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きょうの聡太くん 2024/6/29

 さっき宗教のおばさん二人組がきた。以前の聡太くんなら玄関に飛んでいって「シャー!!!!」と怒ったと思うのだが、聡太くんはもう思慮分別があるのでむやみに玄関に行かないのであった。
 ユニクロのドラえもん柄Tシャツにチェックのズボンというわたしのいでたちを見た宗教のおばさんは「休んでいらっしゃったところごめんなさいね」と言っていたわけだが、休んでいないと否定したら「忙しかったかしら」と言い出し、どこまでも好感度を上げようと頑張っていた。まあパンフレットを取り出したところでお引き取り願ったのだが。

 聡太くんは最近奥の物置で休んでいるところが増えた。一人でいるのが楽しいのかもしれない。そういうところは非常に猫らしい。
 しかし一方で聡太くんはリアルガチの甘えん坊でもある。きょうはずっと奥にいるのかなと思っていても、気がつけば夕方には茶の間にやってきてお膝を要求するのだ。
 猫の体内時計の正確なことには毎度驚かされる。定時になれば物置を出て、人間の膝にドッコイショと座って、しばらくウトウトしたり体をナメナメしたりするのだ。かわいい。
 聡太くんはとにかく抱っこが好きである。人間の尻が痺れようが腰が痛かろうがお構いなしだ。爪も刺さると痛い。それでも抱っこしろと人間に甘えてくる。ツンデレというやつなのだろうか。デレが大きすぎるぞ。

 きのうの夕飯に人間は肉野菜炒めを食べたのだが、人間が食事をしている間なにやら\ゴト/と音がして、台所に行くと聡太くんは流しに裏返して置いたフライパンに顔を突っ込もうと四苦八苦していた。炒めたなかにはタマネギも入っていたので「だめ!」と言って抱き上げて、フライパンのまわりにボウルやザルを置いて妨害した。それでもアタックするので聡太くんのあんよがビチョビチョになってしまった。
 久しぶりに聡太くんが人間の食べ物に執着するところを見た。やめなさい。

「ものおきはかいてきですよ……」


 きのうからなんだか急に暑くなった。暑くなったのでヤブカラシは育ち、ゴキブリが出るようになった。
 昨晩聡太くんがなにやら「てちてち……てちてち……」と爪を床にぶつけていたので、なにごとだろうと見てみたらゴキブリと戦っていた。しかも口に入れようとしていたので「だめ! やめて!」とすごくでっかい声を出してしまった。慌てて聡太くんを抱き上げ、母氏がゴキブリをティッシュで捕まえて捨てた。
 やれやれ……と思ったらまた「てちてち……てちてち……」と音がして、また新手のゴキブリと戦って、あわよくば食べようとしていたのでまた叫んでしまった。
 なんで聡太くんはゴキブリと戦おうとするのか。そしてなぜ食べようとするのか。寝るとき、「明日の朝ゴキブリの頭吐いたりしないよな……?」と心配していたら、脚のもげたゴキブリの死骸が落ちていたらしい。やめなさいよ。
 たぶんゴキブリをやっつける薬は聡太くんにも害があるだろうし、コツコツとホイホイを仕掛けるしかなさそうだ。お前という子は本当に……。

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