心の意味。(短編小説)

 とある英語の授業で、とある英語の先生が言った。
 「言葉というのは、人と人との間で生まれたものなんだ。そしてそれは、あなたたちもいずれは、それに気づくでしょう。形は人それぞれだけれど。」

 私には愛する人が一人います。その方はとてもとても立派な大人のような思考で、相手のことを考えて気配りをし、話し上手で聞き上手。
 そんな彼は音楽家。有名であり、人の心を動かす作詞作曲をしていました。彼は常に「心」という言葉を歌に入れたがっていました。
 私は最初、気づきませんでした。しかし、彼の歌を何度も聞くことで気づくようになりました。その中で、心に響いたものがひとつ。
 『英語で「心」は heart。音節をくぎれば、he art。「彼」と「芸術」との間に生まれた言葉なんだ。」
 目の前からいなくなった彼がまさに芸術を作り上げたと私に言いたかったのかもしれない。
 「あなたが私と一緒にいたとき、気づけばよかった。そうすれば、もっとあなたと仲良くなれたかもしれないのに…。」
 あなたからの手紙を手に持ちながら、今日もあなたの詩(うた)を聴きます。

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