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いのさん2020カレンダーロケ地巡りin石川 レポ②

DAY2/レポというか日記というか/2泊3日石川旅行/金沢+加賀+美術館+好きなものを食べる/写真のセンスはあまりない/声の大きなひとりごと

【DAY1はこちら】




 まどろみの中で朝を迎える。夜に訪れた現代アートのイメージが頭に残っていたのか、一晩中レム睡眠みたいな浅瀬の眠りで目覚める。旅行先でも眠れる方なのに、アートの影響力、おそるべし(本当にアートのせいなのかはわからない)。
 でも起きます、なぜならモーニングに並ばなければいけないから!!!!


 猪野広樹さん2020カレンダーロケ地巡り、2日目。
 一番ロケ地巡りっぽいことをします……!
 そんな本日のスタートは、金沢のビストロパン屋さん、ひらみぱんさんです!

1 赤ペンギンの氷づけ

 思ったより眠れなかったなあ。ふわふわしながら起き出し、予定より若干遅れながらホテルを飛び出す。
 時刻は朝の7時半。仕事ならもう電車に乗っている時間だけれど、休日の7時半は、爆睡魔のわたしにとって十分早朝。
 なぜ休日の旅行先で“早起き”をしたのかというと、開店より前に並んだ方がよい、という情報を仕入れていたから。

 地図を手にたどり着くと、お店の前には既に行列が……!

ドアにはフランス語の営業案内



 開店20分前、列に加わります。完全入れ替え制だったため、そこから1時間ほど待ちました。

 待つのはそんなに苦じゃないと思ってたけど、秋の日陰をなめてはいけない、さっむかった……!!

 北陸の寒さが分からなかったので冬物のコートを着てきていたのですが、大正解でした。。。

 今回、一人旅で一番大変だなあと思ったのがここです。
 とてもとても寒いんだけれど、喋って気を紛らすことができない……!!笑

 いや、決して気紛らわしのために誰かといるわけではないんですよ。でもね、これは耐えがたい!!
 動こうにも、一人であんまりぴょんぴょんぎこぎこ動いてたら怪しいかなと思い、最小限の動き(足踏みとか)だけで堪えていました。もしここに友達がいたら、ぎゃあぎゃあ言いながらくっついたり腕を叩いたり走り回ったりしているところ。目の前の人もお一人で並ばれていて、よっぽど話しかけそうになってしまった……(人見知りのくせにこういう時話しかけがち)


 そういえば、と思い出す。動きがペンギンみたい、と言われたことがあった。
 学生時代のこと。体育館で行われる始業式とかそんな感じの式、表彰で呼ばれて壇上に上がったことがあった。賞状を受け取り、ぱちぱちと拍手をいただいて、ちょっと急で、すかすかな、取り付け式の階段を降りる。
 式終了後、友人から一言。
「ペンギンみたいだったよ」
 ペンギン? と首を傾げる。
 要するに、緊張と寒さで、両手をぴーんと斜め下に出し、堂々とではなくぎこちなく足を踏み出す様が、かの南極の動物のようだったのだという。
 うわーなんだそれ恥ずかしい! と思いながらも、ま、いっかペンギン好きだしな、とちょっと喜んだ。

 そして今日。極寒の状況で、尾羽よろしく赤いロングコートに身を包み、腕を体の横につけるなんていうかしこまった姿勢でいられるわけでもなく、ぺたぺたと最小限の足踏みをしていたわたし、きっとあの日の姿に似ているんだろうな、と思いました。

 さて、そろそろおまちかね、入店の時間です!
 名前が呼ばれ、店員さんが席を教えてくれる。
 その笑顔が、どれだけあったかく思えたことか……!(色んな意味で)


 花柄の壁紙、本の並んだ棚に、木目の温かな椅子とテーブル。机上にやさしく生けられたお花。
 確かにこの場所だ、ロケ地だと、ドキドキで胸がいっぱいになります……!
 座席は嬉しいことに窓際。オリーブ色のビンが陽とカーテンにすかされてきれい。(その外には、さっきまで一員だった行列が見えているんですけども……)
 店内を見渡しつつ、「あっ撮影はあの席だ……!!」など興奮さめやらずでしたが、とりあえずは凍えた体をおさめるため着席。


 あまりにも寒すぎたのでカブのスープを注文。あと、キッシュが好きなのでそのモーニングを頼みました。
 みんな凍えて来るのがわかっているのでしょう、席には1人1枚、毛布が置かれていました。
 2人席に案内された欲張りなわたしは、1枚を膝に、もう1枚を抱きしめるようにして暖をとりました。


 ゴロゴロ野菜のキッシュ。シャキシャキのサラダに、濃厚なカブのスープ。カブの味はよく知らなかったけれど、クセがなく優しい根菜類の味がしました。
 温かい紅茶の下、カップを持ち上げてみると、金箔の四つ葉のクローバーがありました。うれしいおもてなし……持って帰っている人を見て、わたしもそっとお財布の中に忍ばせてみます。

はらり


 店を出たのは一番最後。ただ単に食べるのが遅かっただけなのですが、レジ待ちの列もできていたため、並びながら少しだけ店内を撮らせていただきました。
(迷惑のかからなそうなタイミングを見計らったつもりですが、チェキを使うとフラッシュが焚かれてしまうのでそこが申し訳ない……)


2 予定外の寄り道

 お腹を満たし、次の目的地へ……の前に、地元のショッピングセンターへ走ることにします。
 理由は簡単、チェキの枚数が圧倒的に足りないなと気づいたからです!!!!

 旅のミッション。ロケ地で一枚ずつ、チェキを撮ってくる。1箇所1枚、と決めていたはずですが、それで済むわけなかった。1日目で2枚、ひらみぱんでは4枚を使用し、残りは4枚。残るロケ地は5箇所。無理です。
 昨日の夜、荷物を整理しながらそれに気づき、チェキのフィルムを入手したいと頭を悩ませます。結果、なんとか電気屋さんに行くスケジュールを組むことに!!


 ごはんは食べましたがまだ体は冷えていたので、あっためる意味合いも兼ねてちょう早歩きです。でも街並みを見るのも忘れない。空気も澄んでいていいなあ〜〜サッサッサ……古き良きだ〜〜〜たったった………

 グーグルマップに頼り切って歩くこと20分、なんとかショッピングセンターの電気屋さんに到着し、無事にフィルムを追加購入! 電気屋さんの中には置いてないところもあるので、見つかってありがたかった〜〜〜〜;;
(ちなみにショッピングセンター、ど地元にもあり全国区ではないはずのチェーン店だったので、まさか金沢に来てまでここに行くことになろうとは……という感じでした( ˘ω˘ ) )


 そこから次の目的地までは徒歩30分程度だったので歩くつもりでしたが、朝から走ってばかりで、一方凍えながら立ちっぱなしだった1時間もあり、体力が心配に。今日は大移動もするし、もともと体力はある方ではない。
 でもなあ、事前に調べた時は、歩いてもバスに乗ってもそう時間は変わらなかったような……と一応バスルートを検索する。すると、なんと早めに着けるルートを発見!! とりあえずバス停にダッシュすることにしました。結局走ります。

 そしてバスへのランニング道中、思いがけない地域を覗くことができました。
 金沢に3つある茶屋街の1つ、にし茶屋街です。

 ほんとに数秒立ち止まって写真を撮ることしかできなかったんですが、影と青と建物のコントラストが美しい街だった……!!

水打ちの跡に青空が反射している


 そうして無事、金沢での初バスに乗り、次の目的地付近へ到着。
 ターゲットは、カレンダーの表紙ショットも飾っていた、玉泉園さんです!


3 葉のキラキラ

 バスを降りて、迷子になりながら探す。兼六園から遠ざかる方向へ。
 うららかな日曜の午前中なんて行楽日和すぎて混んでいるだろうか、と心配になりつつも、入園料を払って体を滑り込ませると、お客さんはわたしひとり。
 正確には、奥の茶室内に1組いらっしゃったのだけど、庭園部分には誰もいませんでした。


紅葉とお魚
燃えるように輝く碧


 とにかく緑がきれい。お日様をたっぷり浴びて、その光をやさしく受け止めたうえで地上に渡してくれる。ところどころ紅葉も始まっていて、差し色のように輝く秋の色がまたよかったです……!

 計算されていないような自然さ、でもきっとお庭だから全部計算されている。取り繕ってなんかいないよ、という懐の深さと、いたずらっぽく、その「良さ」を自覚して枝葉を広げているような。バランスが素敵でした。

 庭園内を上っていき、茶室のある頂上に到着。
 うおーーーーここだ……!! となりながらも、写真を撮っていたポジションを探します。
 おそらく茶室側からのカットだと思われたので、中でお茶体験をしているひとたちの傍ら、あっちでもない、こっちでもない、いやこの角度か、と周囲をうろちょろすることになってしまったのが申し訳なかったです……できるだけ静かに移動していたつもりだけど、集中できたかな……


 カレンダーの表紙カットを撮っていた緑のきれいなところは、候補がありすぎて絞れませんでした。でも、それを探し回る間もずっとこのお庭の中にいられて気持ちはのびのびハッピー。どこもキラキラしてるんだもん……
 撮影時期は、わたしの行った時期より少し前ぐらいだったのではと推察しているのですが、きっとどんな時期でも違った素敵な表情を見せてくれるお庭なのだろうな、と思いました。次は冬にも来てみたいなあ!

 ここでも何枚かシャッターを切り、早速、朝入手したばかりの2つ目のフィルムへ。お庭の眩しさを堪能した後、次の目的地へ向かうためバス停を探します。


4 温泉郷

 次に向かうは、加賀温泉郷。

 あまり考えていなかったのですが、金沢も加賀も大きな観光地、距離もそれなりに離れています。たぶん1回の旅行で同時に行こうとする人は少ないと思われる……笑
 でも今回のわたしの目的は、あくまでロケ地巡り。時間的に許されて、できるだけ他の人に迷惑はかからないように。それらが守れたら、遠さなんて気にしません!!

 調べると、兼六園のそばから、温泉地直行の高速バスが出ているとのこと。ただし1日2往復分しかないため、バス停を間違えたり、乗り遅れたりするわけにはいきません。
 なんとかバス停を見つけると、色んな行き先に向かう人たちが、それぞれに首を傾げながら時刻表を見上げていました。

 わかるよ、不安になるよね……同じ名前のバス停が複数あるなんて、京都でしか体験したことないもん……

 直接話すことはしないけれど、みんなで何となく視線を投げ合ったりして、不安と気遣いの一体感。
 わたしの目的のバスは、その方々がほとんど乗っていかれてから現れました。よかった、合ってた……! みんなも無事正しいバスに乗れていますように。
 ということで、元気よくバスに乗車です!


 こんな便利な線、いっぱい乗ってくるかな座れるかな、という杞憂も束の間、金沢駅を出ても乗客はわたし含め2名。綺麗な高速バス内でゆったり過ごせました……
 採算が取れているのか若干不安になりました。日曜の昼に金沢から加賀温泉へ行く人はほとんどいない、ということがわかりました。

おこめ
うみ
かわ


 そしてバスに揺られること、1時間強。

 到着、山中温泉!!

 ここでの目的地は、実は今回一番楽しみにしていたロケ地、あやとりはしです!


5 あやとりはし

 2020カレンダーの中で、お洋服と指輪とロケーションと全体の色のバランスとその表情が好き、という「とにかく好き」をつめ込んでいたのが、あやとりはしでのショットでした。ここに行きたくて今回の旅を企画した、と言ってもいい。

 ロケ地が金沢にあると知り「金沢か〜〜行きたいな〜〜」という漠然とした希望を持っていた時は、このあやとりはしが金沢ではなく加賀だということ、全く知りませんでした……笑

 それでも、不可能な行程ではありません。
 金沢から鈍行で1時間、更にバスで数十分の距離。
 十分行けるじゃん! 行こう!! と、ここに行くのを中心に計画を立てていました。


 ウワーーーー本物だーーーーー!!

 上品さもあどけない遊び心もあって、写真そのままの光景。めちゃくちゃ感動しました……!!
 なだらかに弧を描いてくだる橋、緑や紅葉の中でも浮かないくすんだ紅色、青い空に交差する支柱、全てが完璧でした。
 階段を下りるように橋を渡る感覚は、なんだか心地よささえ感じられます。
 橋の中ほどからは、谷の中を流れる川に瑞々しい木々たち、赤い傘と絨毯を広げる川床を見ることができました。



 そして今回の旅、自分のことは撮らないと考えていましたが、昨日撮ってもらえたのが存外嬉しかったので、調子に乗り始めます。

 グーグルマップで調べていた時「混んでいます」と表示されていたためそのつもりはなかったのですが、行ってみたらさほど混んでいない。

 カレンダーのショットを真似したポーズで撮ってみたいな〜〜と(おたくはそういうの大好き)、これまた漠然と考えていたことを、実行しようと決めます!!

「写真、撮ってもらってもいいですか?」

 自分から声をかける。困っている人に話しかけるならまだしも、困っているのは自分の方である。
 絶対にできないと思っていましたが、考えてみれば、友達と旅行に行った時、撮ってほしくて声をかけるのとなんら変わりはないのでした。
 声をかけた方は、食い気味に承諾してくださいました。とってもありがたかったです……!

 カレンダーのショットを思い浮かべて、顔は恥ずかしいのでそらしてぱしゃり。お顔こっち向いてないけどいいんですか? と聞かれましたがオーケーです!!!! 素敵に撮っていただきました……

髪けっこう短いんだな今……と後ろ姿を見て知る


 気を遣ってくださったのか本当に必要であったのかは不明ですが、わたしも撮ってくれますかと、その方からも申し出が。お連れさんがいたようだけれど、僭越ながらカメラマン、務めさせていただきました。楽しそうにポーズをとってくれて、わたしまでハッピーになりました……!!


6 コロッケの口

 無事楽しみの地を堪能したあとは、もう1つの観光地らしいこおろぎ橋まで軽くハイキング(軽くって言ったけどそこそこがっつりだったかな、、、)。そろそろ腹ごしらえといきます。じつはお昼、食べていなかったんです。
 こういう時、ついごはんを抜いてしまいがちなのですが、倒れたりいざという時の体力がなかったりと、健康のためにごはんを抜いてはいけない、と学んでいました。
 そのため、簡単に食べ歩き(歩かないけど)をするつもりでした。

 ところが下調べしていたお店たちは空振り。とんでもない待ち時間だったり閉まっていたりで、目標としていたコロッケとお団子が胃に入れられません。
 けれど口は既にコロッケの口。近くにコンビニがあるのは見えていたので、いっそコンビニで買ってしまうか……? と思いつつも諦めきれないでいたところ、中心地から少し離れたところに、地元のお肉屋さんと思しきお店を発見。
 看板には「コロッケ」の文字が……!!

寿々喜精肉店さん


 こんなことがあるものかと思いながらも、飛び込みます。すみません、コロッケってありますか? ちょっとお待ちいただければ、今から揚げますよ。 やったあ! じゃあお願いします!!

 実はその前にコロッケ屋さんは2軒覗いており、どちらも今から揚げるので時間がかかりますと言っていたのですが、先客がいたりで時間が読めず。まだ目的地があったため、やはりバスに遅れるわけにはいきません。
 ですがこのお店は他に待っている人がおらず、ちゃっと揚げますよみたいなテンションだったのと親切そうな店主さんにつられて、お願いしました。

 わたしがそわそわと揚げあがりを待っている間に家族連れの人たちが入ってきて、まだ食べてもいないのに「ここのコロッケはいいぞ……!!」と内心猛プッシュしたい気持ちでいっぱいでした。人の良さに簡単につられます。

 こちらのお店のコロッケは、すき焼きコロッケ。じゃがいもがゴロゴロホクホクとしたコロッケなのですが、糸こんにゃくをはじめとしたすき焼きのメンバーもところどころに入っている。ただし基本的にはじゃがいもがメインのコロッケで、これぞ求めていた姿……! とてもおいしかったです!


この外装にもうときめく

 コロッケにこだわってよかった、むしろこの珍しくおいしいコロッケと出会うことができてよかったと、大満足でした。

 さあ、お腹も満たされたところで、もう1つの目的地、別の温泉地を目指します。
 山代温泉です!

7 ステンドグラスの温泉

 山代温泉。あれ、さっきの温泉地とおんなじ名前じゃない? って思った人いません? どうかいてほしい。わたしはそうでした。

 最初、あやとり橋も次の目的地も同じ温泉地にあると思っていて、なあんだついでに行けるじゃん! と考えていました。甘かった。ロケというのはそういうものではないようです。
 山「中」と山「代」。目的の温泉地が別だと気づいたのは、旅行の数日前。慌てて旅程を組み直しました。

 今度は地元の路線バスに乗り、15分ほど。
 渓谷の中にあった山中温泉とは違って、こちらは街の中にぽんと現れるような形でした。
 バス停を離れ、いったいどんなところにあるんだろうと思いつつ迷っていると、ありました古総湯!


 ほんとに突然いました……

 そびえ立つ旅館の前、なんだかお堀のように、ぐるりと白い石の道路に囲まれた場所に、ぽんと一軒座っている建物。

 こちらはかつての共同温泉を復元したところだそうで、洗い場はなく、浸かるだけのお風呂です。
 浴槽の壁にある原色のステンドグラスが美しく、ロケ地はそこでした。浴槽と同じ場所なので、旅人の自分では写真が撮れないのはわかっていましたが、せっかく温泉地に来たなら入りたい。2階の休憩所にもステンドグラスがあると聞いていたので、入館することにします。

券売機でチケットを買い、窓口で番台さんに渡す


 温泉や銭湯といえば旅館かスパ銭のイメージしかなかったわたし、このこじんまりとした建物の中に本当にお風呂があるのか……? と疑っていましたが、ありました。
 入館料を払いのれんをくぐり、ドアを開けるとすぐ、お風呂でした。

 脱衣所は簡単な仕切りがあるだけで、浴槽と同じ空間。その場で脱いで荷物とともに棚に入れ、かけ湯をして入るスタイルです。
 はじめて見た形でしたが、この手軽さ、ありかも……!!

 陽も傾いてきた夕方、お客さんは温泉めぐりをしていると思しき方が、ちら、ほらとまばら。

 温度もほどよく、肩まで浸かってみたり、熱く感じてきたら足湯みたいに入ったり。天井が高く、ステンドグラスから入ってくる光は明るくて、何よりまだ早い夕方の時間に温泉に浸かっているという贅沢。

 ただ、お風呂は好きですが長湯できないわたし、あたたまりひとしきり満喫すると、ソワソワと退出。ここで湯あたりでも起こして動けなくなったら、家(金沢の宿泊地)に帰れなくなってしまう。
 お風呂って、どれぐらい入ってても大丈夫なのかがいつもわからない。体内タイマーでもついてたらいいんだけどなあ。

 2階でお水が飲めますよ、と番台さんに教えていただき(番台さん、お風呂の入り方から全部教えてくれる)、件の休憩所へ。
 綺麗な淡い木目の階段を登ると、赤と青のコントラストが美しい休憩所がありました!



 くすみはじめた水色の中、柔らかな秋の日差しで、濃く映し出されるステンドグラスの光たるや。
 窓の外を見ると、軒から提灯が下がっており、お祭りのやぐらみたい。柳が静かに揺れる、夕暮れの街並みが広がっていました。ゆるやかにほどよい冷たさの風が入ってきて、ものすごくリラックスできました。


8 夜のロケ地

 さて、休憩中でお水を飲みながら、この後の旅程を確認します。

 何せここは加賀温泉郷、金沢から鈍行で1時間離れており、電車は1時間に1本しかありません。山代温泉から加賀温泉駅に向かうバスのタイミングも考えると、無計画には帰れないのです。

 実は山中温泉から山代温泉へ向かうバスの中、食べ損ねたお団子をどうにか食べられないものかと調べていたところ、山代温泉にもお団子があることが判明していました。
 最初はそちらで休憩がてら、のんびり帰ろうと思っていたのですが、それをせず今すぐバス停に行けば、1時間早い便で金沢に帰れる。

 こういうところが便利な一人旅、とにもかくにもとりあえず宿泊地へ帰ろう!! と決め、けれどお腹が空いて倒れてはいけないので、目の前の和菓子屋さんで温泉まんじゅうを購入、もぐもぐしながらバス停で待ちました。ちゃっかり温泉の醍醐味も満喫。
 湯上がりのあんこって、なぜあんなに染みるんでしょう……

 バス停で、地元のおばあちゃんにこんにちはと挨拶されました。同じ銭湯で毎日顔を合わせてますよね、みたいな距離感。
 このバス、ぴったり2分遅れるのよね。そうなんですか。あ、ほらきた。本当だ、2分ぴったり!

 そうやって加賀温泉駅に到着。大好きな加賀ほうじ茶をさっと買い、金沢へと帰りました。

 そして実はまだあります、ロケ地。

 そう、夜の金沢駅です!!

 この日は暗くなってから金沢に帰ることがわかっていたので、夜の金沢駅はこのタイミングで撮ろうと決めていました。
 ライトアップされた鼓門、近未来的に光る階段(1日目に発見)、をパシャリ。階段は、どう撮ったらしっくりくるかと、両脇にあった上下エスカレーターを2周ぐらいしました。



 コメント撮りをしていたと思しき場所もささっとスマホのカメラに収め(そんなところ撮ってどうするんだというのはある)、これにて2日目のロケ地巡りは終了。

 そろそろ、ぺこぺこの胃が悲鳴をあげています。夜ごはんの時間です!!

9 「なぜこのお店にしたかっていうと」

 食にあまり関心がなく海鮮が食べられないけれど健康のため食べ損ねだけは避けると決めていたわたし、今回の旅のごはんは、気になるお店とその休業日だけリストアップし、いつどれを食べに行くかはあいまいに予定していました。
 ですがこの時の決意は一択、とにかくお腹がすいた!!!! がっつりしたものを食べたい!!!!

 そこで選ばれたのが、金沢カレーでした。

 黒くどろっとしたルー、キャベツの千切りとカツが乗り、ステンレスのお皿に先割れスプーンで食べる。お店によって多少のスタイルの違いはあれど、これが金沢カレーだそうです。
 ぺこぺこになりすぎて若干ふらつきながらも入店。そういえば旅行に来てからあまり卵を食べていないなと思い、ベーシックな金沢カレーのごはんを少なめにし、オムレツ載せで決定!



 運んできていただいたカレーは、大きなカツが乗り下にはふわふわの卵のベッド。これこれ、これが食べたかった……!!
 結論からいいます。おいしかった。めちゃくちゃ。パン粉がさっくさくのカツ。とろとろの卵に、味が濃縮されたカレー。おいしいお米!!
 これ書いてる今(フルタイム勤務終了後の退勤電車内)ももう食べたいもん。最後の方は少しボリュームに苦しみましたが、絶対食べ切る!! の決意で完食。あまりにもおいしかったので、なぞに食べ終えた空っぽのお皿を撮ったりしました。
(人が食べた後のお皿載せるのもね……? と思い、ここにあげるのは控えています。笑)


 途中、隣に来たお客さんの1人が、「何で数ある金沢カレーの中でこのお店にしたかっていうとね、BGMがいいんだよ」と言い、曲を口ずさんでいました。
 サザンやスピッツなど、ちょっと懐かしい曲たちばかりが流れていました。ほっとするようなその選曲たちに、お連れの人に代わって、なるほどね、と心の中で呟きながら、音楽とカレーを楽しみました。


 そしてホテルへ帰還、ぼやーと足のマッサージをし、お風呂に浸かり、明日の予定を確認して就寝。テレビ、結局1回もつけなかったな……

 さすがに疲れて、この日は爆睡でした。あ、でも、ファンタジー小説みたいな夢は見たかも……(なんでだ……)
 最近、瞑想をしながら寝落ちるのが定番なのですが、この日もそうやって、いつのまにか夢の中に落ちていました。(前日はストレッチをしても瞑想をしても最後の手段焚き火の音を聞いても寝れなかった)


 続くは最終日。この日も走ります、みっかめです!!


失敗もいくつか、それがまたいい

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