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きょうの聡太くんとヘドロ飼い主 2023/6/18

 きょうは暑くなりそうだ。太陽がじりじりと地面を照らしている。もうビオラはほぼ終わった感じで、いまはカリブラコアが花盛りだ。すごい勢いで咲くので花殻を摘まねばならない……と思ったら花殻摘みはいらないらしい。日々草もニチニチ咲いている。もうすみれの咲く春ではないのだなあ、と思う。
 しかし夜は寒いので長袖の寝間着で寝ている。どういうことだよと思う。寒暖差がエグい。
 こうやってじわじわと夏がやってくるのだ。聡太くんに噛まれて傷だらけなので出かけるときは腕カバーが必須なのだが、三十路の女が二の腕に腕カバーを食い込ませているのはちっとも可愛くないので、少し贅肉をなんとかしなくてはならない。

「おとーさんのあし、こうばし〜い」


 聡太くんは毎晩、テレビを観ながらぼーっとしている人間を小馬鹿にするように母氏の膝で寝ている。
 そして「おやつ」と言われると「うぅぅ〜」と唸って起きてくる。食器を持って廊下に出るとついてくる。かわいい。
 人間が電子レンジを開けることを知っているので、そこに先回りして「まだですか、いつたべられますか、まだですか?!」と大騒ぎするのだが、現物がチンされて出てくると「はようくわせろー!!!!」とそれ以上に大騒ぎする。
 たぶん塊のまま与えても喜んで食べるのだろうが、熱いのでほぐしてやる。待ちきれないという顔で、こちらをみながらウロウロする。かわいいのだが圧がすごい。
 ほぐしたら手から与える。うまいうまいとろくに噛まずに飲んでいる。もっとちゃんと噛んで食べなさいよと思う。
 それにしても、ササミに白身魚(カリカリ)にマグロ(パウチ)と、人間の食事より豪華なものを食べているなあと思う。

 きょうもさわやか自然百景からの趣味の園芸コンボをキメてやった。そして聡太くんはさわやか自然百景に興味がなかった。
「ほら聡ちゃん、ミソサザイだって!」と声をかけたが、「ふーん」という顔をされた。テレビの鳥には興味がないのだ。
 冬、庭で小鳥が鳴いていれば、「なんだなんだ」と見ていたのだが、どうも最近は庭が緑に覆われて、鳥の姿が見えないのであんまり見ていない。鳥の声自体は常に聞こえているのだが。
 趣味の園芸で、植物を楽しんでいる個人を紹介する的なコーナーがあって、家じゅうにビカクシダなんかを飾っているひとのプロフィールに「妻と(猫2匹)の2人暮らし」と書いてあったが、あんなにビカクシダだランだと飾っていてよく猫に壊されないなあ、と思ってしまったのだった。
 聡太くんは破壊王のタイトルを持っていて、なんでも面白そうなものは壊してしまう。植木鉢を掘り起こし小さな鉢は撃墜する。まさに破壊王である。

生活感がすごい。


 今年も腕はボロボロだが、去年の今ごろよりはマシな状態だと思っている。
 聡太くんにも思慮分別が生まれたということだろうか。はたまたチョッキンの効果だろうか。
 去年の夏は一瞬たりとも気の抜けない暴れぶりだったが、いまは実にお利口にしている。なんだか大人しくて心配なのだが、ご飯どきだけは「はようよこせー!」と騒ぐのでまあ元気なのだと思う。
 聡太くんを捕獲してケージにしまおうとして、ジタバタされてボッソボッソ毛が抜けた。抜けた毛が綿ぼこりのようになってホワホワ飛び散り、ひどい有様であった。
 聡太くんは捕獲しようとすると寝転がって受け身を取る。後ろからすっと捕まえて暴れられないように胴体を伸ばして捕まえるのが必勝テクニックなのだが、そう上手くいくことはなかなかない。
 蹴ったり噛んだりもがいたりして、人間に捕まるまいぞ、と暴れるのだが、捕まってケージに入って少し待てば食事が提供されるということは覚えてくれない。そういう賢さを期待するのが間違いだとは思っているのだが、おやつが電子レンジから出てくることは覚えられるのに……と思ってしまうのだった。

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