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きょうの聡太くん 2024/5/3

 母氏の同僚さんに渡した、聡太くんが「ぼくこれいらない」と拒否したキャットフードであるが、同僚さんの猫ちゃんは箱を見ただけで「ぼくあれたべる」となったらしい。
 同僚さんの猫ちゃんは「あれはぼくのごはんですよね、たべたいんですけど」と大騒ぎしたのだという。箱にかわいい猫ちゃんが描いてあるのはキャットフードなので当然として、なぜパウチに入って匂いなどしないキャットフードをおいしそうだと思ったのだろうか。
 そして食べさせたところ喜んで食べたらしい。なぜだ。その猫ちゃんはグルメで、ひとつの袋に4種類入っているおやつのうち1種類だけ「ぼくこれいらない」となるのだという。どうしてそんなグルメおキャットさまが、あの味の薄そうなキャットフードを喜んだのだろうか。
 もしかしたら聡太くんはジャンクフードが好きな若者みたいなところがあるのかもしれない。ちゅーるは脂の塊、とこの記事に書いたとき、記事の感想を書いてくださったXのフォロワ氏が「二郎系ラーメン」と表現していて、二郎系ラーメンなるものを食べたことのないわたしも「きっと脂でコッテリして味が濃いんだろうな」というところまでは想像できた。
 きっと、母氏の同僚のところの猫ちゃんは、薄味でもおいしいと思えるくらいグルメなのだろう。聡太くんは濃い味付けが好きなのだ。

完全なニャンモナイトだ。学会に発表しよう。


 そういうわけで母氏の同僚さんからお礼までいただいてしまった。人間にはチョコレート、聡太くんには生のマタタビの枝を切ったものをもらった。
 聡太くんは最初マタタビの枝の匂いを嗅いで、それから猛烈な勢いで噛み始めた。しばらくガリガリガリガリ噛んだら見事に興奮状態になって母氏のスリッパを噛み始めたのだった。
 その日は夕方まで母氏のスリッパにご執心だった。もしかしたらマタタビの匂いがついたのかもしれない。
 前にも母氏の友達からマタタビパウダーなんぞをもらったことがあったのだが、ここまで過激に反応することはなかったように思う。やはり天然モノは猫にとっても違うらしい。

「かむかむえゔりばでぃ!!」


 きのうまで1989年刊行の猫の本を読んでいた。学者さんの書いたエッセイに近いものだ。
 読んでいて平成元年の猫の扱いの悪さにビックリしてしまった。もちろん家の中と外を自由に行き来させていたし、避妊去勢もしていないのでポコポコ子猫が生まれポコポコ死んでいく。オス猫は外で野良のオスと戦って傷だらけになり、車にぶつかって怪我をした猫の話も出てきた。
 それを思うと聡太くんは令和の猫だなあと思う。家のなかでのんびり過ごして、野良猫と戦ったりなどはしない。どちらが幸せなのか、と言われたらわからないが、令和の猫のほうが平和ではある。少なくとも野良猫と喧嘩することはないし、家の中にいるなら車を怖がる必要もない。
 しかし最近家のなかで行きたいところに行ける生活をしているのでそこはちょっとだけ危険である。奥の物置には本棚ひとつぶんの本を詰めた段ボールが積まれている。これが崩れたら危険だし、人間の気づかないところにいるのだと思うとやはり少し怖い。
 奥の物置で聡太くんはよく洗濯物干しの下にいる。人間の匂いがして安心するのだろうか。隠れているくらいなら奥になど行かなければいいのに……。

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