健康第一 石原新菜著「眠れなくなるほど面白い免疫力の話」

 昨年末、遂に新型コロナウイルスに感染してしまった。あと2日で仕事納めという歳の瀬の最中のことだった。年末年始は一人で布団で過ごすという、人生でもトップクラスで碌でもない年末年始を強いられた。改めて楽しい人生は心身の健康に支えられていることを思い知らされる、情けない経験となった。

 私は毎年年初に、その年に達成したいことを70個くらい書き出している。もう体調不良にはなりたくないということで、「免疫について学ぶ」ことをそのリストの上位に置いた。そこで、早速書店で手に取ったのが本書である。免疫を詳しく学ぼうとすると、とても奥が深いことは容易に想像がつくが、本書は平易な日本語とわかりやすいイラストがふんだんに盛り込まれており、免疫を知るための入門書として最適の一冊。

 改めて免疫力をつけるための手法を学ぶと、子どものときによく言われたことをしっかり守ることが、とても大事だと気づく。お風呂に入る、よく寝る、体を温める、バランスのいい食事をよくかんで取る、但し腹八分目で、など。誰もが幼い頃に躾けられたことだろう。お母さん、おばあちゃんの知恵袋は偉大だ。そんな中で、ボーっとすることも重要だというのが目を引いた。“タイパ”重視の世の中で、空き時間についスマホを見てしまう、スマホ依存症のような人がたくさんいる。しかし、時にはのんびり何もしない時間を楽しむことが人間的であり、それが免疫力につながるということだろう。

 私は今、健康的な生活とデジタルデトックスを心がけ、頭の中を空っぽにする時間を大事にしている。それが効果的だったかどうかは、年末に一年を振り返ったときにわかることだろう。あの碌でもない年末年始を糧にしたい。

 

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