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大人に青春は存在するのか?
皆さんにとっての”青春”って何ですか?
私の脳内に広がるのは、”ポカリスエット”の世界観。
ー
「仕事の調子はどう?」
ついこの前まで飲み会のメインテーマだった彼は、いつしか冒頭の挨拶程度のポジションに落ち着いたらしい。
最近は「今の彼氏/彼女と結婚する予定あるー?」といった若者トークが始まったかと思うと、「体力が衰えた、、」といった初老トークに突入したり。
お手洗いから帰ると、全く別の話になっていることも多く、有り体に言えば、ジェットコースター。
その乗車席に乗り遅れないよう、”笑いながらぬるっと”をモットーに帰還する日々を過ごしています。
そんなある日、いつもの”ぬるっと”ムーブで席に戻ると、脳裏に残るひとつの言葉が。
「んー俺って趣味もないし、社会人になって出来ることも増えたのに、あんま青春っぽいことしてないなー。うーんやっぱ青春したい!!」
なるほど。
たしかに青春を感じるのはすっかり画面越しになってきたかもしれない。
と同時に、ん?とはいえ、大学生くらいから青春とは少し違ったような、、
ー
その日の帰り道、ここ数年を振り返ってみることにした。
冬空のもと寒い寒いと震えながらも、楽しかった思い出がしっかりと蘇る。
真っ赤になりながら「いやーオール最高だね!」と叫んだカラオケボックス
ドンキで爆買いしたお酒を夜の公園で空ける高揚感
プロコンかジョイコンかをめぐって全力でじゃんけんした友達の家
お店の予約が出来ず駆け込んだファミレスで馬鹿みたいに楽しめた誕生日
ベタだけど(笑)と言いながら、彼女と半分こしたパピコ
エモさ濃縮100%。今思い返しても幸せを感じることができる瞬間たち。
「この感情が青春だったのかな(笑)」と1人でしみじみと感じながら、2024年1月の自分に目を向けて気づく。
ここ数年どんどん”ポカリスエット”の世界観から遠ざかっている。
今の私の心にとまるのは
「仕事終わりは丸の内のBarで一杯やるのにハマってて、、」
「徹夜続きだったけど、最高のCM作れて疲れが全部吹っ飛んだわ!」
「月に1回、エステとネイルで自分磨きをするようにしているんです。」
「昇進したし、自分へのご褒美にロレックス買っちゃったんだよねー」
「この前言ったフランスでさー、、」
ー
大人になるにつれ、出会いが、知識が、経験が増える。
見知った世界が拡張される。
そうして、青春は未知に包まれた子供の特権なのだと感じるようになった。
大人になってからの恋愛やスポーツだって、ほとんどが”青春ごっこ”に留まるのではないだろうか?
でも”青い春”だけに絶対的な価値があるわけじゃない。
青じゃなくて鈍色かもしれないし、春じゃなくて晩秋かもしれないけれど、大人が味わうその色とりどりの季節だってとっても素敵な時間だと思う。
名前も知らない人の横で目が覚める朝
予定をぶっちされて韓国ドラマに没頭する土曜日
レッドブル片手に気合いを入れなおす深夜2時
周りにすごいと言われたくて借金してまで買ったベンツ
昔は全く興味がなかった紅葉めがけて電車に揺られる1人旅
どれもこれも、青春との優劣がない、人生をいろどる大切な時間。
そんなひとときたちを噛みしめる生活を送りたいと思う。
青春は期間限定かもしれない。
だから私は、青春ではなく、残りの”十一色の季節”に思いを馳せる。
水無月 双
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