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真理VS誤謬―①ハルマゲドンの戦い それはいつ、どのように起こるのか?

ハルマゲドンの戦い
それはいつ、どのように起こるのか?
      


ハルマゲドンの戦いが、いつ、どのようにして起こるのかを知るためには、まず、『ヨハネの黙示録』に記されている、最後の時代に起きる事件の順序を正確に理解する必要があります。終末の諸事件はどのような順番で起きていくのかが分かれば、ハルマゲドンの戦いの前後にどういうことが起こるかがが分かり、それがどのような背景から生じるかということも予測が可能になります。
それでは、『ヨハネの黙示録』が記している最終の事件の順序を探っていきましょう。

1)強要される獣の刻印

最終の事件は、獣の刻印を強要する事から始まります。「それから、その獣の像に息を吹き込んで、その獣の像が物を言うことさえできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺させた。また、小さき者にも、大いなる者にも、富める者にも、貧しき者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々に、その右の手あるいは額に刻印を押させ、この刻印のない者はみな、物を買うことも売ることもできないようにした」(黙示録13:15~17)
この聖句は、サタンとその地上の代理者たちによって、全世界的に獣の刻印が強要され、その刻印を押されていない人は、物を買うことや売ることができないだけでなく、誰でも殺されることになる、死刑の法令が世界的に発表されるという事実を私たちに警告しています。

今日、誰がほんとうに神様に仕え、誰がサタンに仕えているのかはっきり見えない面がありますが、獣の刻印が世界的に強要されるその時がくれば、すべての人は神様を礼拝するか、サタンを礼拝するか、最後の選択をしなければなりません。その時この世界は、完全に二つの陣営に分けられることでしょう。真のクリスチャンは、天の父なる神様を礼拝するようになり、サタンに属している者たちは獣を拝むことになります。さらに、獣を拝む者たちは、獣の刻印を押されるだけでなく、獣の像を拝むことを拒み、彼の刻印を押されない少数の真のクリスチャンたちを迫害し、さらに、彼らを殺すことまでします。まさしく、これが地球歴史の最終時代における、善と悪の大争闘となります。

このような、世界中のすべての人が、誰を礼拝(worship)するかという問題で、二つに分かれる時代背景において、理解しておかなければならないことがあります。「拝む―礼拝」という言葉は宗教界だけで使われる言語です。それゆえ、神様を礼拝する群れだけではなく、獣を拝む群れの中にもクリスチャンと自称する人たちが含まれているという事実です。神様を拝む者も、獣を拝む者たちも、両方がクリスチャンと言っているのです。一つの群れは、神の真の民として形成されます。他の群れは、偽クリスチャンたちと、異教の宗教者たち、そして、世の人々とが混合しています。
しかしでは、どのようにして、偽クリスチャンたちと異邦の宗教を信じる者と世の人々が、合同するようになるのでしょうか。『ヨハネの黙示録』13章には、この疑問に対するヒントが記されています。「また、大いなるしるしを行って、人々の前で火を天から地に降らせることさえした。さらに、先の獣の前で行うのを許されたしるしで、地に住む人々を惑わし、かつ、つるぎの傷を受けてもなお生きている先の獣の像を造ることを、地に住む人々に命じた」(黙示録13:13,14)。まさしくここで、私たちは、サタンが異邦の宗教者たちと世の人々を一つに結合させる方法を見ることができます。それは、驚くべきことに、偽クリスチャンたちが行う目覚ましい“奇跡としるし”のゆえなのです。サタンは、自分の代理者となった偽クリスチャンたちに力を与えて、あらゆる奇跡を行わせるのです。「人々の前で火を天から地に降らせることさえした。さらに、先の獣の前で行うのを許されたしるしで、地に住む人々を惑わし・・・」。世の人々はこのようなしるしを見て、敬意を持って獣の像を拝むように惑わされるのです。

2)恩恵期間の終了と、七つの災害の始まり

最後の時代における最も恐るべき警告の言葉が、『ヨハネの黙示録』14:9,10に記されています。「ほかの第三の御使が彼らに続いてきて、大声で言った、『おおよそ、獣とその像とを拝み、額や手に刻印を受ける者は、神の怒りの杯に混ぜものなしに盛られた、神の激しい怒りのぶどう酒を飲み、聖なる御使たちと小羊との前で、火と硫黄とで苦しめられる』」

このみ言葉は、獣の刻印を受けてその像を拝む者たちから、神様の慈しみと恵みが、完全に絶ち切られて、彼らに神様の激しい怒りの杯が傾けられることが示されています。サタンの勢力は獣の像を立て、その像をすべての人々が拝むようにさせることによって、神様の慈しみと恵みを最終的に拒むだけではなく、神の真の民を迫害し、思うままに殺すようになります。こうして、人類の反逆と罪悪の升目(ますめ)はその限界を超えるようになります。そこで神様は、獣の刻印を押された者たちに対する恩恵と憐れみのみ手を断ち切る以外にはなくなります。この時から、最後の七つの災いが始まります。「七人の御使が、最後の七つの災害を携えていた。これらの災害で神の激しい怒りがその頂点に達するのである」(黙示録15:1)

全世界が、サタンの代理者たちによって引き起こされる奇跡としるしによって欺かれて、獣の像を拝むようになりますが、真の神の民たちは、命をかけて獣の像を拝まず、獣の刻印を拒みます。獣の像への礼拝命令を拒んだことが、すでに一つに結合しているサタンの代理者たちや世の人々の心の中に、迫害の精神を燃え上がらせます。このとき、多くの聖徒たちは殉教の道を歩むことになります。最後の戦いは、善と悪との大争闘であり、獣の刻印を押された悪者たちと、それを拒んだ義人たちの間の最後の争闘です。

獣の刻印を押された人々は、自分たちの数がはるかに多く、世の人々から支持されており、天のしるしと、奇跡を行う力を持っていて神に是認されているのに、なぜ、像を拝まないのかと、義人たちを追及します。そのとき、神の真の民は、全世界の人々にとって、非難、嘲り、誤解の的になるでしょう。最終的には、自分たちが造り上げた獣を拝まないという理由によって、神を汚す者、秩序を乱す者、不従順な異端の教えを堅く信じて改心の見込みがなく、生きている価値がない者として、義人たちを殺すためにかかってくるでしょう。

まさにこのような場面において、天の父なる神様は、七つの災害を悪人だけに下して、神様ご自身の民を保護されます。悪人たちは災害の原因を義人たちの不従順のせいにして、迫害の炎をなおさら燃え上がらせるようになります。ところが、次々に起こる災害を通して、悪人の心に「なぜ、我々に従わない少数の人たちには災害が下らないのに、我々にはもろもろの災害が下るのか?」との疑惑が生じることでしょう。もちろん、義人たちにも困窮と困難がもたらされることは事実ですが、しかし、悪人たちには災害が直接に臨むのです。
獣の刻印の強要は、全世界的に行われるものですから、刻印を押された悪人たちへ下る七つの災害もやはり、全世界的に臨むものとなります。

七つの災害の順序と内容は次の通りです。

第一の災害 「第一の者が出て行って、その鉢を地に傾けた。すると、獣の刻印を持つ人々と、その像を拝む人々とのからだに、ひどい悪性のでき物ができた」(黙示録16:2)
現在は、義人も悪人も共に病の被害を受けていますが、このときからは、ただ、獣の刻印を押された悪人のみへ、災いが集中して下ります。

第二の災害 「第二の者が、その鉢を海に傾けた。すると、海は死人の血のようになって、その中の生き物がみな死んでしまった」

第三の災害 「第三の者がその鉢を川と水の源とに傾けた。すると、みな血になった」

第四の災害 「第四の者が、その鉢を太陽に傾けた。すると、太陽は火で人々を焼くことを許された」

第五の災害 「第五の者が、その鉢を獣の座に傾けた。すると、獣の国は暗くなり、人々は苦痛のあまり舌をかみ、その苦痛とでき物とのゆえに、天の神をのろった。そして、自分の行いを悔い改めなかった」
第五の災いは、獣の座がある場所を暗黒で巻き込む災いです。この災いを通して天の父なる神様は獣の勢力の正体と、彼が存在している場所を現されることで、誰のために七つの災害を下されたのか明らかにされます。この時から神様は、誰が本当の神様の民であって、どの群れが神様と共に歩む群れであるかを、全世界に現わし始められます。

第六の災害 「第六の者が、その鉢を大ユウフラテ川に傾けた。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに対し道を備えるために、かれてしまった。また見ると、龍の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。(見よ、わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、また、裸の恥を見られないように、目をさまし着物を身に着けている者は、さいわいである。)三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した」(黙示録16:12~16)
まさに、これは私たちが学んでいるテーマであるハルマゲドンの戦いです。『ヨハネの黙示録』はハルマゲドンの戦いは、七つの災害の中の、第六番目に下る裁きとして紹介しています。ハルマゲドンの戦いは、サタンの仲間と、天の父なる神様に属する者たちとの間で展開される大争闘ですが、それは、この世にいるすべての人々が参加する霊的な戦いでもあります。サタンの味方になって戦いを主導する勢力は“三つの汚れた霊”すなわち、“悪霊”であり、神様の側にいるのは、「裸の恥を見られないように、目を覚まして着物を身に着けている者」たち、すなわち、神様に命をも捧げて忠誠を果たす本物のイスラエル、信仰によってキリストの品性を身に着けた義人、新しく生まれたクリスチャンたちです。

第七の災害 「第七の者が、その鉢を空中に傾けた。すると、大きな声が聖所の中から、御座から出て、『事はすでに成った』と言った。すると、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴とが起り、また激しい地震があった。それは人間が地上にあらわれて以来、かつてなかったようなもので、それほどに激しい地震であった。大いなる都は三つに裂かれ、諸国民の町々は倒れた。神は大いなるバビロンを思い起し、これに神の激しい怒りのぶどう酒の杯を与えられた。島々はみな逃げ去り、山々は見えなくなった。また一タラントの重さほどの大きな雹が、天から人々の上に降ってきた。人々は、この雹の災害のゆえに神をのろった。その災害が、非常に大きかったからである」

質問に対する答え

さあ、「ハルマゲドンの戦いは、いつどのようにして起こるのか?」との質問に対する正確な答えをする事ができるようになりました。それはまず、獣の像を拝んで彼の刻印を強要する群れと、それを拒む群れの間で最後の争闘が全世界的に始まり、獣の刻印を拒む聖徒たちへの迫害と殉教が起きて、その渦中に下る七つの災いのうち、第五の災害が下った直後に、全世界的なハルマゲドンの大争闘が起こるのです。

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