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きょうの聡太くんとヘドロ飼い主 2024/5/21

 きのう、夕方に歯医者の予定を入れたら、次回親知らずを抜くためにレントゲンだCTだといろいろやられ、麻酔をかけられ、削られ、痛み止めの処方箋を渡された。ギリギリ滑り込んだ薬局を出るときにはもう6時半で、もうとっくに聡太くんの夕飯の時間は過ぎていた。
 なにやら母氏によると、聡太くんはちょっとした物音を聞いては「かえってきた!?」と玄関に飛んでいき、わたしの部屋の前で大絶叫していたらしい。迎えに来てもらったので出がけにかつおぶしを与えてきた、という話だったが、帰ってきたらばっちり玄関に待機していて、「はやくめしをよこせー!!!!」と絶叫していた。
 人間のほうも腹ペコだったが麻酔が切れるまで食べることはできないので、とにかく聡太くんのご飯を用意した。聡太くんはよほどお腹が空いていたのか、聞いたことのない声で「ぎゃおー!!!!」と絶叫していた。人間が恋しかったというよりお腹が空いていたのだろう。
 猫が1日でいちばん楽しみなのはやはりご飯なのではないだろうか、と思う。

 茹でたササミを切り分けたのが少し大きめだったので、レンチンして半分を夕飯、のこり半分をおやつに与えている。
 残り半分は冷えなくて安全な茶たんすにしまっていたのだが、どうやら聡太くんは茶たんすの開け方を理解してしまったらしい。
 きのうはかつおぶしを食べている隙にササミをほぐそうとしたら、かつおぶしを一瞬で食べてしまい、「ねえ、それぼくのだよね?」と茶の間の戸を開けて台所にやってきた。もう子猫のときのように人間の体をよじ登るようなことはしないのだが、ジャンプしてとられる可能性があったので、諦めてそのタイミングでおやつにした。そのあとうっかり「おやつ」と言ってしまって、期待のこもった目でキラキラうるうる見つめられたので、しょうがなくかつおぶしをあげた。
 きょうからどこにササミを隠せばいいのだろうか。茶たんすの上の段に隠そうかと思ったが、聡太くんは伸びると長いので簡単に届きそうだ。ササミを隠す適当な場所が思いつかない。人間と聡太くんの戦いは続くのであった。

「おとのさまです!!」


 きのうは聡太くんも人間を待っていて疲れたらしい。
 聡太くんはいつもより早く父氏の椅子でぐうぐう寝始めた。騒ぎ疲れたのだろう。お疲れ様である。
 歯を磨き終わって、ちょっと茶の間の様子をみてみたら、聡太くんはテーブルの下に隠れていた。どうやらボール遊びをしたい、ということらしいので、その辺にあったボールを、いつもの短縮版ルーティーンのように廊下に向けて何度か投げてやったのだが、全く取りに行こうとしない。
 具合が悪くて隠れているのだろうか、とハカハカしながら何度も投げたがさっぱり行こうとしない。もしや……と、廊下から茶の間にボールを投げたらばっと飛び出してボールを捕まえにかかった。聡太くんがやりたかったのは超短縮版ルーティーンだったのである!
 チョッキンすると食欲が増して運動量が減るのだという。しかしそれにしたって運動量減り過ぎではないのか。わたしが歯医者に行っている間聡太くんがなにをしていたのか分からないが、なにかよほど疲れることでもしたのだろうか。
 人間が疲れると猫も疲れるのだろうか。分からないが歯医者というのはなるべく行きたくない。親知らずのレントゲンをみたら見事に横に生えていて、これどうやって抜くんだろう……と戦々恐々としている。人間も猫も健康が一番である。

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