見出し画像

【妖珈琲物語】第22話「コーヒーと併用注意の薬」



【妖珈琲物語】

おは妖ございます。妖店長です。

第一章(第1話~第13話)では
コーヒーが飲めるようになって「半年」で、自家焙煎・販売までたどり着いた「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長の珈琲物語を連載致しました。

第二章からは、現在の心境を綴ったり、気になったことをまとめたりしていきたいなと思っております。
宜しくお願い致します。



前回は、「コーヒーとテオフィリン」に絞って話をしました。

今回は、「コーヒーとアルカロイド」に広げて話をしていきます。


カフェインの話


カフェインの薬理作用


https://www.nestle.co.jp/sites/g/files/pydnoa331/files/asset-library/documents/stories/individuals-families/interview10.pdf


― カフェインとは ―
 カフェインはメチルキサンチン類(アルカロイド)に属する化学物質

 医薬品の総合感冒剤、鎮咳去痰配合剤(咳止 め薬)、鎮痛配合剤、眠気防止剤、強心薬、呼吸促進薬など、 非常に広範囲にカフェインが使われています。

 コーヒーでは1杯を150mlとすると80mgぐらい。



― カフェインの薬理作用 ―

 カフェインは日本薬局方に中枢興奮・鎮痛薬として登録された薬物で、覚醒作用や倦怠感の抑制、強心・血管拡 張、片頭痛の緩和などの用途で風邪薬などの配合成分として処方されています。

 カフェインはマイルドな中枢刺激作用の他、利尿、代謝亢進(脂肪燃焼や基礎代謝の向上)、胃液分泌など 多くの作用に関わっています。

「コーヒーと健康」栗原久




カフェイン含有率

カフェイン含有率

アラビカ種:0.8~1.4%
カフェインの量は木の耐性の高さに影響を及ぼします、アラビカ種が病気等に弱いのもカフェインが少ないのが一つの理由です。

ロブスタ種:1.7~4%
ロブスタ(強い)の名にふさわしく、カフェインがしっかりと含まれているのもロブスタ種の特徴です。

ロブスタ種はその収穫量と栽培のしやすさから安価に取引されるため、主に缶コーヒーやインスタントコーヒーに用いられています。

ベースコーヒー株式会社


缶コーヒーに主に使われているのは「ロブスタ種」になります。
なんと、カフェイン量がアラビカ種の「約2倍」含有!!

缶コーヒーの飲みすぎには注意が必要です妖~!



カフェインの過剰摂取(摂取上限は?)


・「アルカロイド=カフェイン(コーヒー)」×「アルカロイド」を同時に/過剰に摂取

中枢神経刺激作用などが増強する可能性があり注意が必要

 ・コーヒーでは1杯を150mlとするとカフェイン80mgぐらい。

というのが前回~上記までに記した主な内容となります。


 カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。

英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦がカフェインを取り過ぎることにより、出生時に低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとして、妊娠した女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。

 同様に、カナダ保健省(HC)においても、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、
カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとされています。 

 なお、カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される一日当たりの摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)については、個人差が大きいことなどから、日本においても、国際的にも設定されていません。

厚生労働省


・健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)が概ね一日の上限となります。




コーヒーと併用注意の薬


麻黄を含有する漢方


「コーヒー単体でも過剰摂取は危険である」ということを踏まえた上で、コーヒーと併用注意の薬を一部ご紹介。

(同じアルカロイドのモルヒネ等は一般的には触れないと思いますので除外です)

⓪大きい分類だと「アルカロイド」

前回同様、「テオフィリン(気管支拡張剤)」


同じ気管支拡張剤の「エフェドリン」
 
漢方では「麻黄」内に含有されています

つまり、「麻黄」を含む漢方全てがコーヒーと併用注意!!!

「葛根湯には麻黄という生薬が含まれていて、その学名をEphedrae(エフェドラ)、主要アルカロイド成分で“エフェドリン(Ephedrine)”が含有されている。」

「この“エフェドリン”の構造が覚せい剤である“メタンフェタミン”ときわめて似ていて…」と、名調子で麻黄の中枢神経系賦活作用についてお話が展開したことを記憶しております。

“エフェドリン”には、もちろん“メタンフェタミン”のように強力ではありませんが、やはり中枢神経・交感神経系に対して賦活作用があるのです。

それゆえ製薬会社の薬剤情報には、“麻黄”の入った処方の使用上の注意の欄には一律に、“不眠・発汗過多・動悸・精神興奮…”など交感神経系への副作用の可能性が列記されていたりします

重篤な副作用の事例は極めて稀なことです。
それは漢方薬で用いられる“麻黄”は、経験的に安全な投与量が設定されていることと、さまざまな生薬との配合の中でその作用を発揮するように考えられているからです。

証クリニック


“麻黄”はしばしば風邪の治療に用いられ、これを含有する処方を“麻黄剤”、また“桂皮(けいひ=シナモンのこと)”と組み合わせて用いられことも多いため、これを”桂麻の剤(けいまのざい)”と呼びます。

“麻黄湯”・“葛根湯”・“桂枝麻黄各半湯”、
そして花粉症にもよく用いられる“小青竜湯”などがあります。

“エフェドリン”の鎮咳作用などで症状を緩和し、身体を温める作用でウイルスとの闘病反応を有利にすることになり生体を治癒に向かわせることになります。

また薬理学的にも、“麻黄”と“桂皮”の抗ウイルス作用(ウイルスの増殖を抑える作用)が明らかにされています。

証クリニック


皆様が知っているであろうツムラの第一番「葛根湯」!!!!!

その他、
「麻黄湯」
「桂枝麻黄各半湯」

「小青竜湯」
「五積散」
「防風通聖散」などに「麻黄」が含有されております。

[コーヒーとの併用]に、ご注意下さいませ。




カフェインとドーピングの話


国際的なスポーツ競技会においてカフェインは興奮剤とみなされ、特にカフェインの大量摂取は長年禁止されてきた過去がある。

2004年以降、世界アンチ―ドーピング機構(WADA)はカフェインを禁止薬物リストから除外し、現在は監視プログラム
(禁止物質ではないものの、ドーピングとしての利用の危険性がある物質として分析対象とするもの。
検出されても失格にはならないが、乱用されている事実が認められれば禁止薬物に規定される可能性が高い項目に指定している。

DNS

運動前にカフェインを摂取することで血中のエピネフリン(アドレナリン)濃度が上昇し、交感神経が賦活化する。

さらに、血中に遊離脂肪酸が放出され、エネルギー源としての脂肪の利用が高まることも知られている

DNS

“エフェドリン”の作用には“眠気覚まし的”効果があるのですが、
あるとき“補中益気湯(疲労感に使う処方)”と“葛根湯”を併用したところ、
これをとても気に入って「元気漢方」をまた下さい、と名付けられたチャーミングな方もおられました。

受験生やビジネスマンにはドーピング検査はありませんので、「肩もこるし頭がすっきりしない」ときには、集中力を高めるのに“葛根湯”が有効かもしません。
(もちろん!眠気覚ましとしての使用目的は保険適応ではありませんから、積極的にお勧めしているわけではありませんけど…。

証クリニック


コーヒーとアルカロイドを含む薬のブーストは計画的に。
※真似して不都合生じても、当店は一切責任を負いません。

妖看護師の立場から言うと推奨しません。
過剰摂取すると、カフェイン中毒の症状と変わらない事になると思うので。

が、
妖店長の立場から言うと
「コーヒーは薬」だと思いますし、面白い飲み物ですよね~(狂気)


 ・多少具合悪い時は、「葛根湯」早期に内服して無理やり出勤する看護師。

・夜勤中の眠気覚ましに「リキッドコーヒー1L(900ml?)ペットボトル」持参して明けまでに飲み切る看護師。

・一人カラオケで5時間歌い続けるのに、コーヒーガブ飲みして気管支を拡張仕掛ける看護師。

・コーヒーが全く飲めなかったのに、化学的追及して自家焙煎珈琲屋さんを副業で始めた看護師。←私

・咽頭痛がある時に「コーヒー」と「蜂蜜」を混ぜて摂取する看護師。
蜂蜜には抗酸化作用と抗炎症作用があるとされています。
※乳幼児にはボツリヌス菌が悪さをするため与えないでください。

うちの病棟の各スタッフや友人看護師の話です(笑)
国家資格の知識と自身の体調内でバランス取ってます。



今日はここまで!
お読み頂き、ありがとうございました。


2023年08月24日
「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長:外堀 妖

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?