見出し画像

きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2022/8/20

 毎晩、家族が寝静まってから、聡太くんとわたしの攻防が始まる。
 まずわたしが廊下の灯りをつけ、茶の間や台所の灯りを消す。廊下のドアを開けると、聡太くんはダッシュで玄関に向かう。
 そこで、なにかおもちゃを投げて、聡太くんを廊下のドアのむこう、茶の間のある区域に走らせる。そこで廊下の灯りを消しドアを閉める。
 それだけのことがとても難しい。聡太くんがオモチャに飽きていたら投げても反応しないし、玄関に向かうのでなく階段を登っていくこともある。階段に登ったらやっぱりおもちゃで徐々に誘導するほかない。
 しかもそれをクリアしてから「窓閉めたっけ?」とか「洗面所のドア閉めたっけ?」となって、二番勝負になることもよくある。
 そのうえ、全てクリアしてから酔っ払った父氏が降りてきてタバコを台所の換気扇のところで吸い始めたりもする。そうなるともう聡太くんを台所や茶の間のある区域に置いておくのは難しい。父氏が聡太くんを玄関側に締め出してしまうこともままある。
 そして玄関側に締め出された聡太くんは、2回に向かって鳴いて母氏を早朝に起こすらしい。ギャン鳴きとかでなく「さみしいよ〜」のノリだという。母氏が起きてくると、聡太くんはめちゃめちゃ甘えるのだという。なんだそれ羨ましい。しかし朝に弱いわたしには無理だ。
 わたしは聡太くんが毎日元気に暴れている姿ばかり見ている。お利口さんにしているところなんてめったに見るものじゃない。

かかとにあご乗せ。


 きょうは高校野球の東北対決があるので聡太くんが寝ている隙を狙ってパソコンを茶の間に持ち込んで作業しようとした。
 しかし最初は父氏の椅子で寝ていた聡太くんを、父氏が起こしてどかしたら、聡太くんはお目目ぱっちりになってパソコンにチョッカイを出し始めたので、わたしはパソコンをかかえて逃げ出した。
 そのあと戻ってきたら大量の点差がついていて、スマホとキーボードで作業しようとしたら チョッカイをまた始めたので逃げ出した。とにかくお利口さんにしようという気がない。
 先代が子猫だったころはネットに繋がっていない古いパソコンを部屋でいじるだけだったので、チョッカイを出された記憶はない。しかし先代が歳をとっておばあちゃんになったころには堂々と茶の間でパソコン作業をしていた。
 聡太くんもいつかこういうふうに大人しくなったりするのだろうか。しかしそれはそれで寂しいので、もう何年かは困らせてほしい。

 人間の子供と同じで、猫も素朴なおもちゃのほうが好きなのかもしれない。
 聡太くんは七色のリボンのついた棒や、この間いただいた「バズった猫のおもちゃ」より、猫じゃらしやネズミのぬいぐるみのほうが楽しい顔で遊んでいる。特に猫じゃらしをくわえてキューキュー鳴きながら走り回るのは、遊び方を間違えているがとても楽しそうだ。
 やっぱり小さいころから知っているオモチャだからだろうか。母氏は猫じゃらしを「生き別れたきょうだいなんだって」と冗談して言っていた。
 袋や箱といった単純な隠れ場所も好きだ。テーブルから椅子の背にかけてある買い物袋にするりんと入ってぶら下がっていたりする。もしかしたら猫転送装置にも引っかかるかもしれない。

「まちたいのだ」


 だんだんと秋の足音が近づいてくる。
 晴れても暑くなかったり、夕方には涼しくなっていたりする。聡太くんがストーブの前でとろけているのもそう遠くなく見られると思う。
 聡太くんの課題として、お腹を治さなければいけないし、チョッキンもしなくてはならない。どちらも最近ずっとわたしの悩みだ。
 特にお腹がゆるいのがなかなか治らない。そのうえで、成長に合わせてご飯の量を増やすというのは難しい。でもこのままでは聡太くんはいつまでも痩せっぽちだ。
 人間の食事を盗み食いするということはお腹が空いているということだ。確かにご飯をやってすぐは人間の食事に興味はない。
 難しいがやるしかないのだ。聡太くんが大きくなって、ほどよく太るまで頑張らねばならない。絵の先生のところのオス猫軍団のように、でっかくなって太ってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?