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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/7/24

 今朝、読書するために朝こっ早く起きてきた母氏によると、聡太くんは実に健康なUNKOを出していたそうで、それならばとワクチンを打ちにいつもの獣医さんに連れていった。
 連れていくべく洗濯ネットを出したら激しく抵抗され、仕方なくじかでキャリーバッグに入ってもらった。思慮分別が育ったのか断固拒否という顔をしていたが、ふつうの猫1匹と母氏とわたしの人間ふたりである、人間が勝った。
 獣医さんに連行する車中で、聡太くんは絶望の叫びを上げていた。獣医さんに着いたら先客はおらず、すぐワクチンを打つことになった。
 洗濯ネットに入れようとしたら抵抗された、と話すと、「足から入れるんじゃなくて上から被せるんだよー」と言われた。キャリーバッグは上がフタになっていないタイプなので、仕方なくキャリーバッグから出すことになった。
 そうしたらなにをされるか分かっているのか、出るのを断固拒否されてしまった。本日2度目の断固拒否である。獣医さんと二人がかりでキャリーから引きずり出した。獣医さんは「ここの子はみんな出てこないね」と笑っておられた。

でっかわいい。


 そうなのである、たまちゃんもキャリーバッグから出そうとすると激しく中にしがみついて抵抗した。よくふたりがかりで引きずり出したものだ。
 たまちゃんはしょっちゅう獣医さんのお世話になる虚弱猫だったが、獣医さんに行くたび抵抗していた。獣医さんが「ちょっとあんたに用事があるんだけど」と言いながら引きずり出していたのを覚えている。
 たまちゃんの使っていたキャリーバッグは、いかにも平成っぽいプラスチック製で開くところが1箇所のやつだ。聡太くんの布とメッシュ素材製のキャリーバッグと違って中の様子はよくわからない。それでも情けない声で「にゃーん……」とつぶやくように文句を言うのは聞こえていた。
 そしてたまちゃんは賢いので、処置が終わってキャリーバッグが出てくると「それではかえります」と言わんばかりの素早さでキャリーバッグに入るのだった。

 話はきょうの聡太くんのワクチンに戻る。
 聡太くんはブスッと注射された。獣医さんに「はいもういいよ」と言われてキャリーバッグを出したが、たまちゃんのように自分から入ったりはしないのであった。
 てっきり名前のわりにアホなせいか、と思っていたら、獣医さんは「もうちょっと外にいたいんじゃない?」とおっしゃっていた。でも帰るのでキャリーバッグに入ってもらった。
 もしかしたら獣医さんの感覚で、「帰りたくない」とか「キャリーバッグはいやだ」みたいに思っているのが分かるのかもしれない、と、帰りの車のなかで母氏と話した。もしかしたら「わーい獣医さんだ! 獣医さんだいすき!」みたいな犬猫もいるのかもしれない。
 帰り際に、「きょうは大人しくしててね」と言われた。果たして聡太くんにそんなことができるかはなはだ疑問だったが、結局帰ってきたらぐうすか寝ているのだった。

「ちゅうしゃされてきました。がんばりました」


 お腹の調子をよくしようとご飯の量をいつもより減らしていたわけだが、どうやらそれで充分なようだ。しかし学童疎開の味噌汁の具みたいな盛りではかわいそうなので、以前よりは少なく、でもいまよりはちょっと多いくらいでちょうどいいのではないだろうか。
 そして聡太くんが我が家に来ると決まったときに下ろしておいたお金が残数百円になった。さすがに注射一発5000円というのは動物と暮らしていることを痛感させられる。
 どうか来年のいまごろまで獣医さんと無縁の生活であれ……と思う。

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