まあ人間だっておいしいものを食べれば嬉しいわけであるが、人間には他にも楽しいことがいろいろとあるわけで、猫のように普段の食事で「わーいごはんだー!!!!」と喜ぶことはあんまりない。人間が「肉野菜炒めだー!」とか「キャベツのおひたしだー!」と声に出してソワソワソワソワ喜んでいたらそれは子供だ。子供はどこか動物を思わせる。大人なら肉野菜炒めやキャベツのおひたしが夕飯だと猫が騒ぐようにワクワクを口に出したりソワソワしたりはしない。でも素直に喜べたら素敵だなあという気もする。
 猫のように毎日毎日楽しいことを喜んで生きていけたらいいなあと思う。

 エリカラのデバフ効果を受けている聡太くんであるが、ちょっとずつできることが増えてきた。きのうは茶の間の引き戸をちょっとだけ開けて、なんとか通れないか頑張っていた。
 たぶんエリカラなしなら通れる幅だったのだろう、「とおれない……なぜだ……」という顔をしていた。
 かわいそうだし薬も染み込んでいるだろうし、夜はエリカラをとってやっているのだが、この間みんな寝静まってからちょっと廊下の照明をぱちんとつけたら茶の間の戸が開く音がした。おそらく聡太くんは父氏ないし母氏がトイレに起きてきたのだと思ったのだろう。なんて鋭い感覚だ。ウルトラスーパー賢い猫ちゃんだ。
 きのうは人間が寝ようとしていたら廊下にいってしまい、階段の下に座って母氏の顔を見ていた。いっしょに寝たかったらしいがボール遊びに誘ってみたところいつも通りの省エネナイトルーティーンをしてから寝た。よくわからないやつだ。
 猫なりにいろいろ考えているんだなあ、と思う。思考を停止してはいけないなあと聡太くんを見ていると感じる。

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