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きょうの聡太くん 2024/5/23

 かわいいものは変な名前で呼びたくなる。アイドルにあだ名がつくのと同じ現象なのだと思う。
 なので聡太くんは「しっぽくん」「そーたん」「そたた」「そたたん」「ちびたん」などいろいろな呼ばれ方をする。そうやって変な呼ばれ方をされても「はーい!」とリアクションする。眠くてもしっぽをぱたぱたするくらいはする。そういうところがたいそうかわいい。
 さすがに大の男に「ちびたん」は可哀想な気もするのだが、本人もまんざらでないのでつい「ちーびたん!」と呼んでしまう。「ちびたん」と呼ばれても、「いまぼくのことよびました?」とリアクションするのだから本人は不快には思っていないのだろう。
 というか猫というのは人間の言葉がどれくらい分かるのだろうか。多頭飼いしているとほかの猫の名前を把握する、とは聞いたことがあるが、ひとりで人間の家にいる場合、人間の関係などを理解しているのだろうか。
 そこはどうだか分からないが、聡太くんは変な呼ばれ方をしてもうれしそうだ。ただし「たん」と呼んでも反応しない。短すぎて分からないのだろうか。将棋の豊島先生は「きゅん」と呼ばれているというのに。

 きのう聡太くんは冷蔵庫に登ってみせた。すごい! と思ったが冷蔵庫の上に置かれた、もう何年も使っていないホットプレートの箱に父氏が灰皿を隠しているので、灰皿にチョッカイを出さないか心配してしまった。
 タバコは猫の寿命を縮めるという。しかし父氏は堂々とタバコを吸う。昔の人だなあと思う。しかも父氏は高1だか中3だかの歳からタバコを吸っている堂々たるニコチン中毒だ。年金生活者になってもやめるつもりはないらしい。
 それだけならいいのだが聡太くんは朝方、父氏の顔をなめに行くらしい。顔の皮にニコチンがしみていないか心配だ。ニコチンは猛毒である。
 父氏のタバコはともかく、猫は高いところに登るのが好きだ。なるべく安全に高いところで遊んでいただきたいので、冷蔵庫はちょっとやめてほしい、と思う。

「となりのらーめんこうじょうからすーぷのにおい!」


 きのうちょっと茶の間を離れて、それから戻ってきたら聡太くんは母氏が胸の上で組んだ腕の上に無理やり乗っかって寝ていた。母氏は重たいとずっと言っていた。
 どうやら母氏にくっつくときは腕の上がいいらしい。寝るときも脇の下に入るらしい。お布団潜入はたいそうお利口にやるそうだが、どうも「じぶんはまだちいさい」と思っているような気がしてならない。
 聡太くんは我が家に来てすぐのころ、母氏の化粧ポーチの上に乗っかることができた。そりゃ子猫なのだから当然と言えば当然だ。
 しかしいまはもう4キロにちょっと足りないくらいの体重の大人猫になったのだ。化粧ポーチの3倍くらいの大きさがあると思う。その違いっを見て自分の体格の変化に気づいたりしないものなのだろうか。
 ぜんぜん「ちびたん」でないのだ。ちょっとした猛獣なのだ。もう人間の腕にひっつくには大きすぎるのである。
 飼い猫は一生赤ちゃんの心だという説があるが、まさにそれなのだと思う。だから人間もかわいいと思うのかもしれない。しかしでっかい。もうちょっと大きさに自覚を持ってほしい。

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