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ヘドロの創作

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フィクションの創作です。
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2024年8月の記事一覧

ヘドロの創作 2024/8/25

ヘドロの創作 2024/8/25

 【猫の喫茶店】

 きょうも「喫茶 灰猫」のマスターはいつも通り店を開けた。一歩店の外に出ると容赦ない日差しがじりじりと照り付けて、マスターはあわてて「喫茶 灰猫」の建物に逃げ込む。
 こんな天気じゃろくにお客さんがこないことを想定したほうがいい。来たならアイスコーヒーが売れるだろう。冷凍庫に、凍らせたコーヒー(これならアイスコーヒーに入れたあと、溶けてしまってもコーヒーが薄まらない)が入ってい

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ヘドロの創作 2024/8/18

ヘドロの創作 2024/8/18

 【猫の喫茶店】

 喫茶「灰猫」は、大きなビルのふもとにある。大きなビルには出版社が入っていて、出版社は毎日たくさんの本を作っており、コーヒーを飲んで一休みしよう、とか、お昼においしいパンケーキを食べよう、といった出版社で働く猫たちや、出版社で編集者と話し合ってきた作家猫たちがぞろぞろと「灰猫」にやってくる。
 喫茶「灰猫」は大きな出版社のビルができるずっと前からそこにあって、いまではビルのせい

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ヘドロの創作 2024/8/11

ヘドロの創作 2024/8/11

 (承前)
 勇者キジ太郎一行は、猫の王の城にいた。何回も何回も取り次いでもらってどうにか王の謁見が叶った。そこで、魔族は知識がほしいのだ、と説明する。

「合同で大学を建てたらよいのではないだろうか。いま、余は貴族でなくても入れる大学の創設を考えていて、それを知恵を求める魔族――違う民族とともに設立できるなら、心強い」

 王は魔族のことを、「違う民族」と呼んだ。
 もう魔族は、敵でないのだ。

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ヘドロの創作 2024/8/4

ヘドロの創作 2024/8/4

 (承前)
 猫に近い姿をした魔族は、キジ太郎一行をなにやら薄暗い森のなかに案内した。魔族は、チャチビと同じく、しっぽの先だけが蛇のような形をしていて、どうやらこの形質を持った魔族はエリート魔族であるようだった。
 ミケ子がしきりにキョロキョロして怯えている。キジ太郎は「大丈夫だよ」と言って手を握ろうとしたが、鋭い爪で反撃されてしまった。
 さきほどからミケ子は鼻筋にシワをよせて、ずっと「フゥー…

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