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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2022/11/18

 寒くてなかなか布団から出られない日が続いている。ストーブのタイマーをかけようがどうしようが、寒いもんは寒いんである。
 母氏は相変わらず寝ていると聡太くんが布団に入ってくるらしいのだが、たまちゃんみたいにモゾモゾせず大人しく寝ていて、母氏のほうが先に起きて聡太くんを起こすと言っていた。
 聡太くんはプロの飼い猫なので、お利口さんに寝ているらしい。さすがプロの飼い猫。人間のあしらい方をよく心得てらっしゃる。
 そして聡太くんはいつまで経ってもホットカーペットの使いかたを覚えてくれない。なにが嫌なのだろう。床は寒いから嫌なのだろうか。クッションの上に置かないでくださいと書いてあるから床なのだが。

しっぽくるりんで甘えるヒト。


 きのう人間は鶏肉と大根の煮物を食べていた。聡太くんもちょっとだけ鶏肉をもらっていた。こうやって人間の食べ物の味を覚えていくのだ。
 人間の食事の邪魔には定評のある聡太くんなので、人間のご飯どきにはケージに入れるのだが、「だせー! だせー! たべるものをよこせー!」と激しく大騒ぎする。そのうちケージの底板を破壊しそうだ。
 もうこうなってくると人間に例えるなら上裸のケルト人戦士とかになるのではないだろうか。少なくとも大人しく将棋盤の前で考えられる種類の人間ではない。実際に手が出るからだ。
「それたべたいなあ、ちょっとください」と待っていたたまちゃんと違って、「それたべる」と手を伸ばして食べようとする。なにを食べていてもそうだ。それで買い物ついでの車中買い食いがはかどってしまう。
 イタズラをするのも今のうちなんだよなあと思うと少々暴れるくらいは許してやろうかなと思う。食う寝る遊ぶというやつだ。
 ただ危険なものにチョッカイを出すのはやめてほしい。タマネギをモグモグするとかそういうのだ。貧血で獣医さんに行きたいのかい、きみは……と思ってしまう。
 きのうの鶏肉の煮物の出汁に冷やご飯をぶち込んだ雑炊がきょうの人間の朝ごはんだったのだが、それのあまりを残しておいても、と捨てた三角コーナーを聡太くんが執拗に狙っていた。
 いまシンクは使わないとき、レジャーマットを敷いてその上に三角コーナーを置いて、三角コーナーに金だらいを被せている。しかし脂分の出るものをレジャーマットの上に置くのはなんとなくいやだ。だから狙える状態だったのである。
 人間の食べ物はなんでも食べられると思うのも、やはりプロの飼い猫だからだろうか。しかしプロの飼い猫がシンクを荒らすだろうか。なんでもいいが悪いことは程々にネ、と思う。
 菓子パンすら聡太くんのいるところでは食べられないわけだが、この人間の食べ物への異様な執着はいつか収まるのだろうか。
 聡太くんは食いしん坊だ。キャットフードだってガツガツ食べるし「おやつ食べるか?」とか「ちゅーる食べるか?」とか声をかけると、しっぽをピーン! とさせてついてくる。お腹が空けば人間の袖口やら手やらをガブガブする。
 いっぱい食べてね、と思う一方で、食べ過ぎるとお腹がゆるくなるのであんまりあげられないというジレンマが発生している。ただお腹ゆる太郎の猫向けサプリメントはおいしいらしく嫌がらないで飲んでくれる。プロの飼い猫だ。

「おめめきらきらなんですよー」


 ついでに言うと聡太くんはプロの飼い猫なので「シルベスタ・ソタローン」だとか「そたたん」だとか「そうたろう」だとか、変な呼ばれ方をしても嫌な顔ひとつしない。人間が大好きで「そ」というのがじぶんの名前だと思っているのだろう。
 どうして人間はかわいいものを変な名前で呼びたくなるのか。かわいいから仕方がないのだろうか。せっかく藤井聡太先生から名前をいただいたのに、性格が上裸のケルト人戦士になったのは、変な名前で呼んだからだろうか。昭和のいいところのお母さんみたいに「聡太さん」と呼んでいればお利口さんに育ち竜王戦の賞金を持ってきたりしたのだろうか。
 まあいまさらそんなこと言ったってどうにもなるまい。ただ元気でいてくれればそれでいいのだ。

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