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きょうの聡太くん 2024/7/5

 きのうの昼、聡太くんは人間の食べているパンを食べたがった。レーズンが入っているのでだめだよ、と注意したものの、「だんこ! だんだんこ! それをたべます!」と大騒ぎし、大きなレーズンパンを切ったまな板やナイフをなめようとした、もしかしたらちょっとなめたかもしれない。でもとりあえず具合は悪そうでなかったのでレーズンを摂取してしまったわけではなく、ほっと安心したのだが、聡太くんの野心はそれでおさまることはなかったのである……。

 夕方。父氏は歌舞伎揚げをアテにビールを飲み始めた。聡太くんはわたしの膝の上でスンヤリと寝ていた。
 父氏がタバコを吸いに歌舞伎揚げの袋を置いて立ち上がり茶の間を出た瞬間、聡太くんは跳ね起きて歌舞伎揚げの袋に突進し、顔を突っ込み、慌ててとっ捕まえたら歌舞伎揚げの袋ごと持ち上がった。歌舞伎揚げの袋を奪うと口に一個くわえていた。聡太くんの口に指を突っ込んで没収した。
 聡太くんはさんざっぱら叱られたというのにどこ吹く風、という顔をして、口の周りをぺろりぺろりとなめていた。おいしかったらしい。
 これはきっと明日獣医さんに連行して「歌舞伎揚げを盗み食いしてお腹を壊したので整腸剤ください……」となるのかなと思ったらそんなことはなかった。お腹健やかなのはよろしいがやっていいことと悪いことがあるんじゃないか。

 しかもそのうえ聡太くんは人間の夕飯として用意したお惣菜のコロッケが電子レンジでぐるぐる回るのを「わくわく……!」と見ていた。どうやら脂っぽい食べ物に関心があるらしく、ぜったいに自分ももらえるのだと思っている顔をしていた。タマネギが入っているのであげられない。
 本当に、食べさせていいものならなんでも食べさせてやりたいという気持ちはあるのだが、コロッケは食べさせられない。人間の夕飯のあいだ聡太くんはケージにしまわれていた。本当に食べたがっていたのか、掠めるレベルで好きなのかは分からないが、とにかく食卓が危険だったのである。

 そして人間が寝静まったあと、聡太くんは父氏の薬(PTP包装の病院の薬とビン入りのハイチオールC)の入ったカンカンを「どうだ! どうだ!」と転がして、ガッタンガッタン鳴らして遊んでいた。
 うるさかったので「こらっ!」と様子を見に行くと、「いいえ? ぼくはわるいことなんかこれっぽーっちもしていませんよ?」の顔をなさる。なんなのだお前は。そう思って部屋に戻るとまたガタガタするので叱りに行く。それを3回ばかし繰り返したらやっと寝た。なんなのだお前は。

「はーどぼいるど……」


 というか、こうやってイタズラの話題を嬉々として書いている人間というのはなんなのだろうか。
 猫というのは穏やかな生き物だが、一方で過激なイタズラをする生き物でもある。過激なイタズラをされたら人間は食べかけたものを取り上げて笑うしかできない。
 その笑いをお裾分けしたくてnoteの記事にしているわけなのだが、これを読んで笑ってくださる人はどれくらいいらっしゃるのだろうか。
 自分の記事へ誘導するためにスキを押していく知らない人や、コメントがついたぞと嬉々として見にいくと「大変興味深いです」とだけ書いてあって、その人の記事を見てみると「●●君と刺激的なデート!」みたいな、弊noteとさっぱり関係のない記事を書いていて、それに誘導するためにコメントをつけていく人ばっかりではないか。
 うぬぬ。記事を読んで面白いと思ってくれた人がいたら嬉しいです。

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