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【妖珈琲物語】第21話「喘息発作でコーヒー摂取をしたら一時的に改善した話」



【妖珈琲物語】

おは妖ございます。妖店長です。

第一章(第1話~第13話)では
コーヒーが飲めるようになって「半年」で、自家焙煎・販売までたどり着いた「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長の珈琲物語を連載致しました。

第二章からは、現在の心境を綴ったり、気になったことをまとめたりしていきたいなと思っております。
宜しくお願い致します。



最近、同い年の同じ医療従事者が「アルカロイド」のトリカブト(アコニチン)を女性に飲ませた事件がありました。
※勿論、この不届者とは全く面識ありません。

化学的知識は人を幸せにするために使うんだよ!!!!!(怒)

...ということで、2話連続で「有用なアルカロイドの使い方/注意点含」について書いていきます。


喘息発作にコーヒーが効く?


上記履歴書の通り、妖店長は普段看護師として病棟で働いております。

病棟のケアスタッフさんに喘息の既往がある方がいらっしゃいまして…

ケア「コンコンコン…が…」

妖店長「間に合わせになると思いますが、缶コーヒーを摂取されては

ケア「えっ?分かった」

~1時間ほど経過~

ケア「咳出なくなったよ~~!

妖店長「コーヒーってやっぱり薬だわ(笑)」

…ということがありましたのでその根拠についてまとめていきたいと思います。




喘息とは


喘息の原因は気道の炎症

「気道の炎症とは」
気道とは、呼吸した空気が通る道のことで、主に気管支を意味します。
気管支は、内側から粘膜、粘膜下組織、平滑筋(筋肉)などでできています。

喘息患者さんの気道では、発作がないときでも炎症が起きていて、敏感な状態になり、少しの刺激であっても反応します。

気管支の炎症が悪化すると、粘膜のむくみが生じて痰や咳が出たり、平滑筋が縮むことで、気道がさらに狭くなってしまいます
これによって空気が通りにくくなり、喘鳴や息苦しさなど、喘息のさまざまな症状が起こります。

Sanofi

◎「喘息」の既往がある方は、気道の炎症が起き気道が狭くなりやすい。



喘息の治療薬


では、治療薬としてはどのようなものがあるのでしょうか。

喘息の薬は大きく分けて、長期管理薬(コントローラー)と発作治療薬(リリーバー)に分けられます。
炎症を抑える薬がコントローラーになります。
気管支が狭くなるのを防ぐ薬の代表格が長時間作用型気管支拡張剤です。
気道を速やかに広げる薬がリリーバーです。


「喘息の長期管理薬(コントローラー)とは」
長期の喘息のコントロールを目標にしますので、副作用がなく、長期に服用できる薬がコントローラーになります。
大きく分けるとコントローラーは、
・ステロイド剤(吸入ステロイド剤が主体)
・テオフィリンの徐放剤
・長期時間作用型β2刺激剤
・抗アレルギー剤

藤田医院

今回は、このコントローラーの「テオフィリン」に絞ってお話をしていきます



テオフィリンとは

薬の効果と作用機序
 本剤は気管支拡張作用の他、抗炎症作用や中枢神経刺激作用など多くの有益な作用をあらわす一方で、治療の有効域が狭い(薬剤成分が有効である濃度の幅が狭く、中毒域と有効域が接近している)という特徴もあり適切な服薬管理が必要となる。

主な副作用や注意点
 カフェイン
を含む食品や医薬品などとの相互作用(飲み合わせ)に関して
  中枢神経刺激作用などが増強する可能性があり注意が必要

※一部抜粋

日経メディカル

「テオフィリン」は「カフェイン」と併用注意の薬なのです。
では何故か?

テオフィリンとは
 ・テオフィリン (theophylline) は茶葉に含まれる苦味成分でアルカロイドの一種。
 ・茶葉に含まれる量は、治療量に比べて非常に少ない。
 ・1888年にドイツ人の生物学者、コッセルにより茶葉から抽出された。
 ・1950年代に、呼吸器系疾患の治療に用いられ始めた。

テオフィリンとコーヒー

カフェインはテオフィリンに構造が近く、致死量は10g。
コーヒー1杯には抽出法によっては異なるが、50~200mg程度のカフェインが含まれているので、濃厚なコーヒーであれば50杯ほど服用すれば、かなり有害ということになる。

呼吸器内科医

(1日にコーヒーを50杯も飲んだらそれは中毒者です…普通に入院+最悪透析…)

そろそろ関係性が分かってきましたでしょうか?



カフェインとテオフィリンの関係

植物から毒素を抽出する研究に力を注いだドイツ人化学者のルンゲが発見した「カフェイン」は、アルカロイドと呼ばれる植物由来成分の一種です。

アルカロイドの名前は、アルカリに似た化合物であることを表しており、鎮痛や麻酔の作用は医療現場で使われることも多い成分です。

アルカロイドには、カフェインの他にも、モルヒネ、ニコチン、アトロピン、エフェドリン、コカインなどがあり、いくつか聞き覚えのある方もおられるでしょう。

Holly’s Corporation

「カフェインはテオフィリンと構造が近く…」
それもそのはず。同じ「アルカロイド」なのです~!


つまり、「カフェイン」と「テオフィリン」の併用は注意が必要ですが…
一時的に「テオフィリン」の代わりに「カフェイン」を使うこともできるということになります。

「カフェイン」を含むコーヒーの摂取は、「喘息発作の一時的な緩和に有効」と考えられます。

あくまで間に合わせの話です。きちんと医療機関を受診して指示を仰いで下さい。


次回は、コーヒーと併用注意の薬について書いていきたいと思います。



今日はここまで!
お読み頂き、ありがとうございました。


2023年08月24日
「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長:外堀 妖

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