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(提言解説シリーズ)私たちの思い編

皆さま、こんにちは!ソトナカプロジェクトの東です!

先日、人事院の川本総裁に対して提言を手交したことをnoteでもお知らせしたところです。提言後、霞が関の内外から、非常に多くの反響をいただいています。

そのほとんどが、私たちの活動への温かい言葉でした(皆さま、本当にありがとうございます!)。同時に、「提言の中身について、もっと詳しく知りたい」といった声もいただきました。

そこで、今回から数回に分けて、私たちの提言の内容を、分かりやすくかみ砕いて説明したいと思います!

まず、この記事では、「私たちがどのような思いで提言を作ったのか」をお伝えします。そして、次回以降、「何を課題と捉えたのか」、また、「その課題の解決のために、何をどうしていくべきと考えたのか」といったことについて少しずつ解説していきます。

是非、ご覧ください!

国の仕事は面白い!

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提言P.5。私たちが感じた、国の仕事の面白さを語っています。

私たちが霞が関に転職するに当たり、「なんで霞が関に転職したの?」「民間を辞めるなんてもったいない!」と言われることがよくあります。
なんとなくブラックそう。大変な割に給与が低そう。政治に振り回されることに終始してしまうのでは?民間の経験が生かせるの?などなど、色々な声を聞きます。
私たちは、この問いに対して、「公共の世界に飛び込む意義は確かにある」とお答えしたいと思います。

例えば、あるメンバーは、「民間でも社会的価値の高い仕事をすることはできるものの、国の政策レベルで関与するのは困難。また、当然のことながら、企業利益の確保が前提となるため、自ずと様々な制約が生じることは事実。その点、国では、業務として、思う存分、社会的利益の追求ができることが魅力」と語ります。

また、あるメンバーは「非常に優秀な上司や同僚が多く、大所高所からの議論に驚かされる。また、国内外の一流の有識者から意見を聞くことができる環境はなかなかない」とも。
私自身も、出身企業では経験し得なかったことだと実感するところです。

さらには近年、行政を取り巻く環境は過去にもまして複雑高度化してきていて、いわば舵取りをする政府に寄せられる期待は日々刻々と大きくなってきています。その期待に応えるべく、私たちも使命感をもって働いています。

国の仕事は面白い!
まずそのことをお伝えしたいと思います。

中途採用者の「戸惑い」に隠れたヒント

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提言P.6。「ソトの視点」と「ナカの視点」をかけあわせることが重要であることを明確にしました。

さて、霞が関に限らず、組織には、「組織の作法」があります。もちろん、それ自体を否定するものではありません。ただ、往々にして、そうした「お作法」は明文化されておらず、また、長年見直されていないことが多いですよね。

「過去からそうしているなら、まあ、そういうものか」と、あまり疑問を持たず受け入れ、気づいたころにはしっかりと染まっている…。お読みいただいている皆さんの組織でも思い当たることがあるのではないでしょうか。

そうした組織が中途採用を行うと、どうなるでしょうか?。
中途採用者自身、就業経験のない新卒生え抜き職員とは異なり、それまで所属していた組織のお作法に染まっていますから、新しい組織の仕事の進め方に困惑します。「なぜそうしているのか」が分からないのです。また、「前職の手法のほうが、効率的で合理的なのに」とも考えるかもしれません。

ここに、中途採用を行うメリットが隠れています。中途採用は組織の「当たり前」を見直す契機になりやすいのです。
重要なのは、職場と中途採用者が「こんな進め方は不合理だ!」「これまでこうしてるんだから同じようにやればいいんだ!」と言い合うのではなく、双方がお互いを尊重しつつ、意図や背景の説明も含めて丁寧に話し合うことです。
それができれば、中途採用者の早期戦力化につながりますし、職場の暗黙知の明確化にも結び付きます。逆に言えば、その歩み寄りがなければ、「良い中途採用」をできたとは言えません。

私たちソトナカプロジェクトメンバーの場合は、こうした歩み寄りがうまくいき、比較的スムーズに組織に適応できた実感がありますが、それは、幸運にも職場のサポートがあったからだと思っています。
これを「たまたま幸運だった」で終わらせないことが重要です。中途採用を存分に生かすための、組織的な支援が今こそ必要なのです。

私たちの目指すもの

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提言P.7。霞が関における多様な人材の活躍というチャレンジングな課題について、中途採用を切り口として提言しました。

私たちの目指すものを一言でいうと、「中途採用の拡大をきっかけとした、霞が関における多様な人材の活躍」ということになります。
一見シンプルな話に思えますよね。でも実は、霞が関の場合、非常に複雑な問題なのです。では、何が複雑なのでしょうか。
例えば、各府省庁の人事担当者の身になり考えてみると、①多様な人材を獲得するノウハウに乏しい、②その人材確保を実行する人員が足りない、といった短期的な課題があります。
また、中長期的には、霞が関の終身雇用・年功序列モデルとの均衡の問題など、霞が関の人材管理という全体的な観点からの検討も必要になります。
さらには、定員など、組織設計上の特有の制約もあります。

霞が関における、多様な人材の活躍。
言うのは簡単ですが、実は非常に多様な論点が織り交ざり、かつ制約の多い極めて複雑な課題なのです。
それでも、私たちは諦めません。私たちのような、霞が関のソトからきた人材が、実際に組織に貢献できた実感は揺るぎませんし、今後、霞が関が新たな価値を創出していき、新たな社会を創っていくためには、多様な人材の活躍が欠かせないと信じているからです。

このような思いから、今回の提言についても、霞が関における多様な人材の活躍を目指したい、という内容に仕上げました。多様性向上のための施策は色々と考えられますが、中途採用者の私たちらしく、中途採用を切り口とした提言としました。

次回の解説記事では、どのような課題感を把握したか等について、分かりやすくお伝えしていきたいと思います!

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