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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/3/16

 聡太くんはいつまで、いまの調子で元気よく過ごしてくれるのだろうか。
 いや、まだずっとずっと長い未来が聡太くんにはある。猫が30年生きる時代がもうすぐくるのだという。それでも、いまみたいに、ボールを投げてやればジャンプしてキャッチするだとか、「おやつだよー」という声に「ううにゃんっ」と返事をするだとか、そういう元気いっぱいの聡太くんはいつまで続くのだろう……と心配してしまう。
 たぶん飼い主はとんでもない心配性なのだと思う。それともたまちゃんを看取ってから恐れのようなものが湧いてしまったのだろうか。
 少なくともたまちゃんと暮らしているころは、そんなことは考えなかった。食欲がなくなって、シリンジで飲ませていたころも、いまを乗り切ればきっとまた元気になると思っていた。
 命は有限である。だから尊いものでもある。しかし聡太くんとの幸せな暮らしが、ずっとずっと続きますようにと思ってしまう。そしてその間にどんな変化が起きるかはまだ分からない。
 おそらく父氏や母氏は仕事をリタイヤし、年寄りになるだろう。もっと言えば亡くなる可能性だって十分にある。
 それでも聡太くんと幸せに暮らしたいのだ。それを叶えるために公募に挑戦したりカクヨムに小説をUPしたりしているのだ。
 聡太くんはまだ一歳にならない。これからの20年や30年を幸せにできるかはわたし次第なのだ。頑張ろうと思う。

「ふふふ……ぼく、いけめんなんですよ」


 いまさっき灯油宅配の人がきた。もうマスクは緩和されているので、ずっと鼻出しマスクだった宅配のおじさんは、灯油をタンクに注ぐ作業のあいだはノーマスクで、対面で支払うときだけマスクをつけていた。
 聡太くんは玄関チャイムを怖がらない。だれか人がきたとわかると「だれ? ねえだれだれ? ぼくのしってるひと?」と玄関にすっ飛んでいくから困る。
 たまちゃんはチャイムが鳴るとテーブルの下に隠れていた。性格っていろいろなんだなあと思う。
 脱走されると困るのでケージに入れようかと思ったのだが、それはそれで可哀想で躊躇して、できなかった。要するに廊下にいかなければいいのである。なんとか無事に支払った。
 しかし聡太くんの好奇心の強さにはびっくりしてしまう。面白いものにはなんにでも興味を示す。さっきまで灯油の納品書の匂いをスンスンと嗅いでいたが、特に面白い匂いはしないと思うのだが。

スヤ……。


 聡太くんはすごく頭のいい人の名前をつけたのにあまり賢くないので、ドアを押して開けるやり方がよくわからない。引き戸なら開けるのだが、ドアノブタイプのドアには全敗している。うっすら開いていても押して開けることができない。
 知育玩具でも与えたらいいのだろうか、と思うのだが、それでドアの開け方を覚えるだろうか。まあ賢くなりすぎてドアノブの回し方まで覚えらえたらそれはそれで困るのだが。
 猫の知育玩具というのをググってみたらけっこういろいろあるようで、パネルをずらしておやつを探すやつや、転がしておやつを取り出すやつなど、確かに知恵のつきそうなおもちゃはたくさん市販されているようだ。
 もうすぐ一歳なのだが、そういうおもちゃを与えたらもうちょっと賢くなるのだろうか。賢い人の名前をつけたのにアホというのはなんとなく飼い主の高望みがちらついて恥ずかしいのであった。

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