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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2022/8/30

 母氏によると、きのう聡太くんはピアノ調律の様子をずっと見ていて、調律師さんが気づいて見るとすっと隠れ、作業を再開するとまた見て……というのをやっていたらしい。
 調律師さんはとんでもない猫たらしのようで、最終的に首の周りを軽く触らせるところまで聡太くんを手懐けていた。聡太くんが初対面の人間に触らせるところを初めて見た。
 調律師さんに、前の猫はいつごろ亡くなったんですか、と訊かれて、「2月に、腫瘍を患って食事がとれなくなって、17歳と8ヶ月生きました」と答えたら、「新聞のお悔やみ欄だったら天寿を全うして……か、病気療養中のところ……ってなる感じですねえ」と言われた。絶妙な比喩だ。
 調律師さんは帰り際に、
「じゃあ来年にはものすごく大きくなってるかもしれないのかな。覚えててな」と聡太くんに言って帰っていった。なんという猫たらしぶりだ。
 聡太くんが我が家に来てから猫が好きで触りたがる人がくるのは初めてなので、聡太くんも初めてよそのひとに可愛がられてちょっとビックリしたのだと思う。

「ねむーい」


 きのう、人間の夕飯はアジフライだったのだが、さすがに魚料理は食べてみたくなるらしく、聡太くんは食卓にチョッカイをだそうと頑張っていた。
 もう鈴入りボールシリーズにはだいぶ飽きていてお魚への興味を逸らすほどではなくなっているので、「バズった猫のおもちゃ」を出してきた。そしてそれを母氏が勝手に「ブンブン丸」と呼び始めた。
 バズった猫のおもちゃ改めブンブン丸は、薄いプラスチックのちょうちょがヒラヒラするわけだが、聡太くんはわりと本気でかじりにいって、ちょうちょの羽がひしゃげて少々千切れてしまった。遊び方が荒っぽい。
 壊したら通販で替えのパーツが買えるらしいが、まさかこんなにすぐボロボロにするとは思わなかった。まだしばらく遊べそうだが、本当にボロボロにする日は近いと思う。
 しかしブンブン丸ってなんなんだろう。

表情差分。寝た。


 きのう、いつもの獣医さんに聡太くんのお腹の薬を出してもらいに行ってきた。
 獣医さんには先客がいて、驚くほど大きい雄の秋田犬2頭を連れた、わりと若々しい女の人だったのだが、並ぼうと動物病院に近寄るとすさまじく吠えられてしまった。お姉さんは恐縮して、いったんドアを閉めた。おそらく鍵もかけたのだと思われる。たぶんあの秋田犬なら簡単に開けて出て行ってしまうのだろう。
 車に戻って様子を見ていたら、診察台についているライトをつけていて、いやどうやって秋田犬を診察台にのせるの???? と思ってしまった。たぶん体重は40キロくらいあるのではなかろうか。
 2匹とも由緒正しそうな秋田犬だった。散歩は何キロくらい歩くのだろうか。そして春先に咲く可憐な青い花を思い出すぶら下がりっぷりだった。
 秋田犬とお姉さんが帰って行って、薬を出してもらった。簡単なお腹の薬なので獣医さん価格でもお財布に優しめだ。
 獣医さんはずいぶんと古いレジを使っているのだが、レシート用紙が切れてしまって、発注をかけたものの在庫があるか分からないと言われたらしい。なのでレシートは出なかった。ちなみにふつうの紙に紫で印字のやつだ。
 獣医さんは父氏と高校の同級生なので、そう遠くないうちに閉院してしまうのだろうな、と想像できる。新しいレジを買う気はおそらくないだろう。
 たまちゃんもそれより前に飼っていた犬も、フェレットだと騙されて飼ってまったく懐かなかったミンクも、みんなその獣医さんに診てもらった。
 レシート用紙がないだけでこんなにいろいろ思い出して切なくなれるのがすでに切ない。たまちゃんは本当にしょっちゅう連れて行ったしキャットフードもたくさん買った。
 父氏にレシートの話をしたら笑っていた。父氏もいい加減高齢なので、わたしの収入が必要になるときがいずれ来るだろう。なんとか頑張りたい。

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