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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/8/25

 猫というのは天然素材が好きだ。まあ動物だからたぶん当然のことなのだが、たまちゃんもホウキ草でできたホウキや豚毛のしょうじ貼り用のハケが好きだった。たぶん猫ちぐらが猫に愛されるのはそういう理由なのではないだろうか。
 そういうわけで、きのう買い物の帰り道に、エノコログサ、つまり猫じゃらしを一本摘んできた。聡太くんはどういう反応をするだろうかとワクワクしつつ、でも人間の作った猫じゃらしに興味ないしなあ……と、とにかく買い物から帰ってきた我々を玄関で出迎えてくれたので、ほれほれと見せてみた。

「それはなんだ?! なんだ?!」


 そうしたらものすごく食いついてきた。人間の作った猫じゃらしなど足元にも及ばない。それで遊ぶ! よこせ! と、久しぶりに元気いっぱい動いていて、ああ元気になったんだな、ととても嬉しくなった。
 エノコログサをぱしぱし捕まえようと頑張り、二本足で立ち上がり、とにかくすさまじい興奮ぶりであった。元気が有り余っているのだ。
 こちらもスマホのカメラを向け、カシャカシャとたくさん写真を撮った。ぜんぶ保存したかったが、容量がやべえので厳選した。
 聡太くんが嬉しそうでとても嬉しいし、元気そうでこちらも元気になった。元気な聡太くんは見ていて楽しい。

「たーのしー!!」


 しかしお口に入れようとしたので途中で処分した。なんでもお口に入れるのはやめてほしい。子供じゃないんだから。
 なお我が家では猫じゃらし状のおもちゃを「生き別れの弟」と総称しており、聡太くんは新手の生き別れの弟と楽しく遊んだようだった。

廊下に落ちている。


 それはそれとして、聡太くんはずっと床に落ちている。
 どう考えてもエアコンの効いた部屋のほうが涼しいのに、ずっとクソアチな廊下に転がっている。邪魔だし熱中症になりそうで心配だ。
 たまちゃんも暑いときはよく床に落ちていたが、あのころと今とでは気温のヤバさが違う。きのうわたしの住んでいるところの気温は全国6位だったらしい。暑いわけである。38度とはどういうことか。そのくせ冬はクソ寒いのだ。人間が住めない土地になるのもそう遠くないのではなかろうか。
 部屋の置き型エアコンをつけたまま寝たら大した寝汗をかかないで済んだのだが、洗濯を干すだけで汗びっちょりである。
 ただ、聡太くんはエアコンでお腹を冷やした可能性があるので、ハアハアしていないかぎり無理に茶の間に連れてくるのはよそうと思っている。猫はもともと暑いところの生き物なのだ。古代エジプトの神様なのだ。人間には想像できない哲学で生きているのだ。

「夏への扉」的なやつ。


 この暑さで、もうそう遠くないうちに寒くなるのが想像できるわけだが、どうせなら11月くらいまでストーブがいらない気温だったらいいのになあと思っている。
 まあこの間買ってきた新しい聡太くんの布団は、去年買ってきたのに興味すら示さなかったホッカペを入れるのにちょうどよさそうな形をしている。もうすでに布団は毛まみれだが、ホッカペを入れてやって、ホッカペも使ってくれたら嬉しいなあと思う。
 夜になれば秋の虫が鳴いているし、もう暦の上では夏は終わっているのだ。
 ただ夏の終わりといえどもわたしはいままでセミファイナルというものに遭遇したことがない。もしかしたら田舎だからセミの死骸が落ちていると鳥かなにかが食べてしまうのかもしれない。
 それからここ何年か、ツクツクホウシ以外のセミの声を聞いていない気がする。ツクツクホウシは自然環境の悪化に強いのだろうか。はたまたご近所で大きな木を切り倒したからだろうか。
 なんにせよ早く涼しくなってくれと思うのであった。暑いのはいやだ。

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