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アルツハイマー病治療に続々参入か

こんにちは、そーすけです。
今回はアルツハイマー病治療薬について触れていきます。
日本は高齢化社会と言われて久しいですが、他国と比べながら現在の状況をお伝えしたいと思います。
また高齢化問題と切り離せないアルツハイマー病の新薬の開発状況についてご紹介します。

わかりやすさを重視しているため、定義や内容について説明が不十分な点があるかと思いますが何卒ご了承ください。



日本の高齢化率は28.9%


内閣府のデータによると、総人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は28.9%です。
参考までに他国のデータも交えてまとめてみました。

日本の高齢化率は世界第1位

このデータで示された通り、高齢者人口は世界4位、高齢化率は世界1位です。さらに日本の平均寿命は世界1位です(84.3歳)。

日本では活発に働いたりスポーツなど趣味を楽しんだりする元気なお年寄りがたくさんいらっしゃいます。街を歩いていても本当にパワフルなおじいちゃんおばあちゃんがたくさんです。

一方高齢化に伴い病気でどうしても介護が必要になる場合が増えてきます。今は介護職に就く方が少なく社会問題になっていますが、その介護の原因となる代表的な疾患が認知症です。

認知症の代表疾患「アルツハイマー病」

認知症の代表といえばアルツハイマー病(AD)です。
ちなみに認知症には様々な種類があります。AD以外にも、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など細かく分けるとたくさんあります。アルツハイマー病の定義は、下記の通りです。

アルツハイマー病は進行性の認知機能低下を引き起こし,大脳皮質および皮質下灰白質におけるアミロイドβ沈着および神経原線維変化を特徴とする。

MSDマニュアル

AD治療の画期的な新薬「レカネマブ」

そんなADに対し治療薬は非常に限られていました。生き残った神経繊維を有効利用する薬で対症療法するしかありませんでした。

そのような状況下、2023年に「レカネマブ」が日本で承認されました。これは脳に蓄積したアミロイドβを減らす作用をもつ画期的な薬です。
この薬の登場によりAD治療は新たな時代を迎えました。

レカネマブの対象患者は限られている

このような画期的な新薬ですが、AD患者全員に投与できるわけではありません。ADによる認知症が軽度の方が治療対象となり、さらに検査(脳脊髄液検査またはアミロイドPET検査)により脳にアミロイドβがたまっていることを明らかにする必要があります。
レカネマブは2週間毎に点滴を行います。体重によって費用は変わりますが、体重50キロの方で約298万円ほど薬剤費がかかります。
ご存知の通り日本は皆保険制度ですので、高齢者は年齢と年収によって1-3割負担で済みます(場合によってはそれ以下)。
だからと言って推定約79万人いるAD患者さん全員に投与すれば莫大な医療費を費やすことになります。
また新薬を一気に使い始めると、副作用のリスクも高まります。
それらのことから対象患者をある程度絞っていると考えられます。

これは現在の社会保険制度を維持する上で非常に重要なことです。限られた財源を有効に使用するために対象患者を厳格にすべきと私は考えています。

今後の新薬候補


さて現在のADの開発状況は下記の通りです。

各社とも熾烈な開発競争が行われている


リリーのドナネマブはレカネマブと同じくアミロイドβをターゲットにした抗体製剤です。すでに承認申請を済ませており、まもなく承認の可否が判断されます。

外資系企業が強大な資本で開発を行うなかエーザイの健闘が素晴らしいです。エーザイはレカネマブで新たな市場を切り開き、さらに新薬候補も着々と準備中です。ここには載せていませんが、レカネマブの皮下注射も開発中のようです(点滴→皮下注で利便性が高まる)。

先行するエーザイ(レカネマブ)に追うリリー(ドナネマブ)がどのような展開を見せるのか注目です。

またノボ、アッヴィの開発状況にも目が離せません。

まとめ


今回はアルツハイマー病の新薬開発についてまとめてみました。
このようにメーカーが積極的に新薬開発を行うことで、結果的に医療の進歩が期待できます。

日本の抱える高齢化の課題に対し、解決策の一つとなり得るのか。
ぜひ注目していきましょう。

では。

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