【妖珈琲物語・外伝】
おは妖ございます。妖店長です。
「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長の文具沼物語を連載していきます。
宜しくお願い致します。
「文具マーケット第4回」出展
主催:スモール出版様、きだてたく(ブングジャム)様
先日、「文具マーケット 第4回」に出展して参りました!
「文具マーケット(第4回)」
日時:2024年01月14日(日) 11:00~17:30
会場:大田区産業プラザPio大展示ホール(1階)
ブース:一般列/F-09/「妖珈琲店」
↑上記がまとめ記事になります。この記事を読む前に是非ご参照下さい。
お品書き(一部)
A7縦開き/横開き手帳・B7横開き手帳・M5/M5スクエアリフィルが共存できるシステム手帳
「M5SQOPASSPORT」見本を“出品開始”致しました。
革のプロからの教え
私はコーヒーの成分の一つ「タンニン(ポリフェノール)」繋がりと、とある職人さんの手帳や名刺ケースのコバ(指が反射するレベルの神業)に憧れてレザクラを始めたので、コバを追及したいです( *´艸`)
また、糸にもこだわりがありまして…。
人間界では皮膚を縫合する時は縫合糸にナイロン糸(モノフィラメント)を使います。
理由は、①頑丈②細菌が付着しにくい③蚕糸と違いアレルギーを気にしなくて良い。
その引用でレザークラフトでは蝋引きのナイロン糸(ブレード)を選択致しました。
アドバイスされたまとめ
イベント中、たまたま革の卸(要は革のプロ!)の方がご興味を持ちご来店されたので、なかなか無い機会であり色々お話を伺いました。
・「レザークラフトに正解はないから好きにやりなさい」
・「コバ磨きは自己満足です」
➔でも、自分が好きだからやりたい。
・「コバ磨きができる革は、タンニン鞣し(クロム鞣しは不可)」
・「革の部位でおススメは、“肩”や“腰”、“腹”は弛んで繊維が緩いから」
「M5SQPP」に合う革探し
鞣しと部位
私のこだわり(流通量とコバ磨き)と卸さんのアドバイスをまとめると…
⓪革の素材:牛
①鞣しの種類:植物由来のタンニン鞣し革
②革の部位:肩(ショルダー)か腰(ベンズ) ↓
個人的には、肩(ショルダー)が良さそうだな、と思いました(≧◇≦)
革の銘柄
これが一番悩みますよね。
・『プエブロ』
本家の「M5スクエア」を発売しているPLOTTER(デザインフィル)様の銘柄を調べていきましょう。
ちなみに、私がよくお世話になっている職人さん(コバルトレザーワークス様)も、メインの革を「プエブロ」にされています。
・『ロロマ』
また、私が人生で初めて買ったシステム手帳が「ロロマクラシック」になります。↓
そして、2023年末に「coppia」を龍さんに依頼して完成したのがこちら↓
うん、お分かりいただけましたでしょうか。
「ロロマクラシック」と今回の「coppia」は…
同じ『ロロマ(ブルームレザー)』という革を使ってシステム手帳が作られています。
製造:日本、浅草!!
・『マルゴーフォグ』
※マルゴー(旧:ヴィヴィド)
実は2023年11月末に「コバルトレザーワークス様」よりM5手帳とお財布を融合させた特注品が到着し、愛用させて頂いております!!
こちらにメインで使われている革は『MARGOT FOG / マルゴー フォグ』
製 造:イタリアのトスカーナ州、ポンテ・ア・エゴラ地区
Virgilio Conceria Artigiana (ヴィルジリオ・コンチェリア・アルティジャーナ)
『ロロマ』と同じで『マルゴー』の革にワックス加工がしてあり、白くブルームが浮き上がっています。
以下、「ブルームのメリット」の意味で引用します。
➔牛革/ショルダー/ブルームにフォーカスしてご覧ください。
※ブライドルレザーは、硬さが特徴なので上記の革と違います。
…ということで、
⓪革の素材:牛
①鞣しの種類:植物由来のタンニン鞣し革
②革の部位:肩(ショルダー)か腰(ベンズ)
に加えて、
③経年変化が楽しめる革
④艶やかな革
⑤ブルームが浮き上がっている革(革の成長と撥水性!)
⑥イタリアンレザー(トスカーナ州)
も候補にして探してみたところ…
革は『ゴースト』に決定!!
「ブライドルレザー」は、非常に硬くハリのある革質。
「ゴーストレザー」は、手に馴染むやわらかさのある革質。
秘密は、「バケッタ製法」にありました。
“妖“珈琲店らしい、革が見つかりました!!( *´艸`)
『ゴースト/GHOST』
生産:イタリアのトスカーナ州、ポンテ・ア・エゴラ地区「ラ・ブレターニャ社」
※『MARGOT FOG / マルゴー フォグ』と地区が同じ!
鞣し:植物タンニン鞣し
部位:ダブルショルダー(肩)
製法:植物から抽出した良質なタンニン+「セーゴ(獣脂と植物油脂の混合油)」×50日かけ丁寧に仕上げるバケッタ製法。
表面:ホワイトワックスでコート(撥水性)
堅さ:標準〜やや柔らかい
色:
①Jeans(青/メイン)×Andaluso(茶)
②Marlboro(赤/メイン)×Andaluso(茶)を予定
+
☆お化け(妖怪)らしさ
☆看護学生は戴帽式といって“暗い夜も蝋燭を灯し看護した”ナイチンゲール像から灯火を受継ぎ看護師になります。
➔自分自身の情熱の灯火を絶やさず、誰かの心も灯せたら…
☆なんと、フローレンス・ナイチンゲールの出身地が
「トスカーナ大公国(現トスカーナ州) 州都のフィレンツェ」!!
➔フィレンツェの英語=フローレンス。
...なんという偶然でしょうか。
蝋でコーティングされたイタリアンレザーが、“ランプを持った淑女”の出身地とは( *´艸`)
※参考にどうぞ。(私の出身校ではありません)
革と「水」
めでたし、めでたしと思うでしょう?もう少しお付き合い下さい。
コーヒーの精製と、革の製法ってとっても似ていますよね。
生産者の技術や方法でコーヒー/革の風合いが全然変わってくるのです。
もう一つ、「タンニン」以外でコーヒーと革の共通点があるのです。
それは「水」!!
日本の皮革三大産地から、「ロロマ(浅草)」が生産されているのは納得です!
そして、豊富な水源の硬度で革の質が変わるということ。
『ゴースト/GHOST』
生産:イタリアのトスカーナ州、ポンテ・ア・エゴラ地区「ラ・ブレターニャ社」
引用:Googleマップより
まず、イタリア全体図↓
「革の聖地」とも言われるイタリア・トスカーナ州↓
もう少し拡大していきましょう。
「ラ・ブレターニャ社」の近くに「アルノ川」という水源がありました!!
この水は標高1,654 mの「ファルテローナ山」から流れてきていました。
この水の硬度は直接分からなかったので、
「イタリア・トスカーナ州の天然水」を探しました。
『アクアパンナ(ACQUA PANNA)』
・採水地:スカルペリーア・エ・サン・ピエーロ
・硬度:104mg/L
➔WHO基準で60~120mg/l 未満を「中程度の軟水」
◎各『ゴーストレザー』説明通りソフトになりやすい。
◎コーヒー目線で言うと…
・硬度:104mg/L
➔日本人に合うのは10~100mg/lの軟水。
➔粕谷&井崎バリスタがオススメするのは「硬度30~50mg/l の軟水」
Ca3.15mg:Mg0.65mg≒5:1
➔理想は2:1(「エビアン」がこれ)なので比率は理想的ではありませんが…
「クリスタルガイザー」よりMgが高いので軟水の中で酸味が強い浅煎りを引き出すのに良い水なのではと思います。
※Caばボディを引き出す(「エビアン」推奨)、Mgは酸味を引き出すため。
概ね、「ラ・ブレターニャ社」と近い硬度になるのでは…?
もし、現地でコーヒーを飲むなら浅煎りを『アクアパンナ(ACQUA PANNA)』で淹れつつ、『ゴーストレザー』の手帳を触ろうと思いました( *´艸`)
(どんな〆だよ!)
「文具マーケット第5回」
次回のイベント出展は、以下の通りです!
「文具マーケット(第5回)」
日時:2024年05月18日(土) 11:00~17:30
会場:大田区産業プラザPio大展示ホール
ブース:一般列/「妖珈琲店」
※転職後半年有休がつかないので、急な出展中止の可能性があります。
※出展料は募集開始当日に入金済です。
転職状態によっては…名古屋も参戦できるかも…。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
また、沢山お話を伺わせて下さいね!!
今日はここまで!
お読み頂き、ありがとうございました。
2024年01月18日
「自家成分焙煎 妖珈琲店」店長:外堀 妖