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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/6/21

 きょうは保険屋さんが家にくる、ということで、朝から母氏は掃除をしていた。
 掃除機が出てきて聡太くんは怖かったのだろう、変に興奮して座っているわたしの手に襲いかかってきた。手を激しく噛み、噛まなくても手をじーっと見ていて、ちょっと面白かった。
 で、保険屋さんが来ているあいだわたしは部屋にいたのだが、玄関から「こんにちはぁ〜」と、動物に話しかけるトーンの挨拶が聞こえて、あとで母氏に聞いたら聡太くんは率先して出迎えに行ったらしい。
 そのあとも保険屋さんのカバンの匂いを嗅ぎにいったり、保険屋さんに「きれいにブラシかけてもらって〜」と言われて母氏が否定したり(聡太くんは断固ブラシを拒否するのだ)と、たいへん可愛がってもらえたそうだ。
 聡太くんは人間が怖くない。そこがいいところなのだと思う。

完全な状態で発掘されたニャンモナイト。


 たまちゃんは人間が怖かった。知らない人がくると隠れたし、隠れるところがなければしょうじをぶち破って物置に逃げ出した。
 たまちゃんは生まれてしばらく野良だったわけで、おそらく人間はなにをしてくるかわからない、という恐怖感があったのだろう。家族にこそ気を許していたが、お客さんに近づくことはほぼなかった。
 例外ももちろんある。ピアノの調律師さんとかわたしの友達で盛大に喧嘩別れしたやつとかだ。特にピアノの調律師さんはとんでもない猫タラシだったようだ。
 聡太くんもピアノの調律師さんが好きだったがあれは子猫時代なので、次に会ったらどんな反応をするのか楽しみだ。

「ほがぁ……」


 聡太くんがかわいいせいでスマホの容量とグーグルフォトの容量がどんどん埋まっていく。なるべく厳選して保存しているのだが、どうしても差分をとっておきたくなる。困る。
 そしてグーグルフォトくんは、開くとたまちゃんの画像や動画を「どや! お前んちの可愛い猫ちゃんやで!」と勧めてくるので、「わあああ〜可愛いよう……たまちゃん……」となってしまう。
 たまちゃんのまん丸なお顔を見るとやはり猫でも性別で顔立ちが変わるんだなあと思う。聡太くんはすっと精悍な顔をしている。中身はとんでもない甘えん坊だが。

「ほがあああ〜!!」


 聡太くんを「ちびちゃん」と呼んでしまう。たぶん本人も不本意だと思う。ぜんぜんちびじゃないし、もっと堂々とした生き物だと自己認識しているのではないだろうか。
 たまちゃんと暮らしていたときはこんなことはなかった。たまちゃんは「おたまねえさん」だったからだ。なぜか聡太くんをちびちゃん呼ばわりしてしまうのは、飼い主が大人になってから我が家にやってきたからだろうか。
 まるで自分の子供みたいに、「ちびちゃん」「おちびさん」と呼んでしまう。わたしは一生、本当の子供を持つことはないだろう。だからその代わりを務めさせてしまっているのかもしれないなあと反省している。
 とにかく可愛いので「ちびちゃん」と呼んでしまう。朝起きて顔を合わせて「ちびちゃんおはよう」と声をかける瞬間が幸せである。きょうも聡太くんがいるんだ、と思うからだ。

「きしゃー!!」


 最近聡太くんに思慮分別のようなものが生まれてきた。人間がなにか食べていても、自分の興味が向かない食べ物だと食べようとしない。
 どうも匂いの強い食べ物が好きなようで、バター味の菓子パンとか魚とかは食べたがるのだが、そうでないものは「ふーん」である。
 人間の食事を邪魔しないようになるまで、あとどれくらいかかるのだろうか。あと、なぜいやな匂いのするコーヒーをわざわざ嗅ぎにくるのだろう。カップの周りで、砂をかき混ぜる要領でテーブルをサカサカされると大変危ないのだが。

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