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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2022/12/13

 大変なことに気づいてしまった。
 ここ何年か、お正月のいちばんの楽しみは、近くの地元密着でやっているホームセンターの初売りセールで500円しないシクラメンを買うことだった。それも、華やかに咲いた大きな鉢のものだ。たぶん普通に買ったら千円はすると思う。
 しかし来年のお正月からはそれができない。なぜか。聡太くんが「わーいつちだー!」と掘り起こすからである。
 すでに聡太くんはシクラメン掘り返しとミニ蘭叩き落としの前科がある。まあシクラメンは球根から微妙に芽が出ているだけの鉢だったし、ミニ蘭は目立つところに飾っていたので、「なんだぁーこれはぁー?」となっただけだと思うのだが、とにかく聡太くんが元気なかぎり室内に花は置けない。置けるとしたら聡太くんを入れていない自分の部屋だけである。
 シクラメンを買うようになったのは何年前だったか。たまちゃんはすでにヨボヨボしていたから、シクラメンをひっくり返す気はなかった。しかし聡太くんは若者である。「動物のお医者さん」のソリ犬たちのように、常に「おれはやるぜおれはやるぜ」の体勢で生きている。
 そして「おれはやったぜ」の結果は、犬ゾリレースの勝利でなく、こっぴどいイタズラなのだ。

「ここからはおそとがみえるんですよー」


 きのうの夕飯はサバの味噌煮だった。大変おいしかったのだが、聡太くんの「突撃我が家の台所」がひどかった。
 作るときから食べおわるときまでケージに入れて、食べ終わった骨なんかは丁寧に片付け、ディスポーザーにたまらないようにした。しかしそれでも聡太くんは台所に突撃していき、サバの味噌煮がないとわかるとオリーブオイルの瓶をなめたり付け合わせのブロッコリーの水切りしたザルをなめたりしていた。それを、眠たくなるまで延々繰り返すのだ。地獄である。
 それだけでなく聡太くんはよく水切りカゴに立ててある箸を噛んだり、母氏のペンケースから鉛筆を引っ張り出して噛んだりしている。棒状のものを噛むのに執着しているのかもしれない。
 これでもだいぶ大人しくなったのである。小さいころは非力だったがモノへの好奇心がそれをカバーして悪いことをいっぱいやったし、人間が風呂から上がれば観察しに行った。
 いまは起きていれば人間の風呂を見に行く、という感じで、寝ているときに風呂に入っても反応しない。

やだ……イケメン……!!


 聡太くんはせっかく買ったホットカーペットを使ってくれない。なんのためにサンキュッパ出したのだろう。サンキュッパってけっこう大きい額ではなかろうか。
 他にも歯磨きおもちゃはマタタビをまぶしても無反応だし、ボールはあっさり無くしてしまった。
 気まぐれな生き物だから仕方がないのだが、それでも興味なしだと悲しい。鉢植えはひっくり返すのにおもちゃには興味なしなのだ。あんまりである。
 猫という不思議な生き物と暮らすのは楽しい。たくさん理不尽なことが起こるが楽しい。
 悪いことをたくさんするのも今のうちである。子猫時代も残り少なくなってきた。元気な若猫として日々悪いこと道に邁進してもらいたい。

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