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2021 0311 / 14時46分は海に居たい花束を買って海に届けたい

震災を経験した、あるご家族に同行させて頂き取材を許された。
以下、現地取材 =福島県双葉郡富岡町


「なんだろう。。震災を思い出すというより、震災の前の事を思い出す。

この家に帰るのが遅くて怒られたなとか。
外には自転車が置いてあって、小さい時、クリスマスプレゼントもらったこととか。

会えなくなった人がいっぱいいると気づく。」



現在でも放射線量は多く一家は自宅を手放し福島から茨城へと移住。

多くの人が町を去った。
小学校、中学校、高校と全て自分が通った学校は廃校となってしまった。
小中学校は9年間同じ友人達と学んだ為もっとも楽しかったし
高校生になって、多感な時期を過ごした思い出も蘇った。
今日、この日、8年ぶりに母校を訪れ、廃校になった学校の前の道を通ると
当時、制服を着た学生時代を過ごす自分自身の姿が
誰も居ないはずの道端に見え、感情的になってしまった。
そんな事を考えていたら、ちょうど今日だねって友達から電話がかかってきて
お互いの近況を報告しあった。


「悲しいとか、寂しいとか以上に
当時の友人達が皆それぞれに全国にバラバラになり
この町に帰ってきても会えないことが辛い。
学校帰りに遊んだ場所を見ると涙が出てくる。」


6号線の車道両側は
ほとんどの店がシャッターを下ろして無人になり荒れていた。
花束を買う際には
指を折り、亡くなった友人を数えていた。


「14時46分は海に居たい。花束を買って海に届けたい。鳥のように翼があれば
みんな生きる事が出来たのに。」

少し離れた場所から母がその姿を見守っていた。


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text and
all photos by taken SOTARO OHDAKE

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