見出し画像

ウェブサイトを収益化しない個人的理由

こんばんは、sosekiです。

sosekiは日頃、趣味で鉄道ファンサイト、Style-Train Graphics-というブログタイプの資料ウェブサイトを公開・更新しています。

特に鉄道車内の人がいない姿を記録することをメインテーマにしています。この理由は過去の記事でお話ししています。

おかげ様でこの2年でアクセス数は大きく上昇しました。たくさんの方に興味を持っていただけてとても嬉しく思います。そんななかで、最近ちらほらと、「収益化しないの?」というお話をいただきます。広告収入というものですね。今の時代、趣味のサイトであっても大手のウェブサイト様であれば収益化はほぼ当たり前になりつつあり、それに対して私自身は全く否定の思いはありません。今日はそんなお話を綴らせてください。

収益化はしないの?

今のところ、しません。

理由はいくつかあります。例えば、会社員として日頃働く身で、副業が禁止されているだとか、そんなにアクセス数無いからとか、色々ありますが、そのなかから二つ、理由を書き記します。

1、趣味は趣味で在りたいから

日頃アートディレクターという、大衆のニーズをキャッチし、そこに波を立てるような仕事をしていると思うのですが、人間は強欲です。大きなお金が自身の手に入るとなると、やはり欲が生まれます。私自身もそういう節があるのは自分で理解しています。

もしサイトを収益化すると、その金額を高めることがウェブサイト更新の第一目的になってしまうかもしれないと思っています。当初の目的がそれであればかまわないのですが、私はあくまで「鉄道を楽しむファンの一人」であります。鉄道を利用しながら、運営してくださる会社や乗務員、駅員の方々に感謝しつつ、行程はもちろん、たどり着いた地元や車窓を楽しむことを趣味としています。その中でも特に、鉄道車両、とりわけ車内については自身の仕事につながりがあり、収集をしています。そして、自身の資料を共有することで誰かの役に立ったり、趣味のつながりが生まれればという思いでウェブサイトを運営しています。とにかく鉄道が大好きなのです。

そんな大好きな鉄道を純粋に楽しみ、どちらかといえばお金を僅かでも落とすことで貢献したい人間なので、その鉄道というコンテンツで逆に食べさせてもらうのは申し訳ないですし、それが主目的でウェブサイト運営をすることで、愛情が変わってしまうのではと思うのです。だから、趣味は趣味のままで、お金を生むことをあえてしないようにしています。

もう一つ、大きな理由があります。

2、自身の腕でクリエイティブをしているのか

もう一つの理由は、「私の鉄道趣味は創作ではない」からです。

私は大学で美術関連を学びました。友人にも何人か、自身の腕前で創作を生み出して暮らしている人間がいます。アートでご飯を食べていくのがどれほど難しいことか、とてもよく知っています。

私自身もアート界の片隅にいて、鉄道とは全く異なる世界ながら、アートディレクションやグラフィックデザインと本気で向き合いながら世にクリエイティブを届けています。街中で自身の作品を見るととても嬉しい気持ちになりますし、その努力相応のお金をいただいて暮らしています。

今の私のウェブサイトは、すでに存在するコンテンツである鉄道車両の一部を、カメラで切り取って並べて、知りうる限りの知識と考察を少し添えただけのコンテンツがほとんどです。クリエイティブな要素はほとんどありません。強いて言うなら、人のいない車内を撮影するための旅費はそれなりに掛かっていますが、先述のとおりその旅程は「趣味」なので、私が思う、お金を頂戴するに相応しいクリエイティブワークはここに存在していないのです。

念のため添えますが、別にプロのフォトグラファーやカメラマンの方々に対するネガティブは全くありません。写真は腕前やセンスの必要な、立派な技術であることは、日ごろそういった方々にお仕事を依頼している私自身が一番わかっています。むしろ、プロの方々と触れ合う機会が多いからなおのこと、私のウェブサイトに収益化する価値は見出せないという思いなのです。

3、ムキになって、何が楽しいのだろう

画像1

趣味は私にとっては娯楽です。理解者が居るに越したことはありませんが、いなくとも私にとって心地の良い存在です。そんな趣味に、ネガティブな感情は極力持ちたくないなぁと思っています。

時に趣味活動は、イレギュラーなトラブルに巻き込まれますし、また趣味というものは、たいていの理解できない方々とは分かりえないものです。鉄道趣味も同様です。そんな趣味を続けていく中で、自分以外の誰かに対して、自分だけの価値観を押し付けることはしたくありませんし、故意に傷つけるようなこともしたくはありません。

趣味に共感できる者同士は心地よく分かち合い、分かち合えない周囲に対してもこちらから関わる必要はなく。それが趣味の聖域であり、娯楽として、楽しみながら、楽しませてもらいながら、長く続けていく秘訣だと思っています。

もう一度だけ書き記しますが、プロとして写真を撮ったり、依頼する場合は趣味とは全く異なる考え方や行動を取ります。娯楽ではありません。その先にクライアントがあり、大きなお金が動いたり、あるいは成果物・作品で大きなお金を動かす必要があるからです。仕事の場合は事前の準備に途轍もないパワーを掛けることで、1回きりの本番をベストな環境に予め仕上げてから臨むものです。イレギュラーが発生したところで、それはイレギュラーとなった原因を責めるべきではなく、発生する隙を作った自身の責任となります。それが、プロのクリエイティブであり、娯楽ではない世界です。

良い意味で、プロフェッショナルと娯楽の線引きが、少しでも多くの人に理解されればいいなぁと、思うことが最近増えました。


以上が、私が趣味で続けている鉄道ファンサイトを収益化しない理由です。なお、これはあくまでsosekiの個人的な考えであることを最後に添えたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?