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トンガの支援状況と、もしもマーシャル諸島で起こっていたらの話

トンガ沖で海底火山の大噴火から1週間。日本も到達した津波の影響を考えれば、トンガという一国がまるごと飲み込まれて、国が沈没という最悪なシナリオが思い浮かびました。幸いにも津波・火山灰の被害は大きいものの、国が滅亡するまでには至らず、日本を含む世界各地から支援が集まり、支援物資・部隊が現場入りし始めているようです。

Facebookでシェアしたトンガのオリンピック選手が立ち上げたクラウドファンディングには、1週間で11,000人を超える人々から約5200万円が集まりました。

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支援してくださったみなさま、ありがとうございます!支援サイトはこちら

また、日本政府もトンガ大使館からの要請を受けて、1億1500万円の支援を発表し、自衛隊の派遣も実施。

日本のNGOも募金を募り、緊急災害支援NGOのピースウィングジャパンには、3000万円が集まっている。

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日本語で寄付したい方は、こちらのプロジェクトがおすすめ

日本財団も1億円のトンガ復興支援基金を立ち上げた。話題になったのが、この基金に作家の湊かなえさんも1000万円の寄付をされたこと。知らなかったのだが、湊かなえさんは昔、青年海外協力隊でトンガに派遣されていて、その縁で支援を決めたそう。

湊かなえさんが「絶唱」というトンガを舞台にした小説もかかれていたので、kindleで買って読み始めてみました


人口10万人、日本から8000キロ離れている(フィンランドと同じ距離)太平洋諸国にこれだけのスピード感をもって、政府・国民・NGOが支援を行っているのは、ひとえに素晴らしいし、これが日本が東日本大震災を経験した恩返しもできているのだなと感じます。

僕が今回、このトンガの地震の被害にアンテナを高くしている理由は、ピタ選手の国のためになんとかしたいというひたむきさに感動したことも大きいです。

それに加えて、同じ太平洋諸国であるマーシャル諸島で同じことが起こったら、どうしていただろうか、と考えていたこともあります。

地震の被害がマーシャル諸島で起きていたら・・・

Earth Companyはアジア・太平洋地域の類まれな社会起業家を1年に1人選んで「IMPACT HERO(インパクト・ヒーロー)」と呼び、寄付・マーケティング支援・経営コンサルなどの支援を3年間行っています。

2017年から2019年まで支援をしたのが、マーシャル諸島の気候変動活動家で詩人のキャシー・ジェトニル・キジナー。

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マーシャル諸島は、気候変動による海面上昇の影響で、2050年には国土の数割が沈没の可能性があります。キャシーは、国・太平洋諸国の代表として、COPや国際会議で国の現状を詩(ポエトリー・リーディング)を通じて訴えてきました。また、マーシャル諸島の未来を担う若者たちが、気候変動について学べる教育プログラムを提供していて、私達は活動の拠点となるユースセンター建設を支援しました。

前置きは、このくらいとして、もしこの規模の噴火・津波がマーシャル諸島で起きていたら。Earth Companyは通常支援と合わせて、緊急支援ガイドラインを定めています。支援が終了したインパクト・ヒーローでも彼らの国や活動拠点で大規模な災害が起こったときには、支援ニーズを受けて、Earth Companyが寄付を募り、彼らに届けます。これまでには、バリのアグン山噴火支援、東ティモール豪雨・洪水支援をしてきました。

今回級の災害がマーシャル諸島で起こった場合、間違いなくキャシーから支援要請があり、我々も動きます。

問題は、連絡がつかない中で、どのように被害情報を集め、寄付を募るか

今回のトンガのように、インターネットが断絶された状態で、そもそもキャシーから支援要請が届かないケースが予想されます。この状況での我々のベストな動き方は、キャシーから連絡が来る前に、ニュースなどの既出の情報を集め、我々が支援を募り始めることだろうと思います。

今回のピタ選手のように、まずは支援の受け皿を作って、被害の詳細・支援ニーズが判明してから、信頼する団体に集まった資金を寄付する、というやり方になるかと。

これはベストな理由は、①災害支援では、迅速な対応をできるかが命の明暗を分けるため②メディアで認知が高まっている中で寄付体制を整えるため③最悪な事態を想定して、資金をできるだけ多く集めるため

その点、ピタ選手は、噴火が起こったその日にクラウドファンディングを立ち上げ、SNSで発信をし、海外のメディア対応など、一人で全部行うという、素晴らしい対応でした。

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(写真右)強化合宿のためにオーストラリアに遠征にきていて、今回のような有事がおきて、すぐに行動を起こせるのが、尊敬すぎる。重ねて、みなさんにも寄付のお願いです。ピタ選手のクラウドファンディングはこちら

以上のことから、ECも動きますが、キャシーが海外にいた場合、キャシー自身が募金ページを立ち上げた方が、彼女の知名度を考えると、より多くの支援が集まりそう。その場合、ECは徹底的にまわり、このキャシーの支援ページの翻訳をひたすら行うのが最善かと。

ちなみに、ピタ選手の父親はトンガの一つの島の知事?だったそうで、行政との直接的なつながりも信頼の一つでした。キャシーのお母さんは、マーシャル諸島の前大統領なので、その点を考えても、非常に似てます。

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キャシーの母でヒルダ・ハイネ前マーシャル諸島大統領

と、結論としては、キャシーが海外にいる場合には、キャシーがクラウドファンディングを立ち上げ、我々が日本での広報を後方支援。キャシーが国内にいる場合には、ECが支援ページを立ち上げ、キャシーに送金する前提で、手に入る情報を集めて、支援を募る、というとなりそうです。

災害支援はスピード感が命なので、この意思決定・募金開始を最速1-2日で行う必要があります。ということで、今回のトンガ支援はそういった意味で、チェックしていました。

蛇足にはなりますが、マーシャル諸島の場合、「ザ・ドーム」という使用済み核燃料が埋め込まれているコンクリ施設があります。もしも海底火山の影響で、この核が海に流れ出るようなことがあれば....そういうことも想定しておかなければいけないのだなと。


最後に

今回のトンガ支援について、もしもマーシャル諸島で同じことが起きていたらという想定について書きました。実際にマーシャル諸島で起きても、このnoteに書いてあるような行動を起こせていたかと考えると、おそらくできていたかなとは思いますが、漏れやもっとうまくできるはずだった点は出てくるかなと。

トンガの被害の全容も見えてきて、火山灰の撤去や飲水の確保、コロナを持ち込まないようにしてのオペレーションなど、支援が見えてきました。

まだまだ大変な状況ではありますが、支援が無事届き、一日でも早くトンガの人々の暮らしが日常に戻りますように。

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【トンガを支援する方法】

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