「そ/そ/そ」店主、岡山拓と申します。
私は、ずっと関西の美術界の片隅で生きてきました。美術系大学入学を機会に現代美術に傾倒し、90年代に作品を発表。その後に、世間の美術への理解や興味のアンバランスに問題意識を持ち、現代美術の鑑賞術を教える「トリ・スクール」という学校を京都・大阪のカフェではじめ、最終的には、神戸、西宮、奈良と広げることができました。こうした活動に興味を持った編集者から、雑誌ので文筆を勧められ、美術ライターとして活動もしました。特に専門としたのは美術館で、美術館特集には企画から関わりました。
私にとって美術は、生み出すものであり、送り出すものであり、賞でるものでした。そのため、美術界でフラフラと動き回り、よるべない人生を送っていたのですが、齢五十を越えて、ものづくりの原点に戻り、子供の頃から大学まで学んだ、陶芸を軸に新しい仕事を始めました。それが 「そ/そ/そ」です。
「そ/そ/そ」は、ライフスタイルに寄り添う工芸ブランドです。おもに、骨壷をつくり、販売します。わたしはひとつひとつ手作りで骨壷を生産し、同じものは二つとありません。
私がつくりだす、シンプルで素朴な、てづくりの骨壷を「骨櫃」と呼んで、自分の死と向き合うこと、誰かを弔うことの大切さを問おてみたいと考えています。