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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/10/20

 聡太くんは熟睡していると案外歯を見せてくれる。上顎をちょっと引っ張ると鋭い牙が見える。噛まれると痛いわけである。
 聡太くんは最近抱き上げられると人間の手を噛みまくるというカウンター技を覚えた。ケージに入れるたびに激しく噛まれて毎度痛い。聡太くんはずらーっと歯が並んでいるから当然だ。
 思えばたまちゃんは歯抜けさんだったので、噛まれてもぜんぜん痛くなくて、そもそも噛まれた記憶もあまりない。もし聡太くんみたいにずらっと歯が揃っていたらきっと痛かったのだと思う。
 たまちゃんはすごく小柄な猫だった。獣医さんから処方食を買うにあたり「2キロの猫相当の量で十分だと思う」と言われたくらいちっちゃかった。たぶん拾ってくる前の栄養不足が原因であろう。
 買い物にいくと、ときおり奇妙に小さいおじいさんおばあさんを見ることがある。あの人たちも戦後の食糧難とかで子供のころの栄養が足りなかったとかなのだろうか。
 たまちゃんのかわいい顔を思い出す。まんまるでフクフクしたかわいい猫だった。聡太くんとは可愛さのベクトルが違う感じだ。

ニャンモナイト。


 きのう聡太くんは人間が夕飯を食べている隙にシンクに降りて、野菜サラダを作ったボウルをなめようとしていた。野菜サラダには玉ねぎが入っているので止めた。
 そのあとガス台付近に付着したマヨネーズをなめていた。由緒正しい飼い猫なのに、やることが野良猫である。
 聡太くんはマヨネーズが好きだ。たぶん卵が好きなんだと思う。目玉焼きの皿に残った黄身をなめたり、ゆで卵をジャッカルしたりする子である。卵の白身は猫にはよくないと聞いているのだが、そんなのお構いなしで卵を食べたがる。
 この食いしん坊め。もうちょっと小さいころは「にんげんのたべものはぼくもたべられる」と思っていたように感じる。最近ちょっと自重することを覚えたようだ。
 きのう父氏が酒の〆にカップそばを食べていたのだが、聡太くんは「なんですかそれは」とにじりよっていた。父氏は付属の七味の袋で応戦していた。微笑ましいがあんまり唐辛子の匂いを嗅がせるのはよくないと思う。

「ねおきどっきりですか?」


 きょうも雨である。大変気が滅入る天気だ。そろそろ冬の靴を出すなり買うなりしなくてはならない。
 冬はいやだ、寒い。道が凍る。吹雪になる。灯油代がかかる。いいことが一つもない。雪なんぞスキー場と山と畑に降ればそれでいいのだ。
 このあいだ夜に白鳥の鳴き声が聞こえた。もうそんな季節なのか……と思った。
 前にも書いた気がするが、2月に母氏が推しピアニストのリサイタルに行く予定なので、当日は茶の間に布団を敷いて寝ようと思っている。聡太くんはお布団潜入をしてくるだろうか。
 母氏がいうには聡太くんは知らないうちに布団に入ってきて脇の下で寝ているらしい。猫おそるべし。
 たまちゃんは遠慮がちに布団の上で寝ていたが、聡太くんは次第に布団の真ん中に移動して人間が気を遣って寝ることになる、と母氏が言っていた。寝る時ひとつとっても性格が出てたいへん面白いと思う。

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