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きょうの聡太くんとプレイバックたまちゃん 2023/3/22

 WBCを見ながら公募の原稿作業をするという無茶なことをしてみたのだが、わりとなんとかなった。父氏がテレビを観ている横でパソコンを出してカタカタやっていたのだが、ときどき実況や解説が応援になるのに苦笑しながら、それでもきょう書こうと思っていたところまで書いた。
 聡太くんはスヤラァと父氏の膝で寝ている。人間のスポーツに興味はないようだ。父氏がずっといるのが嬉しいらしい。
 父氏は5月くらいに仕事をリタイアするつもりらしく、そこからあとは酒とタバコを減らして年金生活をする気のようだ。そうしたら父氏はずっと家にいることになる。お昼ご飯を用意するのに困るではないか。
 まあ父氏はずっと頑張ってきたので、少しゆっくりするべきなのかもしれない。そうしたら聡太くんはずっと父氏の膝で過ごすのだろうか。完全におじいちゃんと猫だ……。

「れいぞうこのうえ、たのしいなあ」


 聡太くんは夜になると「だるまさんが転んだ」を始める。というか、人間の背中をジトーっと見ている。
 歯磨きしていると茶の間の引き戸を開けていたずらを始めるわけなのだが、それをボールで誘導して茶の間に入れても、すぐ出てきてだるまさんが転んだを始める。それでもいったん部屋で日記なんかを書いたあと、心配して様子を見にくると大人しく寝ていたりする。
 聡太くんと暮らし始めて100パーセント安心して寝たのは何回あるだろうか。夜のうちになにか悪さをするんじゃないか、とか、夜のうちに具合を悪くするんじゃないか、とか、そういうことばかり考えてしまう。
 なんせ人間の食べ物は強奪しチーズの銀紙を飲み込み食品トレイを齧る子である、なににどんなチョッカイをかけて具合を悪くするか分からない。チーズの銀紙をオモチャにできたたまちゃんとは訳が違う食い意地なのである。
 きのうも薬を飲んでいたら包装を盗られそうになって変な声が出た。取り返そうにもアゴ力がエグいので返してくれない。母氏が出動してどうにか奪い返すことができた。お前という子は本当に……。

まんまる。


 玄関のビオラが激しくフラワっている。庭では福寿草なんかがポコポコ咲いている。春だなあと思う。
 春はきれいな季節だ。聡太くんには関係なさそうだが。
 去年のいまごろは母猫のおっぱいをチュパチュパ吸っていたのだろうなあとしみじみ思う。いまも母氏の寝間着のボタンや毛布を吸うらしい。やっぱり猫のお布団潜入というのはそんなにいいものではないようだ。
 きれいな外を見せてやりたいが、家の外は猫にとって危険なもので満ち溢れている。家から出すわけにはいかない。
 きれいな外で、ドールさんやぬいぐるみさんの写真も撮りたいのだが茶の間を出ると聡太くんが鳴いてわたしを探す。そういうわけで去年の5月からずっと聡太くんの写真ばかり撮っている。
 昨日わたしは体調がよくなくて、部屋で休んでいたのだが、そうしたらすごい声でニャーニャー鳴くのが聞こえて、仕方なく茶の間に戻った。愛が重い。
 きっと聡太くんのなかでは、わたしは「ずっと家にいるヒト」という認識なのだと思う。喜ぶことなのかちょっと分からないが、わたしが1人で出かけたりしてもわたしのことを探しているらしい。いるのが当たり前の人がいないからだろう。愛が重い。
 ふだんわたしの膝に乗ってくることはない。それでもいちばん愛されているのだと思うと、猫の奴隷冥利に尽きる。

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