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いのさん2020カレンダーロケ地巡りin石川 レポ③
DAY3/レポというか日記というか/2泊3日石川旅行/金沢+加賀+美術館+好きなものを食べる/写真のセンスはあまりない/声の大きなひとりごと
【DAY1はこちら】
【DAY2はこちら】
投稿までに、とても間があいてしまったのですが……(小さくなる声)(声の大きなひとりごとなんじゃなかったのか)
そのへんの話はひとまず置いておいて。
最終日レポ、はじめていきたいと思います!!!!!!
0 いきごみ
さて、この旅もとうとう3日目。
最終日ですが、この日も眠い体を起こして早朝から動きます。
今日の目的はモーニングではなく、写真を撮りに行くこと!
走ったり凍えたり早歩きしたり食べたり一人テンションを上げまくっていたり、行く前にはこんなにドタバタする旅になるとは思わなかった。笑
同時に、こんなにも自分が「静か」でいられるのかと、気づくきっかけになる旅でもありました。
思いのほか、ぎゅっとつめこまれていた3日間。
はじめての一人旅、やってみなければわからなかったことが、たくさんありました。行ってみてよかったなあと、心から思います。
そんな話も交えながら、この旅日記をしめくくりたいと思います。
さあ、いのさんカレンダー2020ロケ地巡り、最終日です!
1 茶屋街マジック
早朝から起き出した理由。その目的地は、ひがし茶屋街でした。
被災がない土地と言われている石川県、古い街並みを多く残す都金沢の中で、ひがし茶屋街は特にその趣を残しているように思います。
両側に格子のついた家々が並ぶメインストリートは、写真などで一番有名とのこと。カレンダーのショットも、その通りで撮っているようでした。
これはぜひ行きたい……!!
そして、そのメインストリートを写すには、人のいない早朝がベストとのこと。
早朝ってどれくらい? 少なくとも日は出てないと写真も撮れないしね……
とりあえず、7時台をめどに準備することに。
2日間お借りしたリファのアイロンも、これでお別れです……存分に良さを理解することはできていなかったと思うけど、使いやすいのは間違いなかったよ……
そして繰り出します、早朝の古都へ!
近江町市場、泉鏡花記念館のそばを通りながら歩き。
到着しました、ひがし茶屋街!!
ほんとに人がいない……
わたしの他にいたのは、もうお一人だけでした。写真を撮りながら歩かれていたので、同じ目的だったのかもしれません。
ですがその人もすぐに見失ってしまい、メインストリートはまさに誰もいない空間に。
![](https://assets.st-note.com/img/1668137805291-9pNfQlGwF4.jpg?width=800)
左手の建物は朝日に照らされ、右手の建物はまだ眠気を抱えるように影の中にいる。
人がいない、まっさらな通りを見ることができたのもそうですが、この時間の幻想的な光景を見られたことでも、早朝に来たかいがあるように思えました。
確か住宅街でもあるとのことだった(実際、ゴミ捨てに行かれる方を何人かお見かけしました)ので、写真を撮るときはあまりうるさくならないように……と無音のカメラを使ったりしていたのですが、どうしてもチェキのフィルムを繰り出す音や、スマホのデフォルトのカメラのシャッター音は小さくできません。
すみません、あんまりバシャバシャ撮らないようにしますので……! と、音がお家の中まで響いていないことを祈りつつ、くるくると散策。
![](https://assets.st-note.com/img/1668137847308-WMTWXCY2Qk.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1668137847746-kYGdYrNyKf.jpg?width=800)
忘れてはいけません、今回の目的はロケ地巡り。
ここ、ひがし茶屋街が最終地点です。
茶屋街エリアで、4か所、スポットがあるはずでした。
1つはメインストリート。これはクリアです。
2つ目に、格子の壁とそこにつたう朝顔。
朝顔ってこの時期もあるんだろうか……と思いましたが、見つかりました。咲いてた。
(詳細は不明ですが、後で覗いたお土産屋さんでも朝顔のモチーフがあったので、歴史があるのかもしれません。)
![](https://assets.st-note.com/img/1668137883807-1qynx2gfpd.jpg?width=800)
あと2つが、ちょっと問題でした。
1つ目は、川にかかる橋。これはすぐに見つかりました。
でも、それらしい橋が2本あり、どちらかわかリません。
2つ目は、神社。正しくは、石の階段とその先にある神社です。
これが、歩けど歩けど、茶屋街の中にはありませんでした。
メイキングでは、ひがし茶屋街ってなってたはずだけど……橋は両方、見てみるとして。
ひとつだけスポットが見つからないのを、残念だけどそれはそれで記念か、と思うことにしました。
とりあえず、2本あるうちの1本目の橋へ向かいます。
ひがし茶屋街から伸びる橋。よくわからないけれどなんとなくこれかな……? とチェキを撮ります。
そろそろ、ホテルへ戻る時間が近づいていました。
もう1本の橋を覗きがてら、川の反対側の主計町茶屋街も見ながら帰ろう! と、ホテルに向けて歩いていたところ。
![](https://assets.st-note.com/img/1668137910159-hVm0Kd7EP3.jpg?width=800)
何とはなしに覗き込んだ、主計町の路地の奥が、「それっぽい」のです。
んん……? と思いながら、こちらも住宅街であることを念頭において、するりと入り込んでみました。
ひがし茶屋街よりも細く、けれど朱色の街並みが綺麗な通り。そしてちょっとの予感を抱えながら歩くこと数分。
あった……!!!! 石の階段!! これだ!!!!!!
![](https://assets.st-note.com/img/1668137960354-kLa4IvBByE.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1668590383326-9G2YbolEDG.jpg?width=800)
なんかこう、喜びと「ここかーーーーーー」という思いで膝をつきたくなりました。
ひがし茶屋街じゃなくて、主計町茶屋街の方だったんだ……!!
雰囲気のある風景にテンションが上がりつつ、そっとチェキを撮ります。階段の先に、赤い鳥居と社がありました。空一面に枝を伸ばした黄色の葉っぱが美しく、写真を撮っている人がいました。
![](https://assets.st-note.com/img/1668745353507-sAgV5b9zlL.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1668138031604-W3i0lUVsM7.jpg?width=800)
どうやらここは裏口のよう。ご挨拶せずに入るわけには、と社の正面へ回りましたが、お賽銭を入れるところが見当たらず、まだ空いていないのだなと判断。
後ほどちゃんとお伺いします、そんな気持ちで手だけ合わせ、階段を下ります。
そして、もう1つの橋へ。
なんか予感がしている、さっきしっくりこなかったけど、橋はたぶんこっちの橋だ……!!!!
そのまま、主計町から伸びる橋へ移動。そこでまた、膝をつきそうになりました。
ここだ……!!!! めちゃくちゃドンピシャな風景がある!! こっちだったんだ!!
![](https://assets.st-note.com/img/1668138090134-pmf0CGBSWD.jpg?width=800)
(これを書きながら思い出しましたが、そういえばひがし茶屋街と、この石の階段・橋の主計町茶屋街で、撮影のお洋服も変わっていたのでした。
つまり場所も変わっているということ……なんでそこに気づかなかったんだろう……)
しかも、なんだか時間帯がぴったりでした。
あまりそこにこだわっていたつもりはないのですが、カレンダーのショットで見た、明るくなり始めた川の朝の光とちょうどマッチしていて、とても「それっぽい」写真が撮れそうだったのです。
よし、これで最後のロケ地……!
そう思って、シャッターを切りました。
2 相棒との旅
が。
確かにシャッターを押しました。
ですが、ジーという音だけして、チェキが出てきません。
ちゃんと起動しているかなと覗き込みますが、シャッターも開いており(昨日はシャッターが開いていないのに切ってしまうというミスがあった)、ばっちりスタンバイされています。電源のライトも点灯している。
ライト……?
もう一度シャッターを押してみます。やはり同じ現象が起こりましたが、そのライトが、なんだか見たことのない点滅をしていることに気がつきました。
ひょっとして、電池切れ……!?!?
購入時の電池をそのまま使っており、稼働枚数はトータル50枚ほど。実は今回、予備の電池を持っていくことも一瞬よぎったのですが、まあいいかと流してしまったのです。
バカ……!! やっぱり入れておくんだった!! というかここで!? 最後の一枚、しかも太陽光の具合を気にしてしまったこのタイミングで!?
慌てて近くのコンビニを探します。徒歩7分。
よし、行く。すぐに決めて歩き出しました。いや、途中ちょっと走りました。
だってあまりにも今の時間帯がベストだったんだもん……!!
コンビニで電池をつかんでセルフレジに飛び込み支払いを済ませて出る、滞在時間15秒ぐらいだったと思います。
実はまだ名前をつけずに「チェキちゃん」とか「チェキくん」と呼んでいるこの相棒に、振り回されっぱなしの旅になりました。それもまた醍醐味。でもそろそろ名前をつけますね、だから怒らないで。
(これを書いているときに知ったのですが、チェキのライトの点滅は、フラッシュ機能の充電を意味しているそう。つまり、電池がなく充電が完了できないから撮れない、ということでした。説明書をちゃんと読んでおきなさいね、という……)
またちょっと走りながら橋へ戻り、そこまで光の具合が変わっていないことにほっとしながらも、シャッター音とともに、最後のロケ地巡りを終えました。
これにてロケ地巡りは終了。詰め込んだけれど、無事予定どおりに巡れた!! お疲れ様でした……!!!!
さてさて。
ここからは、自由な観光です。
いったんホテルに戻って、朝ごはんを簡単に済ませ(大好きなささみプロテインバーが入手できなかったことに少し落胆しながらも)、あったかいお茶を1杯飲んですぐに出発。
バタバタしてるな……(主に電池事件のせいで……)と思いますが、好きなもののため!
実はこれから、前から密かに憧れていた体験を予約してあるのです。
指輪づくりに、行ってきます!!
3 ぽこぽこアイソラシさん
突然ですが、中学生の時から指輪が好きです。
一番最初に買った指輪は、舞浜で。
ディズニーシー隣のイクスピアリ内にある、ストーンマーケットでした。
綺麗な石がついてリング部分に複雑な装飾が施されたその子は、1000円のセール品となって売られていました。天然石がついて、こんなお洒落な装飾もされていてこの値段なのかと、ビックリしながら運命を感じて買ったのを覚えています。
それ以来、リングをちょこちょこと探すようになりました。学生時代、お守りのピンキーリングを毎日つけていたこともあります。
今は社会人になり、傷つけたり失くしたりするのも嫌なので、仕事中にすることはありませんが、お休みの日モードで真っ先にすることと言えば、指輪を選ぶこと。
それぐらい、自分にとって指輪は必需品です。
同じくお休みの日モードで活躍するコンタクトでさえ、面倒だとメガネにしてしまうことがありますが、指輪(と、お気に入りの腕時計)は欠かしません。
数年前、関東の方で、指輪を手作りできるお店があると聞きました。
行ってみたいと思いながら早何年、結局訪れることができないまま、指輪はたくさんあれど、自分で作ったものというのは持ったことがありませんでした。
ところが今回、またしても何かを調べている折、ひがし茶屋街に指輪作りの体験ができるお店があるのを知りました。
予約がとれるなら、行ってみたい……!
そして予約、とれました!!
この予約にたどり着くのにも、自分のポンコツさのせいで何度か奮闘があったのですが、当日無事、迎え入れていただくことができました。
![](https://assets.st-note.com/img/1668138180339-VGDzYIg6c3.jpg?width=800)
お店のインスタグラムを見ると、記念日や結婚指輪づくりなど、カップルで来た方々が紹介されていました。
来た人の全組がそうじゃないとは思いつつも、周りが全員カップルだったらさすがに気まずい……!! と思っていたのですが、タイミングがよかったのか、取り囲まれるようなことはありませんでした。
(そもそも取り囲むような怖い人はいません)
ちょっとドキドキしながら入店すると、お店の人たちが出迎えてくれます。
わたしが何かを言う前に、「体験の方ですか?」と聞いてくださり、うなずくと、笑顔のかわいい店員さんが席へ案内してくださいました。
一緒について教えてくださるようです!
(予約したものはなんでも10分前には現地にいた方がいい、の意識でいたわたし、開店時間を予約時間としていたのに、その10分前に到着していました。
そのため、まだ開いていない店内をそろそろと覗き込んでいた姿を目撃されていたのだと思います。はずかしい……!!笑)
店員さんから説明を受けながら、素材、太さ、柄、形を決めて行きます。
普段の指輪は、左手の人差し指+右手のピンキー、がよくつける位置。
お守りポジションとでもいうんでしょうか……ということで、せっかく作るならそのどちらかがいいなあと思い、人差し指用を作ることにしました。
はじめてだし、記念用だからシルバーかなあ。太さはある程度はほしいかも! 柄はどれもかわいくて悩む……! 八角形とかも惹かれるけどな〜〜!! できればどんなお洋服でも毎日つけられるものがいい。
唸り続けること数分。決めました。
素材はシルバー、模様は「ぽこぽこ」という、ハンマーの跡に温かみがあるものに。形は、ベーシックな丸型にします!
土台のリングをお店の方に作っていただき、鉄の棒にはめ、ほどよいサイズになるまで表面を叩いて伸ばしていきます。模様付けの作業です。
![](https://assets.st-note.com/img/1668138212687-5Wf3TeEaWJ.jpg?width=800)
途中、確認してくれた店員さんは、真剣な目で見ながらも「とっても上手ですよ!」と褒めてくださったのですが、「もっと強めでもいいです!」「2倍ぐらい強めで!」「お姉さん、慎重派ですね」と、もっと力を込めましょうと指導をいただきました。笑
おっかなびっくり金槌を叩いていたのがバレている……
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![](https://assets.st-note.com/img/1668727506234-Kb8G46xJ1m.jpg?width=800)
そして、微妙なサイズ調整を繰り返しながらも完成。もうちょっとゆるめにしたい、などわたしの要望に細かく付き合ってくださったお姉さん、ありがとうございました……!
たぶん見本よりもちょっと優しめな跡、心配性な自分らしい柄です。
![](https://assets.st-note.com/img/1668138283521-WARiirRhv6.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1668138283974-UzuHDydZZV.jpg?width=800)
表面のシルバーは周囲の色を素直に吸い込んで、ぽこぽこ跡の一つ一つに、別々の景色が映り込みます。
いる場所が違うだけで表情が変わる、とても素敵な指輪でした。特に茶屋街を歩いている間は、茶色と朱色と空の青が、とても鮮やかに、けれど優しく映えていました。
チェキはロケ地で使うと決めていましたが、ここだけはそのルールも解除。
使った道具と、完成した指輪を撮らせていただきました。
カメラに詳しいお姉さん、自分もチェキが欲しいのだと、一緒に楽しんでくれて嬉しかったです……!!
素敵な体験をありがとうございました!
4 波を結う
さっそく指輪をつけ、立派な化粧箱もいただいて、幸せの空間を後にします。
いざ、茶屋街散策です!
先ほど写真を撮りに行った時は、街は静まり返り、足音さえも柔らかく聴こえるような様子でした。
ですが日がのぼりお店も続々と開店、早朝とは打って変わり、人出が賑やかになっていました。
今日平日だよな……!? それでもこんなにいるの!? と、驚き。
茶屋街散策での目標は、お抹茶とお菓子をいただくこと。理想は、茶屋街を眺めながら落ち着いて食べられることですが……
多くは望みません、食べられればおっけー!
輝く切り出しの天然石を眺めたり、涼やかな鳴り物のお店を見たり。九谷焼や、金箔を使った化粧品も数多くありました。いやーあのキラキラはときめく……
どこかでお麩を買いたいと思っていたところ、気になっていたお店にちょいどいいサイズのお麩つめが!
お味噌汁に浮かべたらきっと華やかになる、お花のお麩を購入。
観光地にしろショッピングセンターにしろ、お店の数が多すぎると、楽しみつつも疲れてしまうところですが、茶屋街はほどよいお散歩にぴったり。
街並みを見ながら、お店を覗きながら、休憩においしいものを食べながら。
三時間ほどあれば、十分満喫できると思います。
さて、その「休憩においしいもの」にお抹茶を選んだわたしは、お店に迷って、同じ通りを三周ぐらいぐるぐる。
結局、下調べの時から気になっていた、茶屋街を一望できる席のあるお店にすることに!
運が良ければ、茶屋街を見渡せる窓際に座れるかもしれないし。そうじゃなくても理想の抹茶とお茶菓子のメニューがある!
席はちょうど満席でしたが、もう急ぐ旅路ではありません。お昼時だったのもあって、さほど待たずに空きそうだとお店に並びます。
ほどなくして、2階の座席へ案内してもらえました。
空いているテーブルが3つほど、そしてうち2つはなんと窓際の席!
お好きな席へどうぞ、と言われたので、ありがたく窓際の席へいきます。
とてもラッキーだった……!! 並んでみてよかった!!
(そのあと、男の子8人連れぐらいのお客さんが来て、わたしがその席に座ったせいで斜めに分断されたテーブルに着席することになって、ちょっと申し訳なかったです……けれどわたしも観光です、テーブル変わりましょうかとは言えなかった……笑)
席に落ち着き、窓からの明るい茶屋街を、相棒のファインダーを除いて一枚。
これが、本当に最後の一枚でした。
相棒ちゃん、お疲れ様でした。
今回の旅を楽しいものにしてくれてありがとう!!
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今日のまとめをします。撮ったチェキに、つけていた指輪を一度ケースに戻して、茶屋街で買ったお麩と、金箔入のあぶらとり紙を並べます。
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いい旅だったな〜〜〜〜!!!! としみじみ……
突然思い立ち、本当に無事に行けるかなあと思いながらも計画を少しずつ立て。毎日、退勤電車の中で、行きたい場所のHPとにらめっこしていました。
職場の人には誰にも言っていなかったので、腹の立つことを言われても、「ふふん、でもわたしには今週末石川旅行が待っているもんね」、と寛大な心になれたり。笑
全国旅行支援を利用していたので、ホテルの予約の取れなさ(金沢大人気でした……!!)に慌てたり、クーポン券を使えるお店を調べたり。
お休みの日にしか着ない、ニットワンピースやスキニージーンズ、セットアップをベッドの上に広げて、武装服に悩んだりもしました。
現地でも、一つ一つの行程に楽しみがありました。
検索アプリの開きっぱなしだったウィンドウを、その場所を無事クリアするたび、1つずつ閉じる作業。
チェキを一枚ずつ眺めてニコニコしては、分厚くなっていくケースにしまう作業。
一人で遠征をすることは、これまでにもありました。ですが着いた場所で友達と会うことも多く、舞台やライブに行くという、ある種「人に会いに行く」という目的がありました。
けれど今回は完全な一人旅。
いや〜〜〜〜途中でめっちゃ寂しくなったり心細くなったりしたらどうしような!? 一人旅であることに、人目を気にし出したりとか……!!
一人で行動することに抵抗はない方でしたが、数年前までは食事もショッピングも、一人でするのは苦手でした。他人の目が気になりがちで、落ち着かない。
ですが今回、決めてしまったからには、と挑戦してみて。
結論から言います。めっっっっっちゃめちゃ杞憂でした。杞憂すぎて心配になるぐらい。笑
寂しさも人目も感じる暇なく、あちこちを走り回っていました。
ここではこうしたい、次の場所ではこうしたい。
あれが食べてみたいし、そこのお店も行ってみたい。
普段、あれがやりたいこれが足りないと心がいっぱいになってしまいがちな自分にとって、そういった「自分の面倒を見る」のに最適な方法だったのかもしれません。
1日目に鈴木大拙館で見た「自分自身の主人であれ」という言葉、まさにそんな感じで、あっちこっち走り回りたがる、子どもであったり使用人であったりするお屋敷内の自分たちを、どうどうとなだめて誘導して楽しませる。
ありきたりな言葉ですが、セルフケアと言うんでしょうか。とにかく、「自分」をめいっぱい満喫する。そんなことができた旅だったような気がします。
さて、話を茶屋街のお店に戻します。
やってきました、お抹茶とお菓子!!
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優しくほろ苦い泡のお茶と、確か椿の花の餡子のお菓子をいただきます。
旅の最後、とても贅沢な時間でした。
名残惜しいですが、惜しいぐらいで出立するのが旅というもの。また、ここに帰ってきたいと思えるように。
ひがし茶屋街散策、これにて終了です。
5 やっぱり最後は
預けた荷物を受け取りに、ホテルへ戻ります。
帰り道、主計町茶屋街を通りました。
一見さんお断りの、夜に開くお店が多いというこちらは、朝とほとんど変わらない様子。ひと気はほとんどありませんでした。
朝見て感動した石の階段を上がり、神社へ。
先ほど、ちゃんとお賽銭を入れてお参りできなかったので、最後に寄ろうと決めていたのです。
お参りをして、御朱印をいただきます。
社務所のインターホンを鳴らして出てきていただいたのですが、嫌な顔一つせず、むしろ大変お待たせしまして、と優しく微笑んで御朱印を書いてくださいました。
わたしの後ろにもお客さんが一人いて、どうやらその人も御朱印がほしくてうろうろしていたようでした。
とても丁寧な口調で「自分も御朱印をいただきたいです」と言っていました。
直接言葉を交わすことはないけれど、同じ時間、同じ場所、同じ目的を共有しているというだけで、なんだか心温まるような気持ちになる。
そんな体験を、今回の旅でいくつも経験したなあ。そう思いながら、神社を後にしました。
ホテルへ戻り、最後に一杯だけ、ロビーでお茶をいただきます。
三日間お世話になりすぎてるけどいいかな!? ほうじ茶おいしいんだもん……!!
休憩する、みたいなことが苦手な生き物だったのですが、「熱いお茶を一杯飲む間だけ」、と強制的に休めるシステムは、とてもよかったです。これからは気軽にカフェなどに立ち寄れるかもしれない。
ロビーの向かいのソファでは、これから観光に出ると思われる方が、地図を見ながら計画を立てていました。
その様子を、「いいぞ、金沢はいいぞ、楽しいぞ」と、勝手な先輩面でニコニコと眺め(もちろん表面上は真顔です)。
お茶の最後の一滴で体を温めて、荷物を受け取り、お世話になりましたと心の中でつぶやきます。
いよいよ帰途へ。
突然ですが、何かが終わったあとのルーティンって、あったりしないでしょうか。
わたしはあります。何かが終わった、というか主に舞台を観たあとで、ルーティンというか、その時に必ずこれを食べたくなる、というものです。
自分にとっての「何かが終わった後のルーティン」。これすなわち。
麺を食すことです。
観劇という、頭のカロリーを消費するイベントにおいては、だいたいラーメンが食べたくなります。でも食べ物の中で一番好きなものはうどんなので、安心感を求めてうどんを選ぶことも。そばも好きです。
(ここまで考えて、「あっ麺って言ったけどパスタはあんまり食べようと思わないな……」と気づきました。)
今回は一人旅。ですが、「何かが終わった後」。これすなわち。
旅の最後に、麺を食べます!!
![](https://assets.st-note.com/img/1674270664164-9zZrIXMQyY.jpg?width=800)
麺好きとしては食べないわけにはいかない。
ご当地グルメ、8番ラーメンです!
実は、これもカレーと同じく、どこかのタイミングで食べられたらと下調べをしていたのですが、運良く帰りに寄ることができました。
遅めのお昼ごはん。それでも店内は混み合っていました。少し待ち、入店。
調べたところ、野菜のラーメンがおすすめのようでした。
もともとは消費カロリーを補う行事、メニューにギョウザがあれば無視はできません。ちょうど、小さなラーメンとギョウザのセットがあったので、そちらにしました。
そして、運ばれてきたのがこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1674270715668-OZMwMm5nrW.jpg?width=800)
あれっラーメン小にしたよね? 今店員さんも「ラーメン小ですー」って言ってたしな??
おそらく、麺の量は少なめになっていたと思われますが、器、スープ、上に乗った山盛りの野菜の量は、普通サイズと同じように見えました。
こっからギョウザ6個も来るんだよね!? 食べ切れるか……
ところが、そんな心配もどこへやら、あっさりしているけれど風味の効いた塩ラーメン、つやつやみどりのキャベツにつやつやのもやし、食べ始めたらあっという間でした。
ギョウザもぱくりと一口で食べられるサイズで、ちょうどよかったです。(ギョウザの写真撮り忘れた……)
家族連れや旅行客と思しき人たちも多かったのですが、地元の方なのでしょうか、一人で来る女の子も何人かいたのが印象的でした。
そして、改札へ向かいます。
この駅に降り立った、二日前を思い出します。
どんな旅になるんだろう、一人でも楽しくやれるかな、トラブルを起こしたりしないかなと、期待と心配を持って、見上げた金沢駅の天井。
ありがとう石川。おいしく、美しく、最高に楽しい旅でした。
また来るね。
![](https://assets.st-note.com/img/1674271125195-m2iBLbLdsj.jpg?width=800)
帰りの電車は、金沢で乗り込んだ時は空いていたのですが、途中の大きな駅で一気に乗客が増えました。自分の隣にも、お客さんがやって来ます。
行きと同じく、途中で座席の方向転換。よいっしょっと一緒に座席を回したご縁で、隣の方と、一言二言言葉を交わしました。終点までですか? そうです。遠いですね。その方が降りる際には、お先に失礼します、と言ってくれました。
帰りはゆっくり車窓を楽しむつもりが、この文章を書くのに必死で、あっという間に着いてしまいました……
6 お屋敷の主人として
さて。
こうして、わたしの初一人旅、石川二泊三日、カレンダーロケ地巡りの旅は無事幕を下ろしました。
途中、少し振り返りもありましたが、改めて、この旅について書いてみようと思います。
まず、たくさんのチェキやお土産、おいしい食べ物の記憶をいっぱいに抱えて思ったのは、「ロケ地巡りって言ったけど、きっとご本人は撮影時、まともに観光できてないよな……自分だけ勝手に観光してきちゃった……」という気持ちでした。ごめんいのさん。
面倒だからという理由で取り組んでこなかったふるさと納税も、帰ってすぐ、石川県に納めてしまいましたし……
わたしはふだん、「ぼんやりする」「考えない」ということが得意ではなくて、いつでもどこでも、集中しない時間は何かしらものを考えています。
いや、なんて言うんだろう、生きている人はみんな常に何かしら考えているとは思うのですが、「今考えているな」とはっきり意識して過ごす時間が、少しだけ長いように感じています。
たとえば遠征の行き帰りの車内なんて、「ものを考える」のにうってつけで。
けれどこの旅の間は移動中含め、全然考えごとをしなかった……!!
景色を見るのに忙しく、おいしいものを食べるのに忙しなく。考えごとなんかしていられない、という感じでした。
考えても、バスに無事乗れるかなとか。どの角度から写真を撮ろうかなとか、何食べようとか。それぐらいでした。
それがとても、嬉しかったんです。
ささやかな交流はたくさんありました。
夜ご飯のお店で、入ろうか迷っていそうだったけれど、わたしが入ったら続けて入ってきた男の子。
お皿を見せてくれたお姉さんに、普通盛りのごはんを少なめってこれでいいですかと目の前に置いてくれたお兄さん。お店を出る時に、おいでやすと言ってくれたおかみさん。
写真を撮ってほしそうに、でも言い出しにくそうにしていた女の子たち。一緒に地下プールに入って、撮りましょうかと声をかけてくれた方。
穏やかなお肉屋の店主さん。写真を撮ってもらった、ツアー客の人たち。
行き先は違えど、難しいバス停に頭を悩ませ、譲り合ってベンチに座った人たち。
オムレツの形状を説明してくれたバイトと思しき男の子に、おんなじタイミングで古総湯にいた人、番台さん、バス停で喋ったおばあちゃん。1時間半、同じ高速バスに乗っていた人。
最終日、並んで同じ御朱印をもらった人。
帰りの電車で、共に長い家路を隣にいてくれた人。
あえてたくさん話しかけることもしなかったけれど、たぶん話しかければ充分な縁が生まれた人たち。
その距離感が、ほどよく安心させてくれて、とても居心地がよかったんです。
一人旅って、全然「一人」じゃないんだなって、わかりました。
自分が一人の時間が必要な人間であるのは、知っているつもりでした。それがここ数か月、時間をかけてじっくり考えたいこともできて、余計に一人の時間がほしかった。でも、なんだかそれとはまた違う。
一人でも、というより、一人でいることを楽しんでいる。もちろん友達や家族といる時間が要らないわけじゃない。でも、一人でめいっぱい自分のわがままに従ってやるこの時間が、愛おしくてしょうがなかった。
周囲と比した時、自分は「足りていない人間なのではないか」と感じることがありました。
人を求める感覚についてです。
世の中の多くの人が、悩みつつもちゃんと踏んでいけるステップを、感情を願いを、未だに戸惑って観察して見つめてしまう自分は、とんだ欠陥品だと思った日々もありました。
学業や仕事といった面で、それなりに真っ当にこなしてきたからこそ、人間として欠落しているように感じられる部分が、浮き彫りになっていました。
最近、たぶんジタバタしながら生きているわたしを見て、幸せを願ってくれた人たちがいました。それを嬉しく思いながらも、純粋に首を傾げてしまった。
わたしの思う幸せってなんだろう? 自分が幸せになるために、今必要なものはなんだろう?
ある程度の欠陥品であることは、もう理解しています。ひょっとしたら、違う図面を見ているだけで、実は設計図が取り替えられていて、正しい設計図が手に入れば、悩んでいた時間など一瞬に消えてしまうぐらい、何とも闘わない人生のルートに乗るのかもしれません。
それでも、今は「足りていない」と感じる自分を大事にしたい。そこから生まれる言葉や物語を、追い求めていきたい。自分の感情や考えを最優先にしてしまう生き物らしく、自分の幸せってなにかなと、探していこうと思います。
自分自身の主人であれ。
Be the lord of myself.
時に優しくなり、時に勝手に暴れ、時にわたしを裏切る自分のことを、ちょっと叱りつつも、しょうがないなあと許せる自分でありたいです。大きなお屋敷の、たくさんの使用人を抱える主人のように。
自分自身の手綱をしっかりと放さないで、この人の幸せを投げ出したりしないようにしたいと思います。
わたしのことは、責任を持ってわたしが幸せにする。
最後に。
自分の写真は撮らないと言っておきながら、なんだかんだ1日1枚程度撮る機会があり、そんな一人旅をしてみた結果。
![](https://assets.st-note.com/img/1674271893130-xF0MPWJ6PR.jpg?width=800)
セルフ後ろ姿が撮れるようになってしまいました……
見返すと恥ずかしすぎる。冷静になってからここにあげるのも恥ずかしすぎる。
でも旅の恥はかき捨てですもんね!!!! 今回だけです!!!! お気に入りのコートも着てたし!!!!
(冷静になってからあげるのは「かき捨て」に成功しているのかどうか)
(ちゃんと周囲に人がいなく迷惑をかけないことを確認し、無音カメラを使いました)
ただ、これをきっかけに一人旅にハマりそうかというと、そういうわけでもないかな、というのが正直なところです。笑
人と行く旅も好きだというのもありますし、もともと観光地にはさほど興味がない人間です。今回のような目的がなければ、現地でどうしていいか固まってしまうかもしれない……笑
けれどまた、こういう楽しい目的ができたら。
その時は迷わず、1人分で予約をとると思います。
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長いレポとなりましたが。
ぶじ書き終えることができて、個人的には大満足です!!!! 年は越しちゃいましたけど!!!!
多くは語りませんが、この最後の旅行記をあげるか迷っていたとき、「続きを待っています」と言ってくれた方がいました。
本当に、ありがとうございます。
へっぽこで、説明下手な旅行記でしたが、読んでくださった方のささいな娯楽や、小さな笑顔に、貢献できていたら嬉しいです!
ふるさと納税は本当に頼んでしまいましたので、その話はまた別でしようかなと思います。
一緒に楽しんでもらうような形で、少しでも石川の良さや、一人旅のハピネスをおすそ分けできていたら嬉しいです。
最後までお付き合いくださった方、ありがとうございました!
そして何より、わたしの旅を素敵なものにしてくれた人たちみなさんに、ありがとうと伝えたいです。
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