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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2024/7/8

 きのう、父氏が酒のアテにサバ缶を所望したのでサバ缶を買ってきた。家で夕飯を支度して、サバ缶をぱきゅっと開けたところ、聡太くんはもちろん食べたわけでないが刻んだネギがあるのにもかかわらずサバ缶に突進した。
 こらこらと捕まえてケージに入れようとしたら激しく抵抗して猛獣と化した。腕がまたボロボロになった。よほど食べたかったに違いない。
 今朝そのサバ缶の残りを納豆に投入したときも「それをくわせろ!!!!」と大騒ぎしたのでケージに入れた。食べたこともないくせにおいしいと分かるのだ。なんなんだい、きみは……。

 きのうの夜、いつも通りボール遊びをしてから寝ようとしたら聡太くんを見失った。あれ、と思ってちょっと見渡したら分かりやすい場所に移動していた。優しいやつだ。
 ボールは明るくしないとなかなか追いかけてくれない。猫なんだから夜でもばっちり見えているはずなのに。
 ただ人間の気づかないところに移動するというスキルの高度さを、その次の朝、つまり今朝痛感することになったのである。

 今朝、朝ドラを見終わって少ししたころ、聡太くんが見当たらなくなった。
 物置の段ボール箱をどかしてみたり押し入れを覗きこんでみたりしても見つからない。おやつの引き出しやご飯の戸棚やおもちゃの戸棚を開けても出てこない。実際に猫用かつおぶしを取り出して食器に盛り付けてやっても出てこない。呼べども探せども出てこない。
 2階や行くはずのないわたしの部屋も探したが見つからない。どこを探しても人間には探知不能レベルだ。
 もしや知らぬ間に出て行ってしまったのか。たまちゃんはよくきょうのような雨の日に家出していた。とにかくしょげていたわけだが、案外買い物から帰ってきたら「どこいってたんですかあー?」とノコノコ現れるのでは、ととりあえず買い物に出かけた。

 母氏と買い物に行く道中、もしかしたらきのうきょうとサバ缶を食べられなかったのを恨んで隠れているのでは、という説が出た。食べ物の恨みは恐ろしい。きっと帰ってきたら猫用かつおぶしを平らげてまた隠れているのではなかろうか、という話になった。
 また、もしかしたら隠れてそのまんま寝てしまったのではないか、という説も出た。きっと押し入れの奥深くに隠れているうちに眠たくなって寝てしまい、人間に「聡ちゃん?」「ちびたん?」などと呼ばれれば誰も見ていないのにしっぽの先をパタパタさせて「うっさい……」とリアクションしていたのでは、という説だ。
 前者はともかく後者はとてもリアリティのある説だ。ぐっすり寝ていたらおやつの引き出しなどきっとどうでもいい。猫は自由気ままな生き物なのである。
 買い物のついでにパルムの新作を買ってモグモグして、少し気分がマシになって帰ってきたら、聡太くんはふつうに廊下にいて、人間が手洗いしていたらかつおぶしを見つけてワシワシ食べていた。「おかえりー」くらいの感じだ。

中トロに埋もれる夢を見ている。


 猫はかくれんぼがうまい、というのはたまちゃんと暮らして知っていたはずだ。たまちゃんも何回か、呼べども探せども出てこなくてみんなでしょんぼりしていたらヒョッコリ出てきた、という愉快な事件を起こした。
 猫というのはそういうやつらなのだ。振り回されてはいけないとわかっていても振り回されてしまう。人間はしょせん猫の召使いなのである。

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