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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/7/18

 まだまだ雨が降るらしい。いい加減にせえよと思う。
 いまのところ雨は止んでいるが、えねっちけーは今朝もL字画面だったし、おっかないニュースがドンドコドンドコ流れてくる。
 きのうニュースを観ていたら大雨ドキュメンタリーなるコーナーがあって、降り始めた日からきのうまでの県内の惨状が写っていた。
 これでは田んぼは全滅ではないのか。秋田県なんて米くらいしかいいところがないというのに。中華料理屋では油が床に落ちてベトベトだ、とやっていたし、家の中が水浸しになっている恐ろしい映像も流れてきた。
 もう雨は嫌だ。しかもだんだん暑くなってきた。
 映像を見ていたらボートで水浸しの住宅街から救助された人の様子をやっていて、犬が心配そうな顔をしてボートに乗せられていた。犬だって避難しなければならない。
 どうか避難している犬猫その他もろもろの動物が安全でありますように……と思う。

「こんがらがってしまいました」


 さっき聡太くんがえずいていた。すわ、なにか変なものでも食べたか、と思って、玄関で潰れていたコオロギを確認したらそれを食べたわけではなさそうだった。
 そしてよくよく考えてみれば、大人の猫は当たり前に毛玉のゲロを吐く生き物なのだった。えずいただけで吐いてはいないのだが、もしかしたら毛玉かもしれない。
 思えばたまちゃんもよく毛玉を吐いていた。しばらく「けぽ……けぽ……」とやってから、「ぐべ」と毛玉を吐くのだった。
 たまちゃんは大河ドラマ「麒麟がくる」の、緊迫したシーンをドキドキと観ていたときに、思い切りげぼーっと吐いたことがある。猫にテレビの内容がわかるとは思わないが、緊張したのだろうかと当時は面白がっていた。
 聡太くんはいままで毛玉のゲロを吐いたことはない。だいたい変なものを飲み込んで吐いている。子猫が毛玉を吐くことは基本的にないそうなので、仮にさっきえずいていたのが毛玉だとすると、もう大人になったのだなあと思う。
 思えば子猫のころと比べるとずいぶん精悍というか濃い顔というか強そうな面持ちになった。
 そこは名前の元ネタのひとが、デビュー当時はふにゃふにゃの中学生だったのに、いまでは夜に対局が終わると青髭になっているのと同じである。成長とはそういうことだ。
 聡太くんはマズルがわりと出っ張っているので頑張れば掴める。そんなことをしちゃいけないがたまちゃんはできなかったのでついやって噛まれてしまう。楽しい。

「ほうしゅうは、すいすぎんこうにふりこんでくれ」


 裏の家のおばあさんだろうか、やたらでっかい声で誰かが話している。
 裏のおばあさんは耳が遠いのでやたらと声が大きい。ずっと電話していて電話の内容が丸聞こえだったこともある。
 聡太くんは裏のおばあさんを知らないので、「やや? なんのさわぎだ?」としばらく様子を見てから、「まあいいか……」と睡眠業務に戻った。
 我が家の近所では草むしりに外国人のお手伝いさんを動員する家もあって、その場合外国語のおしゃべりがずっと聞こえる、という状況になることもある。他にはやたら吠える犬を飼っている家もある。隣はラーメン屋の工場なので、でっかい声で深夜に話していることもあった。
 いままさに、裏のおばあさんだかだれだか知らないが、死ぬほどうるさいので「うるさい!」と大声で怒鳴ってしまった。一瞬静かになったがまた話し始めた。聞こえていなかったらしい。
 そのうえわたしが大きい声を出したので聡太くんは茶の間を出て行ってしまった。申し訳ないことをしてしまった。諦めて窓を閉めたがまだうるさい。
 猫は静かでいいなあと思うのだが、キャットフードを与えるためにケージに入れるとはよ食わせろとやかましいので、ぜんぜん静かではないのだった。

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